障がい者虐待防止対策事業 | 高槻市議会議員 平田裕也

高槻市議会議員 平田裕也

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【平成24年9月議会 福祉企業委員会(9月13日)】

(平田)

 障がい者虐待防止対策事業について、お伺いいたします。

 先日の本会議、また今も段野委員から質問がありましたので、多少重なるところがあるかと思いますが、お許しいただきたいと思います。

 いわゆるマイノリティーへの虐待に対する取り組みとして2000年の児童虐待防止法、2006年の高齢者虐待防止法に続いて、この10月1日から、障害者虐待防止法――通称ですが――が施行されます。この虐待防止法には幾つかの特徴というか、ポイントがあります。

 まず、基本として、当たり前ですが、障がい者を虐待してはいけないと明確にうたっていること。障がい者虐待防止センターを設置して通報先を明確にしたこと。そして、通報の努力義務、届け出先を法律で明確にしたことなどが主な特徴かと思います。それに伴って、今回、98万8,000円が補正予算として計上されておりますが、まず、基本的なところからお伺いしたいと思います。

 まず、1点目ですが、10月からこの虐待防止法が施行されることによって、市としては何が変わるのか。また、今回新たに休日・夜間の対応が始まるわけですが、どのような体制になるのか、お答えください。

 それともう1つ、先日の本会議質疑で、本市の現状として、別々に生活をするように支援しているのが2件、見守り支援が数件という答弁がありましたが、少し疑問に思いましたので、質問いたします。

 1つは、具体的に2件、もう1つは、あいまいに数件ということでしたが、この数件というのはどういうことなんでしょうか。 以上、1問目です。よろしくお願いします。


(障がい福祉課副主幹)

 平田委員のご質問にお答えいたします。一部お答えしたところもございますが、改めてお答えさせていただきます。

 障害者虐待防止法の施行に当たり、障がい者虐待防止センターを設置し、障がい者虐待の届け出、通報及び相談の受け付けと、虐待に対する対応につきまして準備を進めております。休日・夜間の対応につきましては、本庁宿日直職員から担当課当番管理職員に専用携帯電話にて連絡をいただくようにいたします。

 次に、現状の虐待に関する見守り事例の件数についてのご質問ですが、同法施行前につきましては、厳密に虐待と判断して件数を挙げておりません。相談内容から虐待が疑える要素の高いものとして、数件とお答えをいたしました。 以上でございます。


(平田)

 はい、理解いたしました。

 法律が施行されると、相談も今までより増加すると思います。しっかりとデータをとって、今後の施策に反映させていただきますよう、お願いいたします。

 次に、2点伺います。 障がい者虐待防止対策支援事業ということで、今回、相談窓口の強化として、休日・夜間相談対応用の携帯電話、専門性強化事業として大阪弁護士会の高齢者・障がい者総合支援センターへの業務委託、そして一時保護のための居室の確保と、3つを新規事業として予定しているということですが、このうち、通信運搬費、携帯電話ですね、この2万5,000円。それと、一時保護のための居室の利用料など86万7,000円。この2つの金額の内訳を教えていただきたいと思います。

 2点目は、コアメンバー会議というのと、今回委託を予定しているケース検討会議というのは、何が違うのか。それぞれどういう協議を行っていくのか、お伺いいたします。

 また、相談、通報があった場合、どういう流れで対応していくのか。障がい者の生命や身体に重大な危険が生じ得るような緊急度の高い状況もあります。そういう場合の対応、判断はどうなっているのか、お答えください。 以上です。


(障がい福祉課副主幹)

 平田委員のご質問にお答えします。 まず、1点目、本補正の内訳でございますが、専用携帯電話使用料といたしまして、新規契約料3,150円、通信料1か月3,500円掛ける6か月分。ケース検討会議弁護士等の委託料、お2人分掛ける3回分の9万6,000円。一時保護施設使用料、1泊1万円掛ける5件の14日分。一時保護に伴います移送用タクシー使用料といたしまして、5件3回分の3万8,400円。施設利用時食費及び紙おむつ代といたしまして12万7,020円でございます。

 続きまして、2点目のご質問にお答えいたします。 通報を受けまして、本課管理職及び担当職員によりますコアメンバー会議を行います。コアメンバー会議の中で事実の確認や調査方法など、その対応に関する方針を決定いたします。

 次に、ケース検討会議におきましては、事実の確認ができた場合には、必要な支援方法について協議し、決定をいたします。事実の確認等が困難な場合には、弁護士等の助言も活用しながら、立入調査の実施などについて協議をいたします。 以上でございます。


(平田)

 通報の届け出を受けた場合は、速やかにコアメンバー会議、そしてケース会議を開いて、緊急性があるのかないのか、事実確認はどうするのか、どういうふうな援助をしていくのかということを適切に判断していただきたいと思います。

 新しい法律では、虐待の防止、適切な保護、養護者に対する支援という目的を達成するために、国、自治体に対して5つの責務が規定されています。関係機関の連携強化、支援などの体制整備、人材の確保と資質向上のための研修、通報義務、救済制度に関する広報啓発、障がい者虐待の防止等に関する調査研究、そして成年後見制度の利用の促進という5つなんですが、この中で、発見者に対する通報義務についての広報啓発の予定はどうなっているのか、人材の確保と資質向上のための研修や虐待の防止に関する調査研究などはどうなっているのか、それぞれお答えください。


(障がい福祉課副主幹)

 平田委員のご質問にお答えいたします。 障害者虐待防止法に関する周知につきましては、市広報の9月25日号に掲載するとともに、本市ホームページにアップをいたします。関係者を初め、市民の皆様への啓発に努めてまいります。また、障がい福祉サービス事業所に対しましても、障がい者虐待防止センターに関するポスターや同法のパンフレットを配布し、障がい福祉サービスに従事される方への周知を図るとともに、それらの事業所より利用者に普及啓発をお願いしてまいりたいと思います。

 人材の確保や資質の向上につきましては、今後も大阪府等で開催されます研修会等に、本課職員を初め、相談事業者などが積極的に参加するようにいたします。 以上でございます。


(平田)

 虐待防止に関しては、未然の防止、早期発見、早期対応、また命の危険があるような緊急的な状況など、さまざまなケースが考えられますが、今回予算がつけられているのは、虐待が起きた後の対応についてのものとなっています。なので、大変な業務だと思いますが、相談、通報があった場合、しっかりとした対応をしていただけるものと期待をしています。

 しかし、本会議で髙木議員からもありましたが、最も重要なのは虐待を未然に防止するということだと私も思います。虐待は、重大な権利侵害であり、市民一人一人がこの問題に対する認識を深めることが、障害者虐待を防ぐための第一歩となります。そのためにも、市民の皆さん、関係機関の皆さんに、この虐待防止法について広く知ってもらう。障がい者の権利擁護、あるいは障がい者虐待について正しく理解してもらうということが非常に重要です。法の内容、障がいに対する正しい理解、虐待に対する適切な知識、また通報義務や通報窓口の周知を徹底して、虐待防止につなげていってほしいと思います。

 また、この法律では、養護者の負担を軽減するため、養護者に対する相談や指導、助言など、必要な措置を講じるという規定があります。養護者が虐待に至るには、さまざまな理由があります。障がい者に重度の障がいがある場合、介護疲れや障がいに対する理解不足、家族関係や金銭関係を原因とするもの、あるいは、養護者自身が支援を必要とするような障がいを持っているという場合もあります。そういういろんな原因が複雑に絡み合って虐待が起こっていきますので、原因を一つ一つ分析しながら、養護者の支援も行っていってほしいと思います。そのことが障がい者に対する虐待を予防することにもなりますので、よろしくお願いいたします。

 さて、いよいよ10月1日から新しい法律がスタートいたします。通報や相談は市の虐待防止センターが受けることになりますし、緊急時の一時保護を実施するのも市の役割です。法律が施行されることにより、障がい者支援に対する本市の役割はますます大きいものとなります。しっかりとこの法律の目的を実現して、障がい者の方々が安心して生活を送ることができるよう期待をして、質問を終わります。