3月7日の本会議で路上喫煙禁止についての質問をし、たばこを吸う人も吸わない人も心地よく過ごせるルール作りを要望しました。
《平田》
路上喫煙禁止について質問致します。
いまから7年前、平成18年にたばこの吸殻、チューイングガム、空き缶や空きビンのポイ捨てを防止しながら、まちの美化を推進して、市民が快適に暮らしていけるようにしていこうということを目的に「まちの美化を推進する条例」が施行されました。それに先立って、この本会議、そして当時の建環産業委員会でも多くの議員から質問、要望がございました。そこでまず一点目、お伺い致しますが、このいわゆるポイ捨て禁止条例、さまざまな議論を経て、そして施行されてから7年経つわけですけれども、条例施行後、ポイ捨てやまちの美化についてはそれなりに効果があったのか、現在どういう状況なのかということについてお伺い致します。
続いて、この美化条例を一部改正するというかたちで、路上喫煙の規制をしていこうというのが今回の条例提案であります。路上喫煙の定義、禁止区域、そして路上喫煙の禁止、措置命令、過料ということで改正の内容が示されておりますが、どういう問題意識、現状認識があって改正を行おうとするのか、目的ですね、2点目お伺い致します。
3点目は他市の状況についてお伺い致します。ご案内の通り、平成14年に東京都の千代田区が全国に先駆けて路上喫煙禁止条例を制定し、大変大きな注目を集めました。その後、全国的な広がりを見せまして、様々な自治体で同様の条例が制定されてまいりました。関西では少し遅れましたが、平成19年3月に大阪市、6月に京都市でこの路上喫煙禁止条例が制定されておりますが、高槻に近隣する自治体については、現在どういう状況なのか、またどういう分析をしているのか、お伺い致します。以上です。
《産業環境部長》
平田議員の大きく2点のご質問にお答えします。
まず1点目の条例施行後の効果についてですが、私どもが行っている早朝清掃などからも空き缶や空き瓶、紙くずなどのポイ捨てごみは減少していると認識しております。また、年に2回行っている環境美化推進デーにおいては約8万人の市民の方々が参加されていることからも、環境美化の意識は向上しているものと考えております。
次に2点目の条例改正にかかる現状認識につきましては、ポイ捨てのごみは減っているものの、たばこの吸殻については依然として多いとの状況を踏まえ、まちの美観を損ねる吸殻のポイ捨てにつながる路上喫煙については、その危険性などが社会問題化していることから、路上喫煙者によるたばこの吸殻のポイ捨て防止のルール作り及び、マナーの向上を図ることを、目的と考えております。他市の状況につきましては、同様の条例を施行しておりますのは、大阪府下43市町村中13市でございまして、北摂7市では豊中市、茨木市、吹田市、箕面市、池田市の5市でございます。
《平田》
まずポイ捨てについてですが、市民の皆さんに理解をいただき、また職員の皆さんにも努力をしていただいて、たしかにポイ捨てのごみは減少しているように私も思います。しかし、私の知人で毎朝5時に駅周辺でごみ拾いをされている方がおられます。私も時々手伝いに行くんですが、場所によっては本当にたくさんのごみが夜の間に捨てられていて、すぐにごみ袋がいっぱいになるようなこともあります。そういう方がいらっしゃるというのは大変ありがたいんですが、もう少しだけ市民ひとりひとりが意識を持てるようになればもっとまちがきれいになると思います。今回は路上喫煙禁止についての改正ですが、これを機に、ポイ捨てに対する意識向上というのもいま一度考えていただきたいと思います。
続いて、路上喫煙禁止について、少し具体的に何点かお伺いしたいと思います。まず、禁止区域についてはどこを想定しているのか、お答えください。
次に、この条例がスタートした後、どういう対応をしていくのかということについてです。先ほど申し上げました東京都の千代田区におきまして、全国で初めてこの禁煙条例ができてから10年以上が経ちましたので、どうすれば条例の効果をより発揮できるのかということについて、これまで実施してきた自治体の調査、研究によって、少しずつ分かってきているようです。
ポイントは3つありまして、1つは、いかに効果的に市民の皆さんに周知をしていくかということ、もう1つは路上喫煙防止指導員を配置してパトロールを実施するかどうか、そして3つめ過料を設定するかどうか、この3点が、より条例の効果を発揮するためには重要であろうということが、現在のところでは分析されているようです。
そこで、それぞれお伺いしていきますが、市民への周知がどのような方法で行おうとしているのか、それと本市では指導員を配置するのかどうか、配置するのであればどのような方法で雇用し、配置するのかお伺い致します。
次に過料についてです。今回提案された内容では、“命令に従わない者は一万円以下の過料に処する”というふうになっておりますが、実際いくらぐらいを考えておられるのか、施行の時期とあわせてお伺い致します。
それと最後に喫煙場所についてです。今回、改正するにあたって新たに喫煙所を設置するのかどうかお伺い致します。2問目は以上です。
《産業環境部長》
平田議員の2問目にお答えします。
まず、1点目の路上喫煙禁止区域につきましては、多数の人が往来するJR高槻駅、阪急高槻市駅を中心にそれに連絡する主要な道路な道路などの一定区域を絞り込み、重点的な取り組みを進めてまいります。
2点目の周知方法については、広報紙、ホームページ、ケーブルテレビにより、広くお知らせするとともに、特に重要となる路上喫煙禁止区域内には、看板などを設置し周知啓発していく予定です。
あわせて、禁止区域内において、路上喫煙禁止の呼びかけ等を行なう、指導員については、現在本市が行っている違法駐車等防止指導員を活用した手法も含め関係各課と協議を進めております。
3点目の過料につきましては、本来過料を徴収することが目的ではありませんが、この度の改正の実効性を担保するために、その額は規則で定めること規定しておりまして、額については他市の状況も勘案し、1,400円程度を想定致しております。また、過料徴収の時期につきましても十分な周知期間を設けた後、規則で定めてまい
ります。
4点目の喫煙場所の設置につきましては、路上喫煙禁止区域における喫煙の防止に向けた実行性の確保の観点や、パブリックコメントにおいてのご意見も踏まえなが
ら、路上喫煙禁止区域内の各施設管理者と協議してまいります。
《平田》
禁止区域の設定方法については、エリア指定と道路指定という2つの考え方がありまして、それぞれにメリットデメリットがございます。エリアで指定する場合は基本的に範囲が広くなりますので、条例の効果をより広く発揮させることができますが、少人数の指導員では簡単に巡回できないという欠点があります。一方、道路で指定する場合は、周知の徹底が非常にしやすいですし、また指導員も少人数で巡回が可能となります。しかし、どうしても指定する範囲が複雑で狭くなってしまうということも言えるかと思います。ですので、今回はまず、JR高槻駅、阪急高槻市駅の周辺、そしてそれに連絡する主要な道路で始めるということで、また、違法駐車等防止指導員を活用したいということですけれども、今後、指導員の仕事量、あるいは市民の反応を見ながらですね、より本市の状況に合った形で柔軟に対応していってほしいと思います。
実際スタートすると想像していないようなトラブルも起こってくると思います。何度も出して申し訳ありませんが、千代田区では、吸殻のポイ捨てが激減するなど、大きな成果を挙げているようですが、一方で近くの公園に喫煙者が集まってたばこを吸うので、住民からクレームが相次ぐという新たな問題もあるようです。また、はじめのうちは注意する指導員と新しい条例を知らない市民との間でトラブルが起こるということが各地で見られました。
ですから、より広く、たくさんの方にしっかりとPRを行っていただきたいと思います。高槻市民の皆さんに対しては当然のことですが、市外から来た人が、いきなり注意をされる、あるいは過料をとられるということになれば、逆に高槻のイメージ悪化ということにもつながりかねません。せっかく濱田市長になってから、重点的に市のアピールをしていただいておりますので、それが水の泡にならないようにしっかりと対応してもらいたいと思います。何事もそうですが、市のイメージも積み重ねていくのは大変ですが、崩れるのはちょっとしたことで簡単に崩れると思いますので、ここは慎重にですね、しっかりと
周知PRの方、力を入れていただきたいと思います。
今回はあくまで美化条例の改正ということで触れられておりませんけれども、近年ですね、たばこに関しては受動喫煙の問題も大きく取り上げられるようになりました。大阪府の方でも2月21日に、大阪府受動喫煙の防止に関する条例(案)が府議会に提出され、話題になったところであります。本市でも、5月31日の世界禁煙デーにあわせて、禁煙週間街頭キャンペーンや、たばこに対する理解を深めるための展示をしていただいておりますが、受動喫煙防止、あるいは禁煙サポート等の取り組みも今後広げていって欲しいなぁと思います。
一方でたばこを吸うということも、これも貴重な権利であります。本市では、昨年度ですが、17億円というたばこ税収入があり、貴重な財源にもなっています。ですから、たばこを吸う人の目線にも立って、喫煙場所を設けるとか、
灰皿を設置するとか、そういう配慮もしていただきたいなと思います。
どっちもたかつき、ではありませんが、たばこを吸う人も吸わない人も、また高槻市民も市外の方も、みんなが気持ちよく過ごせるまち高槻を目指して、今後のルールづくり、していただくようお願い致します。
最後になりますが、職員の方がこの市役所の前でたばこを吸っている姿をよく見かけます。市役所の前の通りも禁煙区域になると伺ってますので、まず職員の皆さんが率先して、市民も模範となるよう徹底していただきたいなということを申し上げて私からの質問を終わります。