テレビや新聞で見かけるイメージとちがう一面
といえばそういえるし
いやそこはかとなくそういう気配はあった
といえばそうもいえる。
自分の来し方を見つめて文字で残す作業を経れば
いったん記録した内容で過去が整理され
うまく書けなかったとかまだ書き切れていないという思いを抱きつつも
現在の自分の座標を把握し
未来へ向かっていく際の心強いよすがとすることもできる。
ぼくもかねてから
自分の半生を文字に残したいと考えつつも
それができていないのだが
この作品はお手本になりそうな気がする。
時系列に書かれていないのはどうしてだろう
と思いながら読んでいたが
最後まで読み通せば
これでよかったと思えた。
なにしろつらいできごとが少なくとも2回起こる。
これは女性にとっては相対的にわりとありえることなんだろうか。
それとも女性のなかでも特に不運なことなんだろうか。
現在の彼女の自信に満ちたようにみえる状況を知ったうえでないと
読み進められないかもしれない。
それにしても良いパートナーに巡り合えたものだ。
ぼくも三浦瑠麗さんみたいなタイプの女性は好きだが
ぼくの手にはとうてい負えないということを
いまのぼくは知っている。
どの女性でもこのような困難に直面して
乗り越えられるとは思わないし
また
だれでも乗り越えなければならないとは思わない。
乗り越えられなかったとしても仕方がないくらいのつらい経験だと思う。
だから
同じような困難な経験をして乗り越えられなかった女性が
この本を読んでどう感じるかは自由だと思う。
でも
彼女の生き方を励みにすることができたなら
それはとても勇気のあることだとも思う。
最初から読み通すと
最終章のちからづよさやすがすがしさに説得力があって
いまでも弱いところはもちろんあるけれども
きっぱりと自立した愛と優しさのあるひとりの人間
三浦瑠麗という存在が愛おしくなるのである。
まさに
孤独の意味も、女であることの味わいも
知っている人間だと感じた。
--孤独の意味も、女であることの味わいも--
三浦瑠麗