雨の日の記憶には美しいものが多い
はじまりはいつも雨なんて歌もあったけど
ひとは雨の日に恋に落ちやすいというのはほんとうのこと
それは気圧や湿度が心身に与える影響のせい
いつもよりほんのすこし不安になるから
いつもよりほんのすこしひと恋しくなる
いつもよりほんのすこしやさしくされただけで
それはもうほとんど運命的にも感じるくらい相手を意識せずにはいられなくなる
それを気圧や湿度のせいだと思うと
なんとも味も素っ気もなくなるけれども
だからといって
雨の日に恋に落ちるのはただの気のせいだ
なんて考えるのはつまらないこと
だいたい恋なんて
勘違いと錯覚からはじまるもの
勘違いと錯覚からはじまった恋を
どんなふうに成長させるかはわたししだいあなたしだい
雨の日の喫茶店
雨の日の授業
雨の日の仕事
雨の日のドライブ
雨の日の旅行
いつもとは違う感覚
暗く鬱陶しい気分になった雨の日もあるに違いないのだが
なぜか記憶に残るのは美しいシーンばかり
雨の日の記憶には美しいものが多い