イメージ 1

 

 近代金貨(明治時代以降国による発行)は戦後米軍が接収していましたが、日本政府に財産が戻されています。そして大蔵省、財務省とひきつぎ、2006年の2月から6回にわたりオークションが開催され、ほとんどを民間に払い下げています。

 18年前のことですね。なお、これらについてネットオークションは第1回~第3回に行われています。

 

 当時も今もですけど、僕自身はお金が嫌いという訳ではないですが、財テクには全く不得意分野です。

 記念切手収集や記念硬貨を手に入れることは少しだけしており、これは趣味範囲です。

 株も買ったことないし、投資信託も最近はやりの積立NISAもお話は受けるのですが、手を付けると火傷しそうなのでやっていません。

 その考えは考えとして、近代金貨も趣味の範疇で3回の開催で数枚を落札しました。4回目からは販売枚数が少なくなったのと、高価値の物品が出品されたのでネットオークションではなく現地オークションだったようです。

 趣味のコレクションなので、比較的安価に購入できた1円硬貨(明治4年前期、後期)と10円硬貨(明治36~42年発行)を数枚手にしました。どれも「並品」だったので価値も低いものです。それでも僕にとっては安い価格ではありませんでした。

 

近代金貨オークションの話 | めぐみさんが帰ってくるまで頑張らなくちゃ (ameblo.jp)

 

 購入していたことすら忘れていましたが、この連休に、部屋の整理をしたら机の引き出し片隅から厳重に箱詰めされた数箱の落札金貨が出てきました(ロット番号があり、厳重にケースに入り鑑定書も添付されてます)。

 切手同様希少性価値が落ちているかもしれないと少し調べてみました。

 希少価値レベルという点ではやはり足踏みでしたが、昨今の「金(きん)」の高騰が異なった意味をなしたようです。

 

 1円硬貨の重量は1.67gで90%が金になるので1.5gの金換算です。1円金貨は落札当時から評価が全く上がっていないようです。

 一方、10円硬貨は重量が8.33gだそうで同じく90%の金が含まれており、7.5gの金換算です。

 驚いたのは後者の10円金貨です。希少性は1円金貨同様上がっていないのですが、金の値上がりから、その金相場価格の変動で相当額になっているということです。昨年末には、金1gが10,000円という値をつけており、それだけでも75,000円になるということです。

 美品だとさらに希少価値が加わり、10万円以上の評価になっています。落札価格のほぼ2倍相当額になっているようです。

 

 一方、1円はというと「金」だけの価値は15,000円にしかならないということです。価値も手に入れた当時と変わっておらず、1円金貨は価値が変わらないどころか、逆に取りがみ状態のようです。

 新たに再販売に出ているオークションでは原価割れも散見しています。損をするのに、なぜ転売するのかよくわかりません。

 近代金貨は希少性では「下げ状態」、金(きん)の価値としては「上げ状態」ということのようです。

 

 さらにこれもたまたま所有していたので調べたのですが、平成2年に発行された「天皇即位10万円金貨(実重量30g:金含量30g)」ですが、金価格のおかげで売買価値3倍になっているのですね。流通貨幣としては、当然10万円のまま(近代金貨はもう貨幣として流通できませんが10万円金貨は流通可能)ですけどね。

 ちなみに当時の金の売値は1g2,000円程度だったようです。「天皇即位10万円金貨」は6万円の原価で10万円価値で流通させたようですね。当時の財務省は1枚当たり4万円の利ザヤがあったということですか。発行枚数は20万枚ですから、金貨発行により、80億円の国庫収入を得たということですね。

 

 これは1枚しか手に入れていない(ラミネートに入れたまま)のですが、金の値上がりは、人によっては大きな利益を上げていることを理解しました。10枚持っている人は200万円の利ザヤがあるということですね。なお、手に入れるためには、当時事前の申し込みを有した記憶があり、多くの人たちが手にするため、購入上限があったかもしれませんね。

 

 もうひとつ情報として、「天皇陛下御在位60年記念10万円金貨幣」( 昭和61年発行)の金額はどうかと思い、調べてみると20万円強の評価のようです。含有金が20gなのでやはり金の価格に相当する価値に評価されているようです。この貨幣は残念ながら所有していません。

 

 日本の金貨は、現況では「金評価」が優先され、「希少性」は相当出回っている数が少ないものを除き、その価値が内包され「金(きん)の価値」だけで評価されているようですね。金の急激な上昇はコレクションの世界に「投資」が覆いかぶさったと考えるべきなのでしょうね。ちょっと勉強になった「建国記念の日」の連休でした。