警戒色塗装には、本当に振り回されました。
しばらく、シマウマも見たくないほどです。
縞模様、多くの場合、黄色と黒。たまに、赤と黄色など違う色遣いもありますが、「近寄ると怖いよ」と相手に警戒心を抱かせるのは、鉄道や工事現場だけでなく、地球規模で共通するみたいです。
毒ヘビ、毛虫、熊蜂、毒キノコ。
生物の派手な縞模様やドットの組み合わせが目を引くことにならって、人間界でも使われ出したのは、産業革命以来のことでしょうか。
「気持ち悪い」「怖い」と嫌われる存在だった警戒色が、産業を支える工場や炭鉱、港湾などで車両に使われ、歴史が刻まれていくと、「働き者」「一刻者」というように、それにプラスのイメージを持つ人も増えてきました。
ワークマン女子も、その流れ?
…ではないようです、どうも。
ヤードで黙々と入れ替えに従事する機関車、人知れず専用鉄道で鉱石やオイルなどを運ぶ機関車には、その誇りとして、警戒色を施してやりたいものです。
色々な色遣いがされている自然界と異なり、輸送車両や工場現場で使われる警戒色は、厚生労働省など役所の指定になっているのか伝統的に黄色と黒の縞模様です。
鉄道車両では、斜めに平行線になっている場合もありますが、山型あるいは谷型にセンターで折れ曲げられているのが一般的です。
色についても、黄色については、色調の幅があります。
JNRの指定色では、
◯黄1号。
EH10の帯色、最高速度65km/h以下の貨車に使われています。
鉄道模型用の調合塗料では、写真でみるより幾分、山吹色に近い色になっています。
さらにもっと混ざり気のない黄色に塗られているケースも見受けます。
(私も、今回、35tDLの端梁にクレオスのスプレー塗料、基本色のNo.4イエロー光沢を使いました)
◯黄5号
101系カナリヤ色、事業用直流電車の警戒色。
新幹線のドクターイエローもこの色です。
さて、この警戒色ですが、自分で塗り分けするのは面倒くさいし、きれいに仕上げるには一筋縄ではいきません。
KATOの25tDLのキットに付属の警戒色塗装のテンプレートを使ってみました。
試しに、いらない真鍮板片でテストしたところ、なんとか上手くいきそうな手応えがありました。
※キットの説明書に載っている完成作例写真では黄色が底なる谷型ですが、これだと最初に黒を吹き、テンプレートを載せて、次に黄色を吹くことになります。
この塗り分けは、順番的になんか変なので、どちらが正解とかあまり考えず、本番では逆に黄色の上から黒を乗せるようにしました。
実際に本番でやってみると、案の定、黄色の地に黒の吹き込みがあります。
(マスキングテープで黒ラインを覆い、黄色を吹き直す。こんなこともしましたが、結果は満足できるものではありませんでした)
3度チャレンジして、やる毎により酷くなるので、この方法は諦め、別の方法を考えることにしました。
失敗すると、その都度、端梁の塗装を剥がさなければならないので、そこに、とても徒労感がありました。
それで、まずやってみようと思ったのが塗装ではなく、エコーモデルのデカール利用です。
買ってはみたものの、デカール貼りに自信がありません。
(25tDLテンプレートのものとはパターンも違います。)
それで、キット付属のテンプレートを利用することに立ち帰ってやってみたのが以下の方法です。
端梁を警戒色で塗り分けるのではなく、警戒色に塗り分けた端梁と同サイズの薄板を端梁の上から貼る。
薄板には、0.3mm厚のタミヤのプラ板を使いました。
真鍮板ならば、0.2mm厚もありますが、今回は作業の効率性からプラ板を選びました。
(とにかく、「数うちゃ当たる」で、作りに作ってみました)
気を付けたのは、つぎの3点。
①テンプレートの端に少量の木工ボンドを付けて接地をしっかり行う。
②塗料の吹き込みが生じにくいよう、塗装面にほぼ垂直の方向からスプレー缶を当てる。
③黒の吹き付けは、距離を離して(20cmくらい)吹き付ける。
こうしてやってみると、まあまあ合格点を上げられるものが出来てきました。
何度でもやれるので、直接端梁を塗り分けるよりも全然軽い気分でできます。
出来たものの中から良いものを選んで、端梁の上から、ゴム系ボンドで貼り付けました。
解放テコ受けの孔の合わせには、正確性を要するので、やはり最後まで気は抜けません。
そもそも、初めから、本体とは別途、塗り分けた端梁を後から貼り付ける構造を想定して製作すれば、更にスムーズに、失敗することなく作り上げることができます。
端梁の警戒色塗り分けは、これが本命!と、私は思っています。
部屋の中を見回すと、こんな警戒色にも気がつきました。