あいかわらず
中野信子さんフィーバー
のぼく。
そして
中野信子さんのこの本も
あいかわらずのショッキングなタイトル。
まあ
新書のタイトルっていうのは
書店や広告で目を引くように
編集サイドが決めるものらしいので
どうしてもこういうタイトルになる。
で
べつにそれでかまわないとぼくなんかは思う。
内容はけっして
「いじめ」を肯定したり
どうしようもないと諦めてたり
するわけじゃなくて
ヒトという動物の特性を踏まえると
集団において「いじめ」が起こるのは避けられないので
その前提で対処法を考えた方がいいという
脳科学者らしい提言。
「いじめ」をなくそう
っていうのはむしろ「いじめ」を水面下に隠してしまうってこと。
結論からいうと
「いじめ」のターゲットにされたらいったんその集団から離脱すべきこと
学級っていう集団をなくすことあるいはその位置づけを希薄にすること
学校に監視カメラを導入すること
学校に利害関係のない第三者の目を入れること。
それから
「いじめ」のターゲットにならないようにするためには
人間関係を濃くし過ぎないこと
相手に自分の弱点を開示しあなたの脅威にはならないというメッセージを送ること。
それらの結論が
オキシトシン(愛情、幸せ)
セロトニン(安心)
ドーパミン(快楽物質、脳内麻薬)
テストステロン(攻撃)
といったホルモンの機能や
向社会性
同調圧力
フリーライダー
サンクション
オーバーサンクション
裏切り者検出モジュール
リベンジされる可能性
前頭前野の発達時期
といったヒトの持つ特性
それから
泥棒洞窟実験
青い目・茶色い目実験
スタンフォード大学監獄実験
ザ・サードウェーブ実験
などの実験などにひもづけて導かれる。
ふつうの「いじめ」問題への対処のアプローチとは
違った角度からの提言なので
違和感を抱くひともいるだろうけれど
現実のさまざまな対策が何年やっても功を奏していないところをみると
飛びつきたくもなる。
「いじめ」に限らず
集団・組織に属するひと
つまりほとんどすべてのひとにとって
コミュニケーションをスムーズにするために必要な
メタ認知のスキルをあげることにつながる内容だと思う。
共同体意識
つまり団結や絆の感情の高揚が
「いじめ」すなわち異物排除
につながるっていうのはものすごく皮肉だが
そのメカニズムに対する理解は常に持っておいた方がいい
--ヒトは「いじめ」をやめられない--
中野信子