口語訳 古事記 〔完全版〕 メモ(神代篇 其の一) | (本好きな)かめのあゆみ

(本好きな)かめのあゆみ

かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

せっかく読んでいるので

おおまかな流れだけ

メモっておくことにした。


読み始めたときの記事はこちら





其の一 イザナキとイザナミ - 兄妹の国土創世


天と地とがはじめて姿を見せたとき

高天の原に

アメノミナカヌシ(天之御中主神)

タカミムスヒ

カムムスヒ

の三柱の神が成り出た。


けれども彼らは特に何もなし。


できたばかりの下の国は

土とは言えぬほどにやわらかく

ゆらゆらと漂っていた。


次々と神があらわれ出るが

全ての神は

天つ神

国つ神

にわかれる。


やがてあらわれ出た

イザナキ

イザナミ

の兄妹の神は

他のもろもろの天つ神から

アメノヌボコ

という矛を授けられ

ふたりして天の浮橋からそのヌボコを

下の流れ漂う海と泥との混じる塩に向けて

指しおろし掻き回し

引き上げたその先からしたたり落ちた塩が

島になったのが

オノゴロ島。


そのあと

ちょっとタブーな兄妹のまぐわい(ミトノマグハイ)によって

アハヂノホノサワケの島(淡路島)

イヨノフタナの島(四国)

オキノミツゴの島(隠岐島)

ツクシの島(九州)

イキの島(壱岐)

ツの島(対馬)

サドの島(佐渡島)

オホヤマトトヨアキヅの島(本州)

の8つの島(オホヤシマの国)を生む。


最初の結婚が兄と妹というのは

世界的に例が多くて

兄妹始祖神話

と呼ばれるらしい。


このタブーな兄妹のまぐわいのシーンは

なんだか現代を生きるぼくの目からは滑稽でもあり

女性なら不愉快さのあまり古事記嫌いになりそうな内容である。

まああくまでも神話ということで

このことについては深入りしない。


ちなみに8つの島を生む前に

骨なしのヒルコ

アハ島

を生むがどちらも成立しない。


8つの島の後にも

6つの島を生む。


次にイザナキとイザナミは

神々を生んでいく。

岩や土や風や海などの神々。

大活躍だね。


ヒノカグツチ(ヒノヤギハヤヲ)

という燃えさかる火の神を生んだところで

イザナミはみ秀処(ホト)を焼かれ病み臥せる。


病の苦しみにあるイザナミの

たぐり 糞 ゆまり

からも神が成り出る。


悲しむイザナキの涙からも神。


イザナキは

ヒノカグツチの首を

十拳の剣(アメノヲハバリ)で切り落とす。


切り落としたヒノカグツチの血からも

神々が成り出る。

ヒノカグツチの亡骸の

頭 胸 腹 陰 左手 右手 左足 右足

からは山の神々。


イザナキは黄泉の国へイザナミを呼び戻しに行くが

イザナミが醜い姿になってしまっているのを見て

恐ろしくなって逃げ出す。(ひどい!)


ちなみにイザナミの醜い姿の各部

頭 胸 腹 陰 左手 右手 左足 右足

にはイカヅチの神々。


そして逃げるイザナキを追う

イザナミの追っ手たち。


チェイスのシーンは迫力があります。

なんとか逃げ切って葦原の中つ国に戻りついた

イザナキは

筑紫の日向の橘の小門の阿波岐の原で禊ぎ払い。


投げ捨てた

御杖 御帯 御袋 御衣 御褌 御冠 左手纏 右手纏

からも神々。


そして水の中に潜って身を洗いすすぐが

そこでもいろいろな神々。


そしていよいよ禊ぎの果てに

イザナキが左の目を洗った時に

アマテラス

右の目を洗った時に

ツクヨミ

鼻を洗った時に

タケハヤスサノヲ

が成り出た。


神話らしい大胆な展開にとにかくわくわく。


すべての物語の原初的なかたちがここにある。





其の二 アマテラスとスサノヲ - 高天の原の姉と弟

に続く。 



-口語訳 古事記 〔完全版〕-

訳・注釈 三浦祐之