エッグ | (本好きな)かめのあゆみ

(本好きな)かめのあゆみ

かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

ただいま大阪はシアターBRAVA!で公演中の

野田地図(NODA・MAP)第19回公演“エッグ”。


あいにく観に行けないので戯曲を読む。


キャストは

妻夫木聡さん、深津絵里さん、仲村トオルさん、橋爪功さん

と豪華。


藤井隆さんって、こういう役、しっくりきそう。


深津絵里さん、きれいでかわいいだろうなあ。


それに歌声も澄んでいそうで。


そう、この戯曲では深津絵里さんが歌うのです。


それもなんと

詞 野田秀樹

曲 椎名林檎

というぼくの好きなひとたちの組み合わせ。


いいねえ。


“エッグ”のサイトでは

そのなかから

“ICHIGO ICHIE-The Heavy Metallic Girl”

の楽曲が聴ける。


http://www.nodamap.com/egg/movie/


深津絵里さん演じるのは

苺イチエ

という女性。


エッグという名のスポーツに携わる男たちのあいだで揺れる。


いや、揺れてはいないかな。


むしろ振り回しているのかも。


野田さんの戯曲はキャストを知っていれば読んでるだけでなんとなく

実際に舞台を観たような気分

になってしまうから不思議だ。


こういう言い方は野田さんがもっとも嫌うところであるだろうけれども。


もしかしたら原発事故をテーマにしているかもと思っていたが

そうではなかった。

もっと時代をさかのぼる。

けれどもそこに通底するのは同じ構造ともいえる。

侵略と人体実験。


支配するものとされるものとの命の重さ軽さの違い。


支配者は誰のために支配しているか。


記録することと記録されないこと。


噂に翻弄されるものと噂を利用するもの。


歴史はどのようにして歴史となるか。


歴史を修正することは可能なのか。


歴史とはだれのためのものなのか。


ぼくたちが現在知った気になっている過去はそもそも誰がつくった過去なのか。





――エッグ/MIWA 21世紀から20世紀を覗く戯曲集――

野田秀樹