死を思え。
自分がいつか必ず死ぬことを自覚して生きよ。
死について考えることは
生きるうえで大切な作業です。
恐れようが侮ろうが
死は等しく万人に訪れます。
それを避けることは誰にもできません。
どのような思いで死に向かうかは
それこそ生き方そのものでしょう。
死に方が生き方の結果であるとは必ずしも限りませんが。
ともかくも
自分はいずれ死ぬ存在であるという自覚をもった上で
積極的にも
消極的にも
楽観的にも
悲観的にも
厭世的にも
快楽的にも
刹那的にも
いかようにも生きていくことができると思います。
けれども
死を思う作業を怠っている人は
なんだか底が浅いように感じます。
運命の上っ面を滑っているだけのような。
そういう
天使みたいな人の魅力もあるのかもしれませんが。
で
メメント・モリ
っていうのは
一個人だけではなくて
人類全体にもあてはまると思います。
すなわち
人類はいずれ破局する
と。
自意識の膨張や科学万能信仰のせいかどうかは分かりませんが
とにかく
人類は見かけ上の進歩とは裏腹に
破局への後戻りのできない道程の途上にあるというのは
楽観的な人でも悲観的な人でも共通でしょう。
人類もいつかは必ず滅ぶ。
諸行無常
盛者必衰
どのように滅ぶのかを人類として自覚しておきたいです。
抗ってあがくもよし
素直に受け入れて小さくて身近な幸せをかみしめるもよし
無為に傍観しつつ嘆き悲しむもよし。
そのことをまず自覚し
絶望の淵まで沈みこんでこそ
反転して
なんらかの希望が生まれると考えたいというのは
根暗なロマンチストの考えそうなことでしょうか。
いや
ぼくは絶望などしていませんよ。
むしろ楽観的なのが問題なくらいで。
一年のうちでもっとも過ごしやすい季節のある日の午前に
かわりばえのしないわりには誘惑の多い自室にて