カオスは人の印象に過ぎない | (本好きな)かめのあゆみ

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かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

いまさらながら

ヱヴァンゲリヲン 新劇場版

の序と破を観た。


思いがけず感動したので

しばらくびっくりしていた。


台詞が特にいい。


なかでもぼくのお気に入りは破のこれ。


カオスは人の印象に過ぎない。

世界は全て調和と秩序で成り立っている。


ああなるほど。


そういう考え方もあるのね。


近頃のぼくの考え方は


なにごとをも細かく分析して

なにごとかをわかった気になる状況は

全体のありようを見失う。

部分の集合は全体ではない。

したがってぼくたちは

細分化した境界線をひとまず忘れて

慎んで混沌の全体に回帰するべきだ。


というものでしたが


なるほど

カオス自体も人間の印象の産物といわれればそのとおり。


理解できないものを混沌といってしまえば

そこで思考停止の免罪符。


探究心の放棄ともいえるわけなのだな。


ファウストを読んだ直後だった影響もあるのかもしれないけれど

エヴァの世界観は

人間の自意識の功罪を説いているような気もして

とてもいい刺激を与えてくれた。


いやあ

社会現象になるのもうなずけるなあ。


ちなみにファウストのなかにはこんな一文がある。


地霊を呼び寄せたファウストに向かって霊がひとこと。


お前はお前に理解できる霊にこそ似ていようが、

己(おれ)に似てなどおらぬ。


辛辣な自意識批判だなあ。