原題は
TOC,TOC!MONSIEUR CRIC-CRAC!
ぼくの好きな絵本です。
何が好きかって
まず絵。
マルタン・ジャリさんの。
怖くてユーモアがあってかわいい。
でもちょっぴり不気味。
全体的に細長いところがぼくのツボ。
そして無機質で幾何学的な感じも。
5組のボディーガードたちも
夢があるというかなんというか。
寝室のおばけなんて最高!
絵柄と色彩からなぜかカフカさんの
審判を思い出してしまう。
世紀末チックでもある。
で
久しぶりに読み返してみたら
文章もいい!
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「用もないのに 庭の中まで
はいってくるなんて、がまんならん!それに、
ぼくをじろじろ見る子どもも、大きらいだ!」
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5組のボディーガードの描写のところなんか
笑っちゃう。
そうか
この感覚
なんだか
エドワード・ゴーリーさんの
絵本に通じるような気がする。
こういうの好きなんだよね。
しっくりとくる。
なにはともあれ
ビズ・ビズさんみたいなひとに
押しかけられてみたくなる
そんなお話なのだ。
やさしい。
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アラン・セール 作
マルタン・ジャリ 絵
中井珠子 訳