原題は
duel
という。
スピルバーグ監督の出世作であるらしい。
ずいぶん久しぶりに観た。
初めて観たのはテレビの洋画劇場だったかなんだかだった。
そのときの印象が強く残っているので、あらすじもなんとなく覚えていたのだが、それでも刺激的だった。
アメリカのハイウェイで赤い乗用車に乗って目的地に向かう主人公。
金髪、サングラス、ひげでどことなくむかつくタイプ。
彼が前を走るトレーラーを追い越したことをきっかけに、そのトレーラーから執拗に付け狙われることになる。
怖いねえ。
危なそうな車には近づかないのが身のためですよ。
日本とは違ってどこまでもだだっ広いアメリカのハイウェイ。
そのダイナミックさに魅力を感じて、いつかはぼくもルート66なんかをドライヴしてみたいとは夢見るものの、この映画を観てしまうと、その夢もしぼむ。
なんてったって、あまりにもだだっ広すぎて、まったくほかの車とすれ違わなかったりするもんね。
人家もまばらで、何かが起こっても誰にも助けを求められない。
車のトラブルが発生してもJAFも来てくれないだろうし。
ましてやこの映画のようにマッドな運転手にからまれた日にゃあ、もう命の保証はないですよ。
現在のアメリカはどうなのかはわからないけれども、日本の治安の感覚で外国でおなじような調子でやってるとエライ目に遭います。
まあ日本の治安も以前よりはかなりおかしくはなっていますけどね。
それにしても製作費もろくにかかっていないであろうこの映画。
シンプルだからこそ製作者サイドの工夫やアイデアがたくさん詰まっていて、見応えがあります。
カメラのアングルとか盛り込まれたシーンとか。
スリル好きなひと、車好きなひと、旅好きなひとは必見ですよ。
そしてある種のノスタルジアさえ漂います。
――激突!――
監督 スティーヴン・スピルバーグ