《ナンシイ・ブラケット・アニメ化計画》再出発! | 作家・土居豊の批評 その他の文章

《ナンシイ・ブラケット・アニメ化計画》再出発!

《ナンシイ・ブラケット・アニメ化計画》再出発!

 

14歳ヒロイン説を代表する、アマゾン海賊ナンシイ・ブラケットは、英国児童文学の古典『ツバメ号とアマゾン号』シリーズ(ランサム・サガ)のヒロインだ。

行動力の権化にして、大人顔負けのアイディア力と計画性を兼ね備えて、子どもたちのグループを率いるリーダー。しかも、生まれは北部湖水地方の地主の長女で、才色兼備、文武両道の美少女。

彼女の活躍を描くアニメ化企画に、アニメ会社さん、プロデューサーさん、ご興味あればお声かけを!

 

 

詳しいことは、現在鋭意執筆中の文芸評論『涼宮ハルヒとアマゾン海賊ナンシイ 〜アニメ&児童文学の14歳ヒロインたち』(仮題)の中で書きます。

同時に、幼少期からランサム・サガを愛読し、大人になって作品舞台と作者の故郷である英国湖水地方に聖地巡礼までした筆者は、「ランサム・サガ」のスピンオフ小説を執筆中です。児童文学、ジュブナイル、冒険小説のジャンルで、新作として上梓したいと思っているので、ご興味ある版元さん、お声かけを待ってます。

 

 

 

さて、ところで、日本のランサマイト(「ランサム・サガ」のファンたち)が待ち望んだはずの、BBC制作による『ツバメ号とアマゾン号』の新しい映画が公開されてから、もうずいぶん経ってしまった。ついに、日本公開はされないままに終わりそうだが、筆者は予告映像をネットで見てから、どうしてもこの映画をみたくて、とうとう英国版のDVDを買った。しかし、ディスクのリージョンコードが欧州バージョンで、日本製のプレーヤーでも、パソコンでも再生できなかったので、しばらく放置していた。

最近、ついにリージョンフリーのプレーヤーを買って、早速、待望の映画『ツバメ号とアマゾン号』を再生してみた。

 

 

※参考

映画「Swallows and Amazons」

 

https://youtu.be/ztIQkixuOmc?si=Gi9DV0XhrGVJj7oQ

 

 

https://www.amazon.co.jp/Swallows-Amazons-Regions-2-4/dp/B01JJDHS80/ref=pd_sbs_d_sccl_1_1/355-8253226-3841424?pd_rd_w=cA88b&content-id=amzn1.sym.2d5211c1-2026-47b5-a165-5af5d54b0730&pf_rd_p=2d5211c1-2026-47b5-a165-5af5d54b0730&pf_rd_r=1X02KBGAWDRHZVAJG2RQ&pd_rd_wg=V0jcb&pd_rd_r=e13d990c-efb5-42c1-8cc9-34ae791067bf&pd_rd_i=B01JJDHS80&psc=1

 

 

 

期待に違わず、といいたいところだったが、残念ながら、現代風にアレンジするために、原作とは相当かけ離れた映画になってしまっていた。でも、それは仕方のないことだ。原作に近いイメージであるはずの、古い1974年版映画は、もし今観れば、あまりに古くさく感じて、飛ばし見しかできないかもしれないからだ。

 

※1974年版映画「ツバメ号とアマゾン号」より

 

 

 

とはいっても、原作から設定を変えすぎているので、もし今回の映画を観てから原作のランサムの本を読むと、かなり混乱するかもしれない。

原作ものの映画化の難しいところだ。本当は、小説と映画は別の作品、と割り切るべきなのだが、児童文学や古典的作品の場合、それは原作を読んでいる前提で作られる映像作品なのだから、あまりに改変しすぎは良くない。

おそらく、今回の映画は、原作にない盛り上げ要素を盛り込みすぎたのだ。原作の「フリント船長=ジムおじさん(アマゾン海賊ナンシイとペギイのおじ)」を、作者ランサムの実像にかぶせて、スパイもどきの設定にしたのは、わからないではないが、やはり無理があった。結局、現実世界のスパイの冒険物語がかぶせられると、子どもたち自身の冒険ごっこより、リアルな活劇の方がどうしても優ってしまう。子どもたちが現実のスパイや活劇などより、自分たちの遊びの方を大切に思っていることが、この映画では否定されてしまっている。映画制作者たちには、ランサムの3作目『ヤマネコ号の冒険』を読み直して、クライマックスに近い場面での、ナンシイ・ブラケットの独白について考えてみてほしい。

 

※引用

《物語の海賊「海の恐怖」と、ほんものの海賊は、まったくべつものだった。五人で老人一人と少年一人を襲うなど、まったく卑怯なごろつきどもだった》

 

 

※「ハルヒとナンシイ」講座 ランサム『ツバメ号とアマゾン号』シリーズ番外編1『ヤマネコ号の冒険』

https://youtu.be/n2zNu2dn7ao

 

 

ナンシイのこの独白の通り、子どもが自分たちで楽しんでいる遊びの冒険は、現実の殺伐としたスパイ合戦と同じではないし、同じ土俵に上がってはいけないものなのだ。

 

 

 

※YouTube配信(2020年配信)

作家・土居豊チャンネル『涼宮ハルヒと、ナンシイ・ブラケット』書籍化企画《ナンシイ・ブラケット・アニメ化計画》

14歳ヒロイン・アマゾン海賊ナンシイの活躍を描くアニメ化企画。アニメ会社さん、プロデューサーさん、ご興味あればお声かけを!

 

https://youtu.be/l1401uc4qTo?si=e-V1lJyTj6U1eP_w

 

 

 

 

※知床観光船沈没事故追悼。船遊びでトラブルが起きても生き延びるために。

【ランサム・サガ『海へ出るつもりじゃなかった』を、全ての子どもたちに読ませたい】

https://youtu.be/syZuFfZ1-j4

 

 

※関連ブログ

「河野大臣、『ツバメ号とアマゾン号』シリーズを失礼ながら読み間違えてます」

https://ameblo.jp/takashihara/entry-12372457047.html

 

 

ノーランの映画「ダンケルク」と、英国BBC映画「Swallows & Amazons」

https://ameblo.jp/takashihara/entry-12282219656.html

 

 

※ランサム・サガの故郷、英国湖水地方、ヤマネコ島のモデル