今年3月の北陸新幹線の敦賀延伸によって、往年の北陸本線の堂々たる幹線のイメージはすっかり失われてしまいました。
目をつぶると、甲高いホイッスルを響かせて発車するED70の引く客車列車がゆっくりと動き出す姿が今も浮かびます。
これまで、かなりの数の1/80の模型を整備してきましたが、どうも自分にとって「これが決定版だ」というモデルを作り得ていません。
Nゲージのkatoのモデルは実車の印象をよく捉えていて、そのバランスの良さに、#16でも一つの目指したいモデルかと思っています。
ED70形は実車が新製配置から廃車まで北陸本線から出ることなくその一生を終えましたが、その模型化においても、Nゲージではkato、#16ではカツミ模型と、ただ1社からしか模型化されていないのは、何がしかの符合があるような気もします。
今作っているのは1960年代から販売されてきたインサイドギヤ方式のカツミ模型2代目製品です。
鉄道模型がデパートの模型売り場で売られていた頃の製品ですから現在とは比較にならないほどの数が出回っていて、ありふれた、つまらない存在と見られがちです。
実際大味で、手元に置いて眺めているだけでうっとりするような模型ではありません。
ただ、元の塗装を剥がして、自分なりに再塗装、若干のディティールパーツを加えることで、自分なりの納得を得たいと思っています。
その中で、もっとも重要なポイントは塗装です。
ボディーの赤2号は、クレオスのスプレーでOKです。
これには異存ありません。
問題は屋根上で、全体的に黒で塗装することにして、ランボードをどうするか?前面との境目をどうするか?
もう思案に暮れてから長い年月になります。
前面の塗り分けは、kato製品に倣って、パンタ上にします。
ランボードについては、Katoとは違って赤2号とします。
長浜鉄道文化館に保存されている1号機では、黒ですが、確証はありませんが当初からではないという見立てもしています。
その決め手となったのは、1994年頃にカツミから発売されていたMPギヤ搭載のモデルを思い出し、塗り分けが上記の通りだったことが確認できたからです。
そして、今回はそのように塗り分けてみました。
マスキングは、オーソドックスにマスキングテープを使いましたが、はみ出しがあり、何度も上から吹き直したので、かなりの工程になってしまいました。
①全体にクレオスの赤2号塗装。
②側面エアフィルター部分を残してマスキングし、グリーンマックスのアルミシルバーを塗装。
③シルバーのはみ出しがあり、エアフィルター部分をマスキング、赤2号を再塗装。
④前面飾り帯を残してマスキングし、グリーンマックスの白3号を塗装。
⑤前面飾り帯をマスキングして、赤2号を再塗装。
⑥屋根上をランボードの際、パンタグラフの中央下でマスキングし、グリーンマックスのセミグロスブラックで塗装。
⑦屋根上のシルバーで塗装するパーツの塗装のためマスキングし、グリーンマックスのアルミシルバーを塗装。
長々書きましたが、塗り分けは塗装をした部分をマスキングし、その外側を上から塗装すると、失敗が生じにくくなります。
しかし、隠蔽力や塗装する部分の広さ等から手順を決めていくために、このような何度もの塗装の繰り返しになりました。
マスキングをしっかりやればこのようなことにはならない。
やはり、腕が未熟、工作は雑であることは否めないところですね。