■概要
世界一のエゴイストでなければ、世界一のストライカーにはなれない。日本をW杯優勝に導くストライカーを育てるため、日本フットボール連合はある計画を立ち上げる。その名も”ブルーロック(青い監獄)”プロジェクト。集められたのは300人の高校生。しかも、全員FW(フォワード)。299人のサッカー生命を犠牲に誕生する、日本サッカーに革命を起こすストライカーとは--?今、史上最もアツく、最もイカれたサッカーアニメが開幕する。 ©金城宗幸・ノ村優介・講談社/「ブルーロック」製作委員会
本作を一言でいうならエゴイストの美学!
サッカーって自由度の高い団体競技なんだけど、反則でもしない限り、プレーは殆ど止まらないんだよ。故にプレイヤーも監督をやらねばならない。何でも指示待ち族の日本人には合わない競技と思っていた。
だけど、Jリーグが創設され、日本のレベルは目覚ましく上がるんだけど、それでも世界との差は素人の筆者が観ても解るくらいだった。なのに、カッコと言動だけは一流プレイヤーのつもりでいる。だから、日本代表って嫌いだったんだ。
今回の【ブルーロック】って、それに喝を入れてくれそうな作品だ。それ故、調和とか謙虚さとかを重んじる日本では、受けないタイプの作品と思われる。
一方の筆者は、エゴイスト大好き人間ですから(笑) 寧ろ、謙虚なことを言って心にもないことを言っている奴ほど信用できない。
なぜか?
それは恐らく、往年の偉大なプレイヤーが皆そうだったからと思う。
■主なストーリー
ブルーロック・プロジェクトとは、日本フットボール連合が日本をW杯優勝に導く為に立ち上げた世界一のストライカーを育成する為のプロジェクト。
有望な高校生ストライカー300名に招集をかけ、「ブルーロック」と呼ばれる青い監獄に閉じ込め監視する。外部との接触は一切絶たれる。そんな刑務所のような環境下で強制的にゼロサムゲームをやらされる。
主人公の潔世一は、高校のサッカークラブで、チームプレー重視の方針を持った監督に従ったせいで大きな悔いを残していた。そこに日本サッカー連合からの招集状が届く。世界一のストライカーを育成する「ブルーロック・プロジェクト」である。
最後まで脱落することなく生き残ったプレイヤー1名だけが、サッカー日本代表のフォワードとしてデビューできる。
逆にいえば、他は全て切り捨てられる。このブルーロックでは、自分以外の全員が敵である。生き残る為には、いかにエゴイストになれるか? 主役は全て自分であり、他は自分の為に動く駒である。
しかし、外部の関係者…いわば利権で潤っている権力者からは一向に理解が得られず、まるで成果がわからない「ブルーロック・プロジェクト」なんぞ解散しろという話になる。
プロジェクトを運営する絵心甚八(えごじんぱち)は、ブルーロックの存亡をかけ、予定を中断。U-20日本代表とのエキシビションマッチを提言する。勝てば彼らに代わりU-20日本代表になる。負けると解散。
「勝って証明してみせますよ」
■登場人物
キャラクターが被っているのも居るんだけど、とにかく登場人物が多い。だけど、大空翼みたいな天然な奴は1人もいない。魅力あるのは、主人公の「潔世一」とその良き友人でありライバルでもある「蜂楽廻」の二人。でも、ギャルにモテそうなのは「凪誠士郎」だろうね。この3名が同じチームになる場面もある。
それぞれストライカーには違いないんだけど、各々で得意不得意がある。その設定が上手く分けられている。
■所感
サッカーとは、相手よりも多く点を取るスポーツである。
言い換えれば、例え、相手よりも人数が足らなくても、多く点を取れば勝てる訳だ。
その為に必要なものは?
選手全てがストライカー。閉ざされた監獄の中、全員が篩にかけられるという設定がいい。或る時は、味方だった者が敵になり、敵だった者が味方になる。それは、セレクションで設定されたゲームによって変わるんけど、この目まぐるしい関係が観ていて面白い。
ゲームは待ってくれない。呑気に考える時間も与えてくれない。だから、瞬時にイメージしろ。ゴールへのイメージだ。
時々、選手が覚醒する。
それが一度や二度じゃない。
心の壁、技術の壁、自分の中にある壁…いや、怪物を破れるのは限界を超えた時のみ。その燃料になるのがエゴイストだという。全ては点を取る為。生き残りをかけた実践の中で覚醒する様子が熱く描かれている。
因みに、シーズン2は「U-20日本代表 VS BLUELOCK」が展開される。