NIPPON | (本好きな)かめのあゆみ

(本好きな)かめのあゆみ

かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

今回のサッカー・ワールドカップの愉しみがもうひとつ。


NHKのサッカー・テーマに椎名林檎様の楽曲が選ばれているのです。


題して“NIPPON”。


そのまんまやん、っていうくらいのど直球のタイトルは自信の表れかどうかはともかく、ファンにとってはうれしいことこのうえないのです。


で、ワールドカップ関連の番組をせっせと視聴している合間に流れていたり、You Tubeの椎名林檎オフィシャルチャンネルでミュージックビデオを視聴できたりもするのですが、それ以上に、やはりシングルCDで聴く音源は迫力が違うのです。


音が分厚い。


林檎様を含む3本のギターに、ベース、ドラムはもちろん、第1、第2合わせて16本のヴァイオリン、6本のヴィオラ、6本のチェロ、4本のコントラバスの重厚な演奏。


そして、独特のクセのある変則的で技巧的な楽曲の構成。


決して口ずさみやすい曲ではないけれども、そこはやはり林檎様ならではの音楽志向。


転調しながら徐々に盛り上がるドラマチックな展開に、否が応でも気持ちがたかぶるのです。


そして詞がまたエネルギッシュで雄大で哲学的。


緊張と緩和、集中と解放、ミクロとマクロ、そんな森羅万象。


なんだかこれを聴いていると苦境そのものを愉しめそうな肯定感。


至上の人生至上の絶景。


選手たちはいま、自分にしか、自分たちだけにしか感じられない人生の瞬間を体験し、景色を観ているのに違いないのです。


気まぐれな外野の声になど選手たちは当然耳を貸してはいないだろうけど、ぼくはいまのチームの積極的な攻守のスタイルはとても気に入っているので、1次リーグ最終戦を決勝トーナメント1回戦の気持ちで臨んで、最高の試合をしてほしいです。




――NIPPON――

椎名林檎