大阪府立高校の入試出願の中間発表、やはり難関校の倍率が高い | 作家・土居豊の批評 その他の文章

大阪府立高校の入試出願の中間発表、やはり難関校の倍率が高い

大阪府立高校の入試出願の中間発表、やはり難関校の倍率が高い

 

 

大阪府立高校の入試出願の中間発表。希望調査で倍率2倍近くになっていた春日丘がやはり1.50倍の難関。だが問題は刀根山の1.48倍。ここは元々中堅どころだったのに、他の中堅校が大阪府の教育改革で軒並み統廃合、改変された結果、ボリュームゾーンになって倍率激化。昨年も、近隣の中学でも大量に落ちた。

 

 

 

中堅の府立高校を大量受験して大量に落ちる結果、多くが滑り止めの中堅どころの私立に行く。ところが大阪府は私立高校を学費無料にして税金で支えている。本来は税金で支えるべき中堅府立高を統廃合した分、大量の中堅どころの生徒が私立高に行く流れとなり、その経営を税金で助ける結果になっている

 

大阪府立高校入試でもう一つ問題なのは定員割れ。今年の出願中間発表で定員割れの懐風館高校、ここは以前、頭髪黒染め強制で訴訟になった。だが頭髪指導を強行して生徒を外見上真面目でおとなしい印象にすることは、生徒集めのための苦肉の策なのだ。生徒が集まらなければ統廃合されるのだから、学校にとっては死活問題だ。

 

 

 

 

定員割れの問題は非常に悩ましい。定員割れした府立高校は魅力がないという単純な話ではなく、地域性や私立高校無料化の影響など複雑な事情がある。定員割れの高校にも地域のニーズがあり、現に、過去、統廃合された高校では存続希望の署名活動もあった。定員割れ高校を減らすだけでは、大阪の教育の問題は何も解決しない。

 

大阪府が橋下氏肝いりで推し進めた教育改革の、目玉商品はハイレベル10校だった。文理学科と名付けられた入試倍率は、かなりバラツキがある。南部からも通いやすい三国丘は高倍率だが、それはつまり、他のハイレベル校が北部に偏りすぎであるという問題を浮き彫りにする。また、ハイレベル10校の肝心の大学進学実績も、過去の結果をみると当初期待されたほどは伸びていない。

 

 

 

 

つまり、橋下教育改革は失敗しているのだ。財政の再建という目的で府立高校を減らした結果、肝心のハイレベル10校は伸び悩み、中堅どころの生徒は私立に流れ、定員割れの学校は、生徒集めのために頭髪黒染め強制など無理な生徒指導に走っている。しかも、なぜか私立高校を授業料無償化して税金で支えている。これは全く、本末転倒しているとしか言いようがない。

 

 

※参考

 

今年の大阪府立高校の受験情勢は、ますます過酷になっている

 

https://ameblo.jp/takashihara/entry-12440652004.html

 

※参考

 

「府立高教諭が大阪府を提訴」の報道で、過去の自分の教師体験を思い出した

https://ameblo.jp/takashihara/entry-12443125855.html