タブー?
なかなかこういう小説を書くのは勇気がいるのではないかな。
かの国のひとならば特に。
日本人や外国のひとが
かの国をこのようなイメージで書くことはあったとしても。
まあかねてからぼくは
かの国の政治体制や日本への接し方には不満を抱いているが
かの国で生きている一般の市民には深い同情の気持ちがある。
だって生まれた国がたまたまかの国であったというだけで
そういうふうに生きなければならないなんて
まあこのことに限った話ではないが世界はスタートからして理不尽だ。
で
特に
日本で生まれ育ったかの国の二世や三世や四世なんて
結局どこにも安らげる場所なんてないということが想像できるのであって
でもそういうところにこそ小説に書くべき普遍的な人間のテーマがある。
あるんだけど実際にそれを書くと
あまりにも生々しくなってしまって
普遍的なメッセージが伝わりにくくなる。
日本にあるかの国の学校のあり方も複雑だ。
なんとなくこじれているような気がする。
こどもたちには何のとがもないのに
そこに通っているというだけで
こころない攻撃にさらされるなんて
ほんとうに理不尽だ。
あの民族衣装だって
ふつうにかわいいと思うのだが
なんとなく素直に見られないというのが
すりこみの恐ろしさだ。
こどもたちをいかにニュートラルな環境ではぐくむか。
それはかの国に限らず日本とて同じこと。
それにしてもゲームセンターの場面は許せん!!
ぷっつん。
切れた主人公の怒りはどこに向かうのか。
革命を起こせるのか。
落ちてくる空を受け入れられるのか。
最初に誰が悪かったのかなんて
あとからは決してわかることはないし
だからそこで争うことにはあまり意味がない。
いま
これからどうするのか。
それが大事なのはわかっているけれども
人間は感情の生き物であるのだから
腑に落ちるストーリーに乗せなければ
前に転がっていかない。
ところで
ニナの舞踊の公演の場面は描写が美しかった。
--ジニのパズル--
崔 実