おごめ~ん、大分のtakatch親方です(`・ω・´)ゞ
今回は、文化財・地域活動の話題✎
「文化財」にはご興味がございますか?(唐突w)文化財=地域の宝物です✨
☆「文化財」動画集→https://www.youtube.com/playlist?list=PLCP8H0iqHBwDQD0E3xshCn1bdHwMzFBaz
…このくだりにピンときた方、takatch親方検定1級に認定します(笑)
実は、📝2022年春の文化財調査活動 in 大分県豊後大野市千歳町の記事と同じ始まり方です!
今回は当時の記事をもとに展開しますので、ぜひご一読お願いしますm(__)m
本日、半年ぶりに文化財調査活動へ。前回調査しなかった残り半分の文化財の現況調査を行います!
- 文化財調査員ってどんなことをしているの?
- 豊後大野市には、たとえばどんな文化財があるの?
- 地元の宝物を守ることの大切さや苦労は?
- 千歳町の文化財の特徴は?
…を、文化財調査の現場に携わった私なりの視点でご紹介!
各地域での文化財へのご関心&豊後大野市へのご関心につながれば幸いですm(__)m
2022秋文化財調査in大分県豊後大野市千歳町 ティザー映像→https://youtube.com/shorts/FZnJAsbGvm0
(1)文化財調査&石造文化財のおさらい|市が実施、現地調査で保存状態を確認、色んな文化財があり
今回も「文化財保護員」の活動。『豊後大野市文化財保護員設置規則』で役割などが定められております。
【💡豊後大野市文化財保護員のお仕事など要点】
- 豊後大野市指定の文化財を巡視し、保存状態を市教育委員会に報告する。
- 文化財の所有者から保存などの情報を聴取し、必要に応じて助言・市教委へ報告する。
- 教育長が委嘱(主管は市教委社会教育課)、任期は2年。
- 市内各町2名の保護員が活動=市全体で14名の保護員が活動。
【💡石造文化財の種類|主な4種類】
- 石幢(せきどう)
- 宝篋印塔(ほうきょういんとう)
- 笠塔婆(かさとうば)
- 板碑(いたひ)
(2)今回調査した千歳町の文化財|こんなところに文化財!?&お地蔵さま救出大作戦!?
千歳町では、年2回(4月・10月)に巡視。件数が多いので、1回で町の半分の文化財を巡視(1つの文化財あたり、実質年1回の巡視。)
前回4月は、町の中心部~南西部(柴原地区、三重町に近い地域)をメインに巡視。
今回10月は、北東部(井田地区、大野町&犬飼町に近い地域)を11つ巡視。
以下、巡視した文化財の紹介を行います。千歳町の宝物です✨
※私有地にある文化財も多いです。無断で立ち入ることはしないでください(今回も所有者にごあいさつのうえ訪問。私有地もあることから、地図を紹介しません。)
【船田地区】
国道57号や中九州自動車道沿い。大野町や犬飼町の境にある地区。
2つの文化財を調査予定も、1つは道が分からず、後日先輩保護員が訪問される予定です。
☆米山の笠塔婆
中九州自動車道の千歳IC近くに鎮座。中九州自動車道の工事でこの丘に移転。
過去の地震で塔身部が半分に折れ、土台部まで倒伏している現況です。
市への修復依頼もしているそうですが、なかなか修復に至らず💦
▽地震の際、画像左下部分にあるお地蔵様が斜面に滑落。
▽今回、近所の方&先輩調査員と相談し、私が現状復帰(ー人―) これも文化財保護員の仕事。
【漆生地区】
柴原地域ですが、今回は船田・石田地区に近い位置に文化財があるため訪問。
千歳IC~県道三重新殿線に渡る漆生(うるしお)地区で1つ調査。
☆漆生の笠塔婆
丘の民家内にあるため地権者にごあいさつ。コンクリートで土台を固める&定期的な清掃で、きれいに大切に保たれています✨
かつては麓に鎮座も、国道57号の整備で現在の位置に移設。
▽総高170cm。前面に2つの尊像を確認。
永禄四年(1561)作。七分全徳祈願のために建立。前回も今回もこの七分全徳が込められた文化財が多いです!
💡「七分全徳(しちぶぜんとく)」
生前に供養することで、功徳をすべて手に入れられるとされる信仰のこと。
死後の追善供養だけで獲得できる功徳は七分の一のみとされています(「七分獲一」)。
しかし、生前に功徳を積めば七分すべてを得られるそうです(追善の7倍の功徳!)。
【石田地区】
犬飼町近くの地区。中九州自動車道も走ります。3つの文化財をご紹介!
☆五郎丸の板碑
📝2015年にラグビー日本代表五郎丸選手と同じ名前の文化財としてご紹介。
総高150cm。明和二年(1493年)建立。平成九年(1997年)に現在の高台に移転。見晴らし&管理も良好♪
☆久保山の宝篋印塔
犬飼町柴北地区へつながる峠道沿いにございます。薬師台の境内なり。
総高160cm。相輪部分が一部欠落。管理状態は良好も、風化も進んでいます。
室町時代作と推定。三郎、四郎、次郎などの名前が刻まれています。
☆楠の宝塔
楠神社の境内にあり。総高155cm。相輪部分が一部欠落。
球体も美しく、存在感ある高塔なり!神社とともに管理が行き届いています。
▽楠神社
Cf:大分県豊後大野市千歳町の楠神社春祭り 大迫神楽奉納動画→https://youtu.be/f_uuTau1K0c
Cf: 「神楽👹」動画集→https://www.youtube.com/playlist?list=PLCP8H0iqHBwAosSliscfHBGaa6toOM7_u
【大迫地区、高添地区】
犬飼町に隣接。人口も面積も割と広いです。中九州自動車道で、両脇に畑が見える&📝光林寺が見える地区です。
6つの文化財をご紹介!
☆石五道の石幢
総高140cm。もともと神社があった境内に鎮座。
塔身部が行方不明。修復を望む声もあるも、塔身部がないため修復困難と予想。
▽神社の名残と思われる石造文化財もあり。
☆石五道の板碑
▽この畑のどこに板碑があるでしょうか?(笑)
正解は、画像中央奥!中九州自動車道に面する法面の中にあり!
これは分かりづらい(笑)地元の方というよりも、畑の所有者さんしか分からないかも(笑)
総高70㎝。畦畔に半ば埋もれた状態。一説には、土留めの役割を果たしているとも!?
畑にあり周辺の管理自体は良好も、前面に刻まれた文字は判読不能。
☆下ノ原の道標
犬飼町寄りの市道V字路先端部に設置。総高70cmの道標(みちしるべ)。
大分(豊後)と熊本(肥後)を結ぶ参勤交代道路沿いにある道祖神。
▽裃(かみしも)を着ているユニークでかわいい道祖神♪たい焼き/人形焼きにしたら美味しそうです(笑)
▽背面に刻字。判読困難。
背面にあるかは不明ですが、この道標には交通案内看板が刻まれています。
- 左側「みえいち三里(現在の大分県豊後大野市三重町まで12㎞)」
- 右側「肥後二十八里(現在の熊本城まで112㎞)」
江戸時代、大分と熊本、または三重町方面(宇目や宮崎方面)との交通の要衝だったと推察できますね。
現在では中九州自動車道がそばを通過。まさに令和の現在も大分熊本の要衝に変わりないです。
▽奥のガードレール&フェンス先が中九州自動車道。左が大分・犬飼方面、右が熊本・竹田方面。
☆高添上の板碑
住宅地の里道沿いにあり。総高155cm。保存状態良好。近年、傾きも修復。
天文八年(1539年)建立。妙泉と道貞という方が、それぞれ生前に死後の冥福のため立てた逆修塔。
お大師様(八十八か所霊場)と同一区画に鎮座。
☆慈康庵供養塔
総高100cm。観音さまや火伏さまと同一区画にあり。近年、近隣の大木を伐採ししたので倒木害の恐れは少ないと推測。
康安元年(1361年)建立。南北朝時代です。
☆長慶寺跡八仏笠地蔵
山の中にある大きな笠塔婆。総高220㎝。長禄四年(1460年)に建立。
一部欠落があるも、先輩保護員&私ともにこの立派な姿がお気に入り♪
▽8体の仏さまが刻まれています。
▽お寺のあった屋敷跡西側に位置。周囲が約5aの草原のため、草刈りが大変です。
(3)千歳町の文化財の特徴4選|室町時代作、道路工事で移転&寄せる、神社や祠近くにある、灰色の石
前回今回と文化財をめぐり、私が感じた千歳町の市指定文化財の特徴を4つご紹介。
実際は他の地域でも同じ特徴ですが、基本的なことから定義づけいたします。
【特徴4つ】
- 室町時代の作品が多い
- 道路工事で移転&複数の石造文化財を寄せ集める
- 神社や祠近くにある
- 灰色の石
1.室町時代の作品が多い|農民が力を持ち始めた時代
室町時代、南北朝時代=農民や僧侶が力を持ち始めた時代です。それまでの支配体制への反発があり。
権力の誇示もあったでしょうが、実際は生前の冥福を願う信仰の表れとして板碑などが各地に建立されたと推測。
2.道路工事で移転&複数の石造文化財を寄せ集める|大分熊本を結ぶ大動脈が走る千歳
国道57号&中九州自動車道と、小さな村ながらも大きな道路が2つも走っています。
下ノ原道標でもご紹介のとおり、昔から大分熊本の交通の要衝だった千歳町。
時代とともに道路も改良され、工事も必要に。それまでそこで大切にされ鎮座された文化財を、工事後も大切にされています。
移転先では、コンクリートで土台固定&他の文化財も1か所にまとめて祀られている例が多いです。
この場合、たいていは管理がきれいに行き届いております✨地域の方のご尽力に感謝ですm(__)m
▽前回訪問時、岡の笠塔婆(新殿地区)が最たる例。
3.神社や祠近くにある|信仰や集会の場で管理もしやすい
神社や祠、お寺跡に鎮座されている文化財も多いですね!
昔からそこにあったもの、工事などで境内に移転されたものなど様々な経緯があり。
信仰の場&集会の場にあることで、信仰も集めやすく管理もしやすいですね♪
▽前回の大乗寺境内宝篋印塔(新殿地区)も、境内にある文化財例。
4.灰色の石|身近にある加工しやすい阿蘇溶結凝灰岩を活用
石の色といえば何色を思い浮かべますか?
黒、灰色、白、茶色、エメラルドグリーン、紫etc...様々な色の石を思い浮かべるでしょう。
豊後大野市では、灰色の石が多いのが特徴!今回ご紹介した石造文化財も、全部が灰色!
これは、9万年前の阿蘇火山4回目の噴火で発生した、阿蘇溶結凝灰岩(Aso-4火砕流)によるものです。
Aso-4火砕流は、豊後大野市の大部分を覆いました。この阿蘇溶結凝灰岩は、「人の手で加工しやすい」のが特徴。
「人の手で加工しやすい灰色の石が、千歳町には身近にたくさんあったから」が、最たる理由です。
豊後大野市や千歳町をお尋ねの際、灰色の石の景色をお楽しみください♪
▽前回ご紹介の平尾社鳥居(横尾地区)も、阿蘇溶結凝灰岩を活用と推察。
☆「ジオパーク」動画集→https://youtube.com/playlist?list=PLCP8H0iqHBwDjq8TKCSNMwtBqz8Dq96FF
(4)まとめ|知らない地元が多いからこそ注目し、守ろう!
▽先輩調査員とともに、文化財のおわす山林を歩く。
「地元って、知っているようで知らないことが案外多い」…と思うこと、ございますよね?
まさに今の私がこの状態(笑)学生時代から千歳町の道を原付でよく通る&ジオガイドや大分学検定2連覇中ですが、今年の文化財調査で初めて訪問する文化財が多いこと(笑)
文化財は私有地や山の中にあることも多く、特別の許可や知識がないと出会うことができませんので💦
私自身、文化財も散策も好きですから、この文化財調査が楽しいです♪貴重な役割をいただきありがたいですm(__)m
地元での新発見&地域住民の方との交流、おもしろいですよ♪あなたもぜひ、地元を散策されてはいかがでしょうか??
前回同様に…
-
あなたのお住まいの地域にある宝物は何でしょうか?
-
宝物は大切にされていますでしょうか??
僭越ながら、豊後大野市の例をもとに、各地域の宝物が今後も大切にされることを期待しております✨
長文失礼いたしました。今回は私の地元の文化財紹介+それを守るための一例紹介+地元歩きのおすすめをいたしまいた✎ご参考になれば幸いですm(__)m
以上です(`・ω・´)ゞ最後までお付き合いいただきありがとうございましたm(__)m
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