おごめ~ん、大分のtakatch親方です(`・ω・´)ゞ

今回は、文化財・地域活動の話題✎

 

文化財」にはご興味がございますか?(唐突w)文化財=地域の宝物です✨

YouTube文化財」動画集https://www.youtube.com/playlist?list=PLCP8H0iqHBwDQD0E3xshCn1bdHwMzFBaz

 

その数や種類は多岐にわたります!

神社仏閣のように形ある物から(有形)、お祭りや風景のようにいわゆる形のないもの(無形)まで、たくさんの宝物が全国地域にございます。

 

私の暮らす大分県豊後大野市にもたくさんの文化財=宝物がございます✨そしてその宝物を守っていらっしゃる方々も多いです。

 

今回、僭越ながら豊後大野市の「文化財調査員」という役職を拝命。地域の宝物が大切に守られているかなどを調査。

今回の記事では…

 
  • 文化財調査員ってどんなことをしているの
  • 豊後大野市には、たとえばどんな文化財があるの
  • 地元の宝物を守ることの大切さや苦労は?

…を、文化財調査の現場に携わった私なりの視点でご紹介!

各地域での文化財へのご関心&豊後大野市へのご関心につながれば幸いですm(__)m

<📝目次>

  1. 今回の文化財調査について|市が実施、現地調査で保存状態を確認
  2. 石造文化財の種類|石幢、宝篋印塔、笠塔婆、板碑
  3. 今回調査した千歳町の文化財|石の文化財は長年残りやすい
  4. まとめ|地域を知ることのおもしろさ、地域の宝を守ることの大切さと課題

 

YouTube文化財調査員in大分県豊後大野市ティザー動画https://youtu.be/PfE_Ot0WwL0

 

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(1)今回の文化財調査について|市が実施、現地調査で保存状態を確認

今回私が任命されたのは、「文化財保護員」です。

豊後大野市文化財保護員設置規則』で役割などが定められております。
 

ひらめき電球豊後大野市文化財保護員のお仕事など要点】

 
  • 豊後大野市指定の文化財を巡視し、保存状態を市教育委員会に報告する。
  • 文化財の所有者から保存などの情報を聴取し、必要に応じて助言・市教委へ報告する。
  • 教育長が委嘱(主管は市教委社会教育課)、任期は2年
  • 市内各町2名の保護員が活動=市全体で14名の保護員が活動。

▽巡視のイメージ。文化財の現場を訪ね、目視・聴き取りなどを行い、保存状態を確認。

 私のパートナーは、同じ地元で社会科の教員出身者です。今回かなり学習させていただきました。

(2)石造文化財の種類|石幢、宝篋印塔、笠塔婆、板碑

今回は石でできた文化財=石造文化財を調査。紹介にあたり、4種類をご紹介。次章で紹介の文化財は、おおよそ下記の種類に分類されます。
各種類のイメージ(形)は後述の各文化財の写真をご参照くださいm(__)m

 

☆「石幢(せきどう)」

石でつくられた塔の一つ。中国から伝わり、日本では室町時代以降のものが多い

見た目の特徴・構成は以下の通り。

  • 六角または八角の石柱
  • 仏龕(ぶつがん:仏道などを安置するスペース)
  • (塔のてっぺんにある覆い・屋根のようなもの)
  • 宝珠(ほうじゅ:頂上に乗っている飾り)
     

☆「宝篋印塔(ほうきょういんとう)」

全体的に四角(方形)をしているのが特徴。

頭部である笠石の四隅に、馬耳型の突起があるのもポインと。

もともと経文を塔の中に収めていたことに起源(礼拝することで苦難を逃れ、長寿になれるという信仰)。

時代とともに、供養塔や墓碑として作られるようになりました(死者のためのものへ)。

 

☆「笠塔婆(かさとうば)」

亡くなった方を供養するために作られているものです。上に笠のような石が乗っているこのが特徴。

 

☆「板碑(いたひ)」

平べったい一枚岩の板状の石碑。「板石塔婆」や「青石塔婆」とも呼ばれます。

死者の追善供養のために作られるものです。

 

 

(3)今回調査した千歳町の文化財|石の文化財は長年残りやすい

千歳町では、年2回(4月・10月)に巡視。件数が多いので、1回で町の半分の文化財を巡視。(1つの文化財あたり、実質年1回の巡視。)

今年4月末日に1回目の巡視を実施。

今回は町の中心部~南西部(柴原地区、三重町に近い地域)をメインに巡視。

 

<Cf:📝以後の文化財調査記事>

 

 

以下、巡視した文化財の紹介を行います。千歳町の宝物です✨

※私有地にある文化財も多いです。無断で立ち入ることはしないでください(今回は所有者にごあいさつのうえ訪問。また私有地内の文化財については地図を紹介しません。)

 

 

☆「岡の笠塔婆」

▽地図

中九州道の千歳IC近くの丘、新殿(にいどの)地区の岡集落に鎮座する笠塔場です。

永禄四年(1561)作。七分全徳(※後述)を願う「蓮池妙菊大姉」という女性が、帰元(※後述)した「寶月融王居士」という男性のために石仏1体を創ったものです。

・「七分全徳(しちぶぜんとく)」

 生前に供養することで、功徳をすべて手に入れられるとされる信仰のこと。

 死後の追善供養だけで獲得できる功徳は七分の一のみとされています(「七分獲一」)。

 しかし、生前に功徳を積めば七分すべてを得られるそうです(追善の7倍の功徳!)。

・「帰元」

 涅槃に行くこと=悟りを開いた人がこの世を去ること。

 

しいたけのような笠石が乗っています。塔身部に仏さまが彫られています。

地域の方がしっかり管理されているそうです。地区内各地に点在した石塔を集積した形跡もあり。

 

 

☆「大乗寺境内宝篋印塔」

▽地図

新殿の地区公民館にある宝篋印塔。至徳二年(1385)建立。

もともと公民館のある場所には、「大乗寺(だいじょうじ)」というお寺があったそうです。江戸時代後期に廃寺となったそうです。

今から60年ほど前には小さなお堂が残っていたそうですが、現在は宝篋印塔や関連石塔が名残を残すのみです。

 

☆「宮成吉郎右衛門墓碑」

今回調査分では唯一の、個人のお墓の文化財。

新殿地区の山の中腹にあり。今回の調査でアクセスが一番難しく、疲れました(笑)

この新殿地区を含め、現在の千歳町東部はかつて「井田(いだ)」と呼ばれていました。

その井田郷で農民一揆を指導し、農民から信頼された「宮成吉右衛門(みやなりきちえもん)」さん。

地元のヒーロー的存在でもあったことから、文化財に指定されたのではと推測。

現在ではご家族の方が管理されているそうです。ただ、山道でアクセスが困難・木々が多く悪天候時に荒れやすいなど、管理が難しいとの声もあるそうです。

 

☆「平尾社鳥居」

新殿地区の横尾(よこお)集落にある、珍しい八角柱の鳥居

記録の残るものとしては、大分県内でも2~3番目に古いといわれる鳥居です。

観応二年(1351)に建立、770年以上の歴史あり。

谷を挟んで1㎞先にある平尾神社の鳥居。遙拝所の意味合いがあるとの説も。

平成初期あたりまで、この鳥居で子ども相撲大会があり(私の出場の記憶あり)。

漫画家のやくみつるさんがこの鳥居を訪れ、珍しいと豪語されました。

Cf:YouTube初日の出を50倍速で@大分県豊後大野市「平尾社の鳥居」動画https://youtu.be/WLqstZoEImw

Cf:YouTube【大分】別府温泉大学~油屋熊八・やくみつる・クニトシロウ~動画https://youtu.be/fxpzlZU4jWM

  

 

 

☆「茶屋の辻の庚申塔」

▽地図

千歳町長峰(ながみね)地区へ。製茶工場や紡績工場の近くにある交差点に鎮座。

万治4(1661)年に建立。

「茶屋の辻」という地名について、あくまでも私の考察。

  • 「茶屋」
    →おそらく参勤交代道がそばにあり、そのお茶屋(休憩所)があった場所と予想。 
    なぜなら、この茶屋の辻近く、茜川がある方向へ下る道沿いに、かつて参勤交代道の文化財標柱があった記憶があるため。
  • 「辻」→十字路、交差点のこと。まさに庚申塔のある位置には十字路あり!

庚申塔は、庚申信仰にまつわるもの。全国各地で見られる信仰です。

庚申塔の詳細はウィキペディアにて

 

Cf:YouTube「茶屋の辻庚申塔」はじめ、これからご紹介のいくつかの文化財は、過去動画でもご紹介
https://youtu.be/UycweXRVX1A

 

☆「藤原の板碑」

▽地図

  • 「ろ:鹿道原(ろくどうばる) 戦時中は 飛行場」

豊後大野かるたの読み札です♪

 

藤原の板碑は、永正9(1512)年、大工の梅木与三左衛門により造立。

高さ2mほどある大きな板碑です。

この板碑から眺める鹿道原(ろくどうばる)台地の風景がお気に入り♪

 

☆「白鹿山妙覚寺山門」

  • 「ま:幻の 白鹿がいた 白鹿山」

豊後大野かるたの読み札です♪

 

千歳町・三重町・犬飼町の境にそびえる、標高266mの白鹿山(はくろくさん)。

昔、白い鹿がこの山にいたとされ、朝廷に献上された伝説もあり。

小学生時代、遠足や初日の出の定番スポットであり、千歳町のシンボルスポットです!

 

その山の中腹に、「妙覚寺(みょうかくじ)」というお寺がございます。

その山門が市指定の文化財です。

アーチ型の石門は珍しいそうですね!オシャレだとは思っていましたが、ネット上で「珍しい」の大合唱が予想にあり、驚いている令和4年の私です(笑)

こうした価値を、地元民が大切にしなきゃね✨

住職が不在な時期もございましたが、令和4年春時点では住職がいらっしゃいます。

現在の住職は白鹿山や妙覚寺の維持管理に大変熱心な方で、かなりきれいな境内になっております♪

 

▽山の北東側からの眺めもかなりきれいになりました✨

 国道326号、JR豊肥本線の第2大野川橋梁、柴山川原と手取蟹戸(てどりがんど)etc...自然も人工物も美しく一望できます♪

 

☆「峯の笠塔婆」

私有地にある文化財のため、地図紹介は控えます。所有者にあいさつしお邪魔。

個人宅の裏山にひっそりとたたずむ笠塔婆は、永禄六年(1563)に文保和尚により建立。

頭部には宝珠ではなく、一石五輪塔が載っているのがポイント。

竹林を進むので維持管理が大変のようですが、この日は割と進みやすい状況でした。

 

☆「杉ノ本の宝塔」

▽地図

柴山地区の市道丁字路ぞいの墓地にあり。

現状、頭身部のみが残っている状態。お経を納めている「納経孔」と呼ばれる穴があり。

建立の記録はございませんが、おそらく南北朝時代(14世紀頃)の建立ではないかと推定。

 

☆「鹿合田の角笠塔婆」

上記の杉ノ本の宝塔近く、柴山八幡社や公民館に向かう道路沿いにあり。

標柱や地図(Google Map)に地点がないため、見過ごされがちな文化財です。

「鹿合田」の地名の読み方は不明です。おそらく「ろくごうだ」ではないかと予想。

背の高い塔で、地蔵などの彫り物もきれいに残っています(人形焼みたいです(笑))。

土台がコンクリートで固められており、近年に道路沿いへ移転されたのではと推定。

 

☆「宮田の笠塔婆」

個人宅の裏山にあるため、地図は紹介いたしません。

地蔵堂とともにある笠塔婆。天文九年(1540)9月、浄泉と妙祐という夫婦により建立

いくつか笠塔婆が並んでいますが、頭部に笠が残っているもののみ指定文化財のようです。

▽地蔵堂

 

☆「上津留の石幢」

下山地区の大木(おおぎ)集落、県道三重新殿線、「大木」バス停近くにある石幢です。

長年通いなれた県道ですが、実は今回初めてこの石幢の存在を知りました。

民家の間の細い道の先にあり。お堂とともにある立派な石幢です。

古い記銘で正確な建立時期を判読できませんが、おそらく室町時代の作だろうと推定。

かつて付近には、法積寺(ふうしゃくじ)というお寺があったとされます。

巡視当日は草が生い茂っておりましたが、5月8日あたりの道路愛護デーで草刈りされたかどうか、不明です(笑)

 

☆「福生寺薬師堂境内宝篋印塔」

三重町との境、前田地区の原田(はらだ)集落。

かつてこの集落にあった福生寺(ふくしょうじ)のあった境内にある宝篋印塔。

宝珠と塔身部がございません。

正平十八年(1363)に、大工の玄聖さんが建立との記銘あり。

当時この地域で活躍された石工の玄正さんと同一人物ではという説もあり。

▽薬師堂が傾き始めています。

 

☆「大木の宝塔」

今回の最終訪問地。再び大木地区へ。

「ちとせや緑茶さん」と「ペーパームーン」さんを結ぶ細い道沿いの丘にあり。

5基並んでいます。うち3基に記銘あり→永禄5年(1562)、永禄6年(1563)、天正6年(1578)と、室町~安土桃山期に築かれたとされます。

所有者いわく、この丘には他にもお墓や石造文化財があり、調査すると面白いかもとのご意見もいただきました。

 

今回の巡視は以上です!一部、場所をご紹介できずに申し訳ございません。

地元で長年暮らしながら、今回初訪問の文化財もあり、刺激や新発見ができました♪

石造文化財ばかりですが、石は数百年経ってもしっかり残りますね!

石の丈夫さ+管理されている方々のご尽力でしょう✨

文化財調査員の先輩、所有者の方々には大変お世話になりましたm(__)m

 

(4)まとめ|地域を知ることのおもしろさ、地域の宝を守ることの大切さと課題

「地元のことは何でも知っている」…そう思っていても、実はまだまだ知らないことも多し。

📝しんけん大分学検定2連覇📝おおいた豊後大野ジオガイド📝豊後大野かるた製作の私ですら、好きな文化財でも今回初訪問の場所もあり。

反省や痛感よりも、ここで出会えてよかった~という感動あり!

地元を先達と歩くことで、新しい発見がありますね!

新しい発見をすると、さらにその地域に興味を愛着がわきます

 

文化財は、地域のシンボルにも、地域の宝物にもなります。

  • 「うちの地元は、○○という宝物があるんで~」という地域への誇り
  • 「地元の宝物を大切にしたい」という地域への愛情
  • 「宝物を大切にし、次世代へ引き継ごう」という地域と人とのつながり

観光資源や教育資源にもなりますし、地域が活気づくものにもなります。

 

ただ、その宝物を守ることも簡単ではない(やおいかん)

  • 若い人が少なく、守れる人が少ない
  • 奥まった場所に文化財があり、維持管理が難しい

これまで大切に紡がれてきた宝物をどう引き継いでいくか。

当事者の声を聴き、一緒に展望や方法を考える存在が必要。

その存在を担う一役が、文化財調査員であると実感。

今回当事者から保存のお話、他の文化財に関する調査希望の声もあり。

それらを踏まえ、市教委と相談して、地域の宝物をさらに次世代へ引き継ぐお手伝いをこれからも行います。

豊後大野かるたで109もの魅力がある豊後大野市。その魅力が1つでもかけないように、地域の方々と協力し、未来へ引き継ごう✊

 

豊後大野市以外の方々へも、各地元の散策をおすすめいたします♪

新しい発見もあるかも知れませんし、知的好奇心・知的興奮のある人生はいきいきしますよ✨

 
  • あなたのお住まいの地域にある宝物は何でしょうか?

  • 宝物は大切にされていますでしょうか??

僭越ながら、豊後大野市の例をもとに、各地域の宝物が今後も大切にされることを期待しております✨

 

長文失礼いたしました。

今回は私の地元の文化財紹介+それを守るための一例紹介+地元歩きのおすすめをいたしまいた✎ご参考になれば幸いですm(__)m

最後までおつきあいいただきありがとうございましたm(__)m引き続きよろしくお願いいたします♪

 

 

 

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