第6回は、「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」
この作品がクラウドファンディングというかたちで公開された時、大好きなこうの史代さんの作品をこれほどまでに忠実に映像化したことに深く感動し、2016年「てるてる大賞」としました。
映画公開時より、片渕監督は泣く泣くカットしたシーンなどがあるとたびたび語っていましたし、拡大版を作りたいと話していました。
浦野(北條)すずさんの半生を描いたこの作品は、それが戦争の最中の時代のなかで名もなき庶民のひとりとして、それがとてもていねいに描かれていました。ぼぅーっと生きてきたというすずさんの心情ももまた端端に描かれてきました。
限られた尺に収めなくてはならないなかで、どこを削ぎ落とさねばならないか?悩まれたんだろうと思います。
「この世界の片隅に」のエンドロールで、隠されたエピソードが紹介されていましたが、ここも含め描ききれなかったシーン、削らなくてはならなかったシーンなどがプラスされました。
今回追加されたカットで、はなしのつじつまがあって、なるほどすとんと落ちたなというシーンがいくつもありました。
そして、この追加によって浦野(北條)すずさんと北條周作さんの違う顔が見えてきました。
「蛇足だ」というひともいるかもしれませんね。映画の観かた、感じかたはひとそれぞれですから、いやいや前の方が良かった❗というひと、前の作品のイメージが変わってしまうのが気に入らないひともいるでしょうね。
わたしは原作を読んでいますので、こちらの(さらにいくつもの)版も素晴らしい🙋と思います。これによりすずさんの存在感が増してきたような気がします。
「代用品」ということに悩むすずさん、ぼぅっとしてな~んも考えなかった頃の方が良かった❗と、涙を流すすずさん。
彼女の好むと好まざるにかかわらず、周囲は変わっていきます。
映画を観終わったあと、すずさんや北條家のみなさんのこれからを思い浮かべてしまいますね☺️
さらにいくつもの・・・すずさんはいっぱいいるんですよね😉
いろいろと、考えさせられました☺️何度も味わいたい作品ですね😁
