正月早々
このタイトルもなんですが
この作品が載っている短篇集
エロイです。
1編1編は
純粋で退廃的で
読んでいて魅惑的ですらあるんですが
続けて読むと
なんだか食傷気味です。
主人公と
主人公の妻と
年老いた芸術家の
やりとりです。
主人公は
虚弱であるが故に
若くて美しい妻の
肉体的な情欲に応じきれていないと
申し訳なく感じています。
妻は
虚弱な夫を支える献身的な側面と
虚弱な夫の精力を搾り取るように
肉体的な情欲をたぎらせている側面を
併せ持つ存在です。
年老いた芸術家は
とことん女好きで
そのために金が不足し
元教え子である主人公夫妻に
始終
金の無心をします。
と
ここまで書いてみて
なんだか官能小説の
設定みたいな気がしてきました。
官能小説を書店で購入できない
シャイなぼくにも
坂口安吾さんの作品なら
大丈夫です。
具体的に
性描写がエロイということではなくて
マニアックな精神的エロスです。
基本的には
相変わらず
主人公の
脳内分析というか
ひとり妄想で
妻との間の情愛を
想像しているわけです。
そして
いうにことかいて
この主人公は
この献身的な妻をさしおいて
他の誰かと
精神的な情愛に狂いたいなぞと
心の中でのたまうのです。
そして
恋をしに行く
に続きます。
-女体-
坂口安吾