第5回は、「カツベン!」
前作「舞妓はレディ」でシビれさせてくれた周防正行監督が今度取り上げたのは、「カツベン(活動弁士)」
100年前に登場した映画(活動写真)に人々は度肝を抜かれたのですが、最初の映画は白黒(モノクロ)の無声映画(サイレント)。
カツベンは、サイレント映画で日本独自のもので、劇場では楽士さんたちが音楽を演奏し、活動弁士が語るというかたちで上映していました。
そうなると、同じ映画でも活動弁士の語り口で全然印象が違ってきて、お客さんたちは映画よりも弁士目当てに劇場に詰めかけるという時代がありました。弁士の力量が客を呼べるかのバロメーターに。
映画の進歩(字幕などで画面だけで内容がわかるように) により、カツベンが必要となくなっていきます。トーキー(音声入り映画)の登場で「カツベン」は廃れていきましたが、古き良き時代(大正から昭和初期)の映画をめぐる活動写真の物語です。
子どもの頃、女の子の手引きで活動写真の小屋に潜り込んだ染谷俊太郎少年は、活動写真に魅せられ、活動弁士に憧れます。少年のカツベン物まねを聞かされ、初めてキャラメルの味を知った少女栗原梅子
梅子ちゃんは女優になりたいという夢を語りました。
それから10年後、俊太郎(成田凌)さんはニセ弁士で人寄せし、その隙に盗みを働くという窃盗団の一味になっていました。
警察に追われた俊太郎さんは一味から抜け出し、「青木館」という活動写真小屋に逃げ込み、下働きとして働き始めましたが、そこにはかつて憧れていた山岡秋聲(永瀬正敏)さんが弁士としていたのですが、飲んだくれていて見る影もありませんでした。
青木館の主任弁士の茂木貴之(高良健吾)さんは傲慢ですが、その人気は抜群でした。
新興の「橘館」は、青木館の楽士を次々に引き抜き、青木館に残る楽士は3人のみ。さらに、茂木さんの引き抜き工作も進めていました。
ある日、酔い潰れた山岡さんの代わりに弁士を勤めた俊太郎さんの素晴らしい弁士ぶりに、青木館の主人(渡辺えり)、その夫(竹中直人)は大喜び。たちまち青木館の看板弁士となってしまいました。
面白くないのは茂木さんと、橘館を率いる橘重蔵(小日向文世)さん、青木館や俊太郎さんへの嫌がらせを露骨に始めました。さらに、橘館の安田(音尾琢真)はかつての窃盗団長で執拗に俊太郎さんに襲いかかります。
そんな折、俊太郎さんは梅子(黒島結菜)さんと再会しますが、彼女は沢井松子の芸名で女優となっており、茂木さんの愛人となっていました。
俊太郎さんにぞっこんの橘重蔵の娘・琴江(井上真央)、窃盗団を追い続けている木村(竹野内豊)刑事など、物語はまさに活動写真のような展開を見せるのでありました☺️
この作品の面白さは、映画のなかで映画を撮る、その映画を観るということ、往年のサイレント映画は朽ち果てて現存していないものも多いのですが、それを再現したりしてます。
その再現映画に草刈民代さん、下白石萌音さんなどが出演してます🙋
よくぞ作ったな😉な素敵な作品です。
なによりも、カツベンになりきった成田凌、永瀬正敏、高良健吾さんたちのすごさがたまりませんね😁
この作品、映画が大好きな人たちが作ったんだなぁ😉と思わせられます。
