弥生時代までで力つきないための「社会」〜縦軸と横軸を意識した学習〜 | 東京大学法学部卒が教える! 親子の力で受験を乗り切るブログ

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東大法学部を現役で卒業した目線から、
「世間」の理想を通過点と捉え、
真の親子関係を築くための方法について書いています。


こんにちは、高谷です。

ここのところ算数・数学や国語のことばかり書いていたので、
今回は社会の学習方法について書こうと思います。

関西の中学受験においては、社会がなくて算国理の3科目というところもありますが、
関東では社会も含めた4科目受験が一般的です。

また、大学受験に目を向けましても、
文系理系問わず、少なくともセンター試験では地理・日本史・世界史のいずれかが
必要となることも多いでしょう。


受験においては、いわゆる暗記科目として後回しにされがちですが、
いざ勉強をはじめてみると、範囲が広くて

どこから手を付けてよいのやら…

という状況に陥りがちになります。


ひとつひとつの単語を丸暗記するのももちろん大事なのですが、
点数アップにつなげるために重要な意識があります。

それは、平行意識と垂直意識
すなわち横軸縦軸の考え方です。


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たとえば、日本史。

初めて学校や塾の授業で習う際は、
縄文時代から弥生時代、飛鳥奈良平安鎌倉室町…
というように、
時代ごとに大事な人物や言葉を覚えることとなります。

これを僕は、横軸の勉強と呼んでいます。

年号を基準に考え、古い時代から
この頃の政治は…、経済は…、文化は…、
全部をひとくくりするような組み立て方の勉強方法ですね。

初めて学ぶ際は、「聞いたことも無い単語」をなくすためにも
この学習法が理にかなっていると思います。


ですが、一度にはなかなか覚えきれない。
大事なところとそうでないところの優先順位がつけづらい…。

このタイミングで全部一気に覚えようとして、
途中で息切れしてしまう人も多数いるのではないでしょうか?

(テスト前に、「勉強するぞ!」と意気込んでいたのに、
 結局弥生時代くらいで力つきる同級生、
 クラスにひとりはいましたよね?笑)


一方で、政治の移り変わりや文化、民衆の経済など、大きなジャンルに注目して
そのジャンルにおいて縄文〜平成までの移り変わりを一気に覚える
これを僕は、縦軸の勉強と呼んでいます。

入試まで視野に入れる際、どちらかと言うと、
僕はこの、縦軸の勉強を大事にしてほしいです。


学校の定期テストや塾の模試では、出題範囲が決まっていますよね?
今回は、江戸時代の試験をします!
みたいな感じ。

このときは、横軸の勉強で十分なのです。
江戸時代のことをとにかく暗記すれば、良い点数がとれると思うから。


ところが、実際の入試には、範囲なんてありません
鎌倉・室町・江戸時代が混在するような問題なんかが出題されます。

普段からどれだけ勉強していたとしても、
こうなると、途端に成績が落ちるお子さんが多いです。

単語は覚えているんです。
だけど、なぜ成績が悪いのか。

それは、部分部分でしか歴史を捉えられていないからです。
歴史の流れを大きく見ることが出来ていないからです。

極端な話、
「鎌倉幕府」「室町幕府」「江戸幕府」という単語を覚えていたとしても、
どれが最初に出来て、なぜ滅んだのか、など
順番を覚えていないと、テストでは使い物にならないのです。

それは視野を広げるということなのですが、
その視野を広げる方法が、縦軸を意識した勉強なのです。


たとえば、政治にしぼって軽くまとめてみます。
↓↓

<縄文時代>:
・集団で狩りをする生活、貧富の差がない

<弥生時代>:
・定住生活、米作りがはじまる
・米(土地)を持っている人と持っていない人の間で、貧富の差が生まれる
・自分たちの居住地「国」が作られる(例:邪馬台国)

<古墳時代>:
・各国のトップが、自分たちの力を示そうとする

<飛鳥時代>:
・豪族達の権利争い。天皇に仕える一族がえらい(例:摂政)

ここから、天皇を中心とする中央集権体制の確立
一番えらいのは、天皇

<奈良時代>:
・都を奈良に移す。寺院の僧侶が政治に口出しを始める

<平安時代>:
・寺院を遠ざけるため、都を京都に移す。
・藤原一族の台頭、摂政・関白として天皇のもとで実質政権を握る
・天皇を退位した、上皇が政治を牛耳る(=藤原氏の衰退)
・武士の登場、貴族同士の争いで重要な役割を担う(例:源氏・平氏)

ここから、政治の中心は武士に移る(ただし、天皇は存在している)。

<鎌倉時代>:
・政治の中心としての「幕府」が誕生。
・元寇による、幕府の求心力低下
・天皇は、復権を狙う

<南北朝時代>:
・後醍醐天皇、天皇中心の政治を復活させようとする。
・しかし、武士の反感を買いうまくいかない。
・再び政治の中心は武士(足利氏)に。

<室町時代>:
・安定した集権制をとるも、跡継ぎ争いが勃発
・各地で戦国武将が名乗りをあげる。(戦国時代)

<安土桃山時代>:
・織田信長、豊臣秀吉による施政

<江戸時代>:
・全国を統一した上での幕府の存在
・オランダ・中国以外の海外交流を禁じるも、開国を迫られ国内が混乱
・尊王攘夷運動、幕藩体制の崩壊
      
ここから、天皇による中央主権体制の復活

<明治時代>:
・西欧にならい、急速な近代化
・市民の言論による運動のおこり/第日本帝国憲法の完成
・議会議院制、天皇のもと内閣が政治を担う

<大正/昭和(戦前)>:
・世界恐慌、関東大震災などによる社会不安
・社会主義弾圧などの思想統制
・軍部を中心に開戦の流れが強まる

<昭和/平成(戦後)>:
・敗戦、日本国憲法の完成
・天皇は象徴に/政党内閣制


という流れになります。


本当にざっくりとしか書いていませんが、
この流れをベースに、人物名や施政の内容を覚えて肉付けしていくのが
縦軸の勉強方法となります。

これ以外にも、海外とのやりとりに注目した縦軸(外交史)、文化史経済史、など、
「縦軸」にすべきことはたくさんあります。


今でもハッキリ覚えているのですが、
僕が小学生の頃、塾の社会のテストでこんな問題を出されたことがあります。

<問題>
日清戦争から太平洋戦争までの、日本と海外との関係性の移り変わりについて書きなさい。



…これだけです。社会の問題が、たったの一行です。
おそらくこれまで受けたたくさんの試験の中で(東大入試も含みます)
一番きつかったのは、あの頃のこのテストでした…。

実際にやってみるとわかるのですが、これめちゃくちゃきついです。
縦軸が頭に入っていないと、まさに

何を書いて良いのやら…

という状態になってしまうのです。


日清戦争は1894年、太平洋戦争を1941年だとすると、
たとえば戦争の話だけでもその間に
○三国干渉
○日英同盟
○日露戦争
○韓国併合
○第一次世界大戦
○ロシア革命
○国際連盟
○満州事変
○日中戦争
○第二次世界大戦
○日独伊三国軍事同盟
etc.

絶対に触れなければいけない内容は、たくさんあります。
(中学受験レベルの試験だったので、大学入試となるともっともっと多くなるでしょう。)


逆に言えば、このように一問一答形式でない問題でも答えられるかどうかこそ、
社会の真骨頂とも言えると僕は思っています。

そして、社会を学習する以上は、このような問題にも対応できるような、
クイズではない役に立つ知識を身につけて欲しい。

時代ごとに分けて暗記していると、
歴史の流れがどうしても飛び飛びになってしまいがちです。


ここで、縦軸を意識できているか、軽い確認テストです。

中国の主要王朝名
殷(いん)
周(しゅう)
秦(しん)
漢(かん)※前漢・後漢
三国時代 ※魏(ぎ)・呉(ご)・蜀(しょく)
隋(ずい)
唐(とう)
宋(そう)
元(げん)
明(みん)
清(しん)
中華民国(ちゅうかみんこく)
中華人民共和国(ちゅうかじんみんきょうわこく)


それぞれ、日本では何時代だったか覚えているでしょうか。


これもまた、「中国」にテーマをしぼった縦軸の学習です。

お子さんに確認してみたり、
お子さんの社会の学習教材を開いて、あなたご自身で確認してみたりして、
ぜひ知識の定着をはかってください。


地理なんかでも同じです。
都道府県ごとに注目して、山の名前、川の名前、農業、工業などをごちゃ混ぜに覚えるのが「横軸」、
「農業」「水産業」など、テーマを絞って各都道府県を一気に見ていくのが「縦軸」です。


初めて社会に取り組む際は、まずは「横軸」に触れてください
(理由は、「好奇心」を持てる内容を探すためです。詳細は次回のブログで書きます。)
そして、2回目からの学習では「縦軸」を意識して、本当の意味で「使える」社会の知識を定着させていってください。


大人になった今でも、僕は同世代や年上の知人や友人に対して、
この「縦軸」の社会の授業をすることがあります。

一般教養として身につけておかなければいけない気がする

彼らはみなそう言っていました。


「暗記科目」と侮るなかれ。
突き詰めると、受験とはどの科目も暗記です

時間は限られています。
あれもこれもと一度に詰め込もうとすると、お子さんはパンクしてしまうでしょう。
ましてや、親から子に暗記を強要するようなことがあればなおさら。
間違いなく、お子さんは勉強が嫌いになると思います。


縦軸とは、頭の中にある知識の整理整頓です。
教科書の見直しが序盤だけで終わらないように、
絶対に必要なものから優先して、見極める。これが大事。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

…とはいえ、いきなり優先順位を自力で見極めるのは、なかなか難しいと思います。
なので、どこが大事かという「優先順位」は僕の方から提示する必要があるかなと思っています。

社会におけるこの「縦軸学習法」
あれこれ文字で書くよりも僕自身が授業した方が手っ取り早いので、
勉強会を開こうかなとも考えています。
1テーマあたり1時間もあれば、口頭なら縄文〜現代までなぞれると思うので。
セミナー形式にした上で音声配信にするかどうか、やり方はまぁ考え中です。

また決まったら、このブログか「親子あい」コミュニティメルマガにて連絡します。


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