生の肯定 町田康 | (本好きな)かめのあゆみ

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かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

東京飄然

どつぼ超然

この世のメドレー

そしてこの

生の肯定

 

遂に旅が完結した。

 

読んでいて気づいたんだけど

飄然から始まり

超然を経て

生の肯定へと至るこの旅は

まるで

ニーチェのツァラトストラかく語りき

みたいだね。

 

そして

生の肯定

の真のあり方さえも最後に反転する。

 

やっていることは相変わらずぐだぐだなのに

全体を通してみるとかなり崇高な哲学的思索になっているという

この不思議さ。

 

今回は

熱海の自宅から横浜美術館へ向かうだけなんだけど

もはや現実の旅ではなく

moonlightながら

という光の世界の話になっていたりして。

 

こんなふうに妄想を膨らませることができたら

いつものルーティンも飽きないよね。

 

国府海ってネーミングもいい。

 

龍神沖奈はまさに神話的存在。

女神は誰でも美形とは限らない。

っていうか美醜って何?

 

国府海で起こる地獄絵図を超えたその先に

生の肯定の究極があったのかなかったのか。

 

でもとにかく

この地獄を経てこそ至る境地というものがある。

 

それにしても

町田康さんの文章は

例外なくぼくにしっくりくるから

いつ読んでも快感なんだよなあ。

 

 

 

 

--生の肯定--

町田康