さてブレーキディスクを交換しましょう
長らく親しんできたノーマルディスクともお別れです
取付けるのはブレンボ「スーパースポーツ」
このディスクです
…ですが、交換前にボルトの話になります
そーです、ディスクの取付ボルトです
ディスク厚が5.0mmから5.5mmになるので「重たくなるはず」ですから、ボルトくらいは軽量化しないとって考えました
純正ボルトの強度区分は10くらいあるはずなので12.6のクロモリボルトで強度区分を上げるって選択肢も有るのですが、ハンドリングに大きく影響するフロントの回転部ですから高強度も重要ですが軽いものが良い
同じ強度でも良いので軽量化したい…
素材はもちろん「お高いチタン」ですね
でも予算は有限です
選択したのは、みんな大好きZETAチタンです
生産は中国の大手メーカーです。
T i-6AL-4Vいわゆる64チタンを使いネジ部は転造で造られています。
スペック的には一流品です・・たぶん
私も以前から使用させていただいていて、もちろんボルト自体に何のトラブルも出ていません
ただ低頭ヘックスボルトは若干頭がナメやすい傾向があります
最大の特徴はお値段の安さ!
ボルトは数があるので少しの金額差がボディブローのように効いてきます
なので助かります
チタンですから色付きも良かったのですが今回はZETAチタンに決定です。
(ZETAチタンはカラー選択はありません)
そーいえば陽極酸化カラー、色付きチタンのことですが独特のツヤ感と角度により色が変わり綺麗です。
この色付きチタンって陽極酸化ってよく言いますがアルマイトと違い色の変化をさせるのは、透明な表面の被膜の厚みを変化させ色調変化を起こして色を変化させています。
何のこっちゃですね
説明していきますね
太陽光を分光するプリズム、こんな三角のやつです
コレで透明である光を色分けします
こんな感じです
色は光の波長で変わります
1番長いのは赤、遠くまで届くので夕日が赤いのはそのせいです(大気で光が届きにくくなるため波長の長い赤色が最後まで届いています)
分かった様な、分からない様な話ですが波長の長さにより見える色が変わる
プリズム内を通る距離により色が変わるわけです
そこでチタンです。
チタンは錆びないで有名なんですが(いわゆる赤錆、黒錆です)、それはチタンの表面に被膜があるんです
不動態被膜って言って非常に安定している被膜なんです、不動態被膜は自己修復もするため加工しても問題ありません。
このチタンの酸化被膜は無色透明で10nmほど、めっちゃ薄いです
で、この被膜の厚さを変えることにより色調を変えています。
プリズムの原理です
それを踏まえてこの画像を見ると意味がわかります
コレがチタンの陽極酸化での色調の原理です。
もちろん厚みを変えるので前処理等の準備が必要になります。
被膜を除去し表面研磨します
車体コーティングと同じでベースの凹凸を無くしていく、綺麗な色調を出すのに重要な処理ですね
そのあと電解処理、いわゆる陽極酸化処理です
これだけの手間が掛かりますから色付きのチタンは高いワケです
被膜の厚みで色を変えるチタン。
アルミアルマイトと違うところでもあります。
独特のチタン色、性能は同じですがカスタム感が出てかっこいいと思います
話が思いっきりそれましたが元に戻します
ZETAチタンに決定なんですが、ここで悩みます
ボルトの形状です。
頭が2種類あり「六角面」と「ヘックス」で選べるんです。
こちらがヘックス、純正形状です
こちらが六角面の形状
どちらにしようか
色であれば好みの問題ですが形状となるとこだわりたい
整備性から見てヘックスは脱着を考えると不安があるため六角面が良いのですが、高さが出るので取付時にフォークとの接触の問題もあるし重量面でも体積が増すため不利です(微々たる差でしょうが)。
純正が高さの無いヘックスを採用しているのには理由があるはずで六角ボルトのデメリットが重量なのか、高さがあるボルトだとローター周りに乱流を起こしてハンドリングに影響するとかあるんかな〜とか考えたり調べたりしたんですが分かりませんでした
まー単純に生産性の問題なのかもしれませんが。
純正形状を変えて六角面にするのには何か理由が欲しいな〜てっことでディスク交換しているバイクを検索してみるのですがノーマルを使用している人が多いですね
チタンボルトでもノーマル形状が多いようです
困ったな、独断で六角面にするのも良いんですが…
そーだレーシングマシンを参考にしましょう
でも検索しても画像が出てこない
そりゃそうだディスクボルトなんて写す必要ないですからね
私が持ってる画像を探しましょう、画像多くて探すの大変なんです
……
ありました
カワサキのジョナサンレイの車両
六角面です
そして、とある偶然で行った「ヤマハコミニケーションプラザ」ここでMotoGP車両とJSBの車両を見る機会を得ます
YZR-M1(MotoGP)
YZF-R1(JSB)
全て六角面ですね
脱着のしやすさから選ばれているのでしょうか?
私が危惧していたデメリットは問題無いようです
これで安心して六角面にできますね
レーシングスタイルです
アホな子みたいですがコレでヨシです。
ディスクの取付ボルトは左右で10本
GSR750のフォーク部のボルトクリアランスをチェックして接触の問題がないのを確認して注文です。
ZETAではZT31-0815の品番で5品セットになっています、2個注文です。
画像はないですが、すぐ入荷してきました
まーこの内容は結構前のことなのでサクサク進ませないと
定番の重量測定です。
もともとの目的は軽量化なので重要な作業です。
ZETAチタン
1本で7g
10本で71g
そしてノーマル
軽くなっていますね当たり前ですが
40gの軽量、これでディスクの重量分を何とかできるんでしょうか?分からんですがヨシとしましょう。
話が長くなってしまったので今日はここまでです。
次で交換します