■概要
1960年代末から1970年代の初頭にかけてイギリス及びアメリカ合衆国などで広く発展したロックのスタイルのひとつである。ハードロックとヘヴィメタルとの境界は明確ではなく、ハードロックとヘヴィメタルとを一括してHR/HM(または「HM/HR」)と呼ぶこともある。「ヘヴィメタル」という用語自体は1970年代前半から存在したが、ハードロックが1970年代前半にピークを迎えた後、同時期に台頭したパンク・ロックのスピード感を加味して独自の成長を遂げたジャンルである。代表的なヘヴィメタルバンドとして、レッド・ツェッペリン、ブラック・サバス、ジューダス・プリースト、アイアン・メイデン、スコーピオンズ、AC/DCなどが挙げられる。
(Wikipedia【ヘヴィメタル】より抜粋)
さて今回は、ヘヴィメタルのイギリス版だ!
名付けて「とある英国の鰤金属団(ブリティッシュ・メタル)」!
アメリカ以上にビッグネームが揃っている。
若い頃は「メタルなんてただ喧しいだけの音楽」って認識しか無かったんだけど、掘り下げていくと「ここまで細分化されてたのか?」と深いものを感じる次第。
それと、メタル界でもゴッドと呼ばれたディオ様のインタビューを聞いていたら、いつの間にかファッションばっかりの奴らによって「メタルが汚された」なんて言っていた。これは、PILのジョン・ライドンが言っていた「ヘビメタとパンクって互いにいがみ合っているけど、オイラには両方共同じにしか見えないぜ!」って同義のものではないかと解った次第。
オイラが嫌いだったのは、多分「ヘアーメタル」とか「歌謡メタル」なんて呼ばれているチャラ男達だったんだと思う。一方で、パンクについても今更70年代の時代遅れなガレージをやっていても音楽的に魅力がある訳じゃないし何も響かない。
そう思えば、長髪とか革ジャンとかのヘビメタ・ファッションって、みんなレインボーやブラック・サバスを真似たものなんじゃないの?って思うのよ。パンクの頭だってセックス・ピストルズを神と崇めたものばっかりだったのでねえ。
そりゃあ、オリジナルからしたら「アイツらは偽物だ」ってなるよなあ。
ってことで、今回のブリティッシュ・メタルの顔ぶれを観たら、モロにベタなんだけど、やっぱ以下の5バンド以外は思いつかない。
「とある米国の重金属団」の特選で目立っていたディオ様が再登場。更に、ギター・ヒーローと呼ばれたリッチー・ブラックモア大先生に至っては2度登場!
■イギリス×4
◆Deep Purple - The Battle Rages On
まずは、ブラックモア大先生在籍の1バンド目。ディープ・パープル。
このバンドなら曲は「Smoke On the Water」だろ?ってなると思うんだけど、オイラにとっては違ったんだよねえ。CMの影響なのか、サビばっかり強調されていてロックとしてよりも歌謡曲に近いイメージしか無かったんだよね。だから、ディープ・パープルって結局は「イアン・ギラン」の声が強調されてこそのバンドなんだなって再認識。その記念盤みたいな曲が「The Battle Rages On」だった訳よ。
もしも、オイラがプロレスラーだったなら、間違いなくこの曲を入場曲に選ぶ。因みに、同タイトルのアルバムは、イアン・ギラン復帰でバンドが息を吹き返した作品だったんだけど、今度はリッチー・ブラックモアが脱退。つまり、共存出来なかったって訳よ。彼が主体だったバンドって沈んでいたからねえ。
(1993年【2006年:ロックの殿堂入り】)
◆Rainbow - Stargazer
ブラックモア大先生在籍の2バンド目。レインボー。
厳密にいえば、ブラックモアが最初にディープ・パープルを離れて新たに作ったバンドだった。そのコンセプトは「「ブルースを基調としたハードロック」にバロック音楽の構成を融合させた様式美的スタイル」だった。しかも、この全盛期にはヴォーカリストとして若き頃のディオ様、ベースにジミー・ペイン、トニー・カルイ、ドラムスにコージー・パウエルまで迎えており、まるで「ゴシック・メタル」呼んでも良いくらい深遠で、抑鬱的で、情熱的で、ダークな旋律を早々と完成。
「Stargazer」はレインボー初期の最高傑作であるセカンドアルバム「Rising」のB面の1曲目(CDでは5曲目)に収録されている。
(1976年)
◆Iron Maiden - Hallowed Be Thy Name
アイアン・メイデン。日本語なら「鉄の処女」…拷問の道具である。そんな物騒なバンド名を持つグループは、メタル界におけるニュー・ウェーヴ的存在。まあ、どの辺がニュー・ウェーヴなのかは謎だけど、メタルの別の潮流だと思えばそれも納得か。歴史を紐解けば、このメイデンも目まぐるしくメンバーチェンジしているねえ。パンクとメタルって音楽的に共存できない(仲が悪い)と思っていたんだけど、それをやってしまった訳。
個人的には他よりも馴染みやすい音。「Hallowed Be Thy Name」ってゴシックのような出だしに、同じくゴシックのような重く沈み込むようなベース。そこだけを切り取れば、まるでジョイ・ディヴィジョンの音楽性に通じる気がしないでもない。
だからこそ、メンバーが立ち替わり入れ替わったのかな。
(1993年)
◆Judas Priest - Painkiller
世界的に最も知名度の高いメタルバンドがジューダス・プリースト。
フロントマンが長身のヴォーカリストのロブ・ハルフォード。通称メタルゴッド。激しい演奏もそうだけど、歌でも凄まじいシャウトぶり。ハルフォードさんには、一度でいいから「北斗の拳」の主題歌で「YOU は SHOCK!」って叫んでほしい。
誤解を恐れずにいうと、このハルフォードさん…クイーンのフレディ・マーキュリーやダイアナ・キングと同じ悩みを抱えていたんだけど、それに関しては既にカミングアウトされている。
(1990年)
■本日の特選(イギリス×1)
◆Black Sabbath - Paranoid
ドゥーム・メタルの開祖と呼ばれているブラック・サバス。
振り返れば、ヴォーカリストのオジー・オズボーンが新聞でバンド募集の広告を出したのが始まり。時期的にロック飽和時代に活躍していて、同国でパンク・ムーヴメントが起こる前までは好調だった。
「Paranoid」は初期サバスの代表曲。ギタリストは「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」において2003年は第86位、2011年の改訂版では第25位まで登りつめたトニー・アイオミ(左利き)。
(1970年【英:プラチナ、独:ゴールド 2000・2014年:グラミー賞、2006年:ロックの殿堂入り】)
★関連文書