藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ -31ページ目

藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

私のテーマは6つあります。
(1)ビジネス書の紹介(2)医療問題 (3)自分ブランド力
(4)名言 (5)ランキング (6)ICT(情報通信技術)
このブログでは、主に(1)~(4)を扱っています。
(5)と(6)はそれぞれ別のタイトルで運営しています。

R&Dも「やってみなはれ」
2015.04.27・05.04

新浪 剛史 (にいなみ・たけし) 氏

[サントリーホールディングス社長]


 メーカーも再編しなきゃいけないですよね。

 飲料なのか、ビールなのかは別として。

 重要なのは、どうしても取引したい、棚に並べなきゃ

 いけないと小売りに思ってもらう商品を作っていく

 ということです。


 R&D(研究開発)を強化するための施設として

 京都府の「けいはんな学研都市」に「サントリーワールド

 リサーチセンター」を5月末にも開設します。

 ここでいろんな試みをしていこうと考えています。

 このセンターが、僕が社長になって初めての

 「やってみなはれ」の大きな舞台になります。


 ここから毎年、あるいは2年に1回は大型の商品を

 出せるようにしたい。


 小売りというのは、お客さんに正直でなきゃいけない

 というのが大前提です。そういう意味では、お客様が

 好む商品を作れば、棚に並べざるを得ない。小売りの

 バイヤーにも商品を理解してもらわなきゃいけないですね。

 新しいものを作ったって、並んでなきゃお客様は絶対買え

 ないわけですから。


 もう一つ重要なのは、新しいカテゴリーで最初の商品を

 出すということ。これはコンビニにいたからこそ、

 よく分かったことですね。同じカテゴリーの1番、2番までは

 いいけれど、3番目以降はダメ、利益が出ないんです。


 メーカーに来て、まだお客さんとの距離があるなと感じ

 ました。今後は、最終ユーザーとより接点を持っていかな

 きゃいけない。そういう話し合いをもっと小売りとしていく

 必要があります。


 現在、第3のビールとして売っている「金麦」も、いずれ

 ビールになる。もっと質を上げなきゃいけない。この価格

 でビールを飲めるならいいなと思ってもらえる、技術的な

 ブレークスルーが必要になります。


 あとはプレミアムという我々の強いところをより強化して

 いく。これは、のんびりやれません。何から何まで変えて

 いかなきゃいけない。サントリーは45年間赤字でもビール

 事業を続けました。


 米ビームサントリー(2014年に買収したビームを社名変更)

 も、中南米、アジアなんかの新興市場をもっと開拓して

 いきます。

 特に、インドやベトナムなど、もともとウイスキー文化がある

 ところにより入り込んでいく。


 新たなM&Aは必ずあります。一方で不必要なブランドを

 売っていくことも求められます。ハードスピリッツ、アルコール

 の世界は、ブランドが非常に重要です。例えば、我々がある

 ブランドを育てて、より収益性の高いモデルにできないん

 だったら、それを売ってほかのブランドを買ってきます。


 (「新浪さんは、プロ経営者としてサントリーの社長に登用

 されました。どんな成果が求められていると考えますか」

 という飯田展久編集長の質問に対して。 以下同様)

 グローバルな競争の中で勝ち抜き、しかも、良さを失わない

 ことです。そして4兆円の売り上げをきちっと目指せる会社に

 することです。


 創業家精神をきちっと、ビームサントリーの社員にも理解

 してもらい、常にそれを基に動く会社にしなければいけない。

 それは上場しいるサントリー食品インターナショナルも同じ

 です。

 私がやっていかなきゃいけないのは、グローバルにもこの

 モデルが通じるようにしていくということで、これは非常に

 チャレンジングなんです。


 (「新浪さんを社長として招いた理由について、佐治信忠会長は、

 「化学反応を起こしてもらいたい」と、話していました。昨年10月に

 社長になってからどんな化学反応を起こしましたか」という質問に

 対して。)

 ビームを買収したことも、化学反応を起こす一環です。

 僕が来たっていうのと併せてね。


 あまりでっかいことは、会長がやったからいいやと。

 僕は、きちんとこれを作り上げることだと思います。

 そういう意味じゃ人が足りないですよね。仕事もできて、言葉も

 できて、ニュアンスが分かる人がいないんですよ、なかなか。
 

  (PP.082-085)




サントリーホールディングス社長 新浪 剛史 氏

サントリーホールディングス社長 新浪 剛史 氏
(『日経ビジネス』 2015.04.27・05.04 号 P.083)
「日経ビジネスDigital」 2015.04.27・05.04






キーワードは、 化学反応 です。


「やってみなはれ」という言葉は、サントリー中興の祖と
言われる、佐治敬三氏の言葉です。


「チャレンジしてみなさい」ということです。
チャレンジして失敗しても、責任は我々経営者が取る
から思い切ってやりなさい、という意思表示です。


サントリーは、ご存じの通り、非上場企業です。
非上場企業ということは、株主の意向を気にせず、
長期的に事業に取り組めるメリットがあります。


もちろん、その逆に、上場企業と比較して、スピード感が
やや遅く感じられる点は否めません。


それでも、経営トップがきちんと現場へ足を運び、現物
見て、現実を判断する、つまり三現主義を徹底できる素地
は揃っている、と考えられます。


短期的利益をあまり考慮しなくても良いからです。
実際、サントリーは長年ビール事業で赤字を出し続けて
きましたが、やめずに継続してビールの新銘柄を出し
続けました。


その結果、「プレミアム・モルツ」という高級ブランドを確立し、
長年の努力が結実しました。


ただ、サントリーも社内外から優良企業として認められ、
安定しチャレンジ精神を失いかけ、大企業病にかかりつつ
あるか、または大企業病にかかっている、と、佐治信忠・
現会長は感じ、危機感を抱いていた、と推測されます。


そこで、ローソンで長年実績を残した新浪剛史氏に白羽の
矢を立て、サントリーホールディングスの社長への就任を
要請した、と私は考えています。


最終消費者との接点を持っていた、サントリーにはいない
「異質」な新浪氏を社長に招聘することで、
社内に「化学反応」を起こすことを狙ったのです。


あえて、社内に化学反応を起こし、揺さぶることで、新しい
モノを生み出そうとしたのです。


新浪氏がやるべきことを自らこう答えています。
「グローバルな競争の中で勝ち抜き、しかも、良さを失わない
ことです。そして4兆円の売り上げをきちっと目指せる会社に
することです」と。


新浪氏は、三菱商事に入社後、米ハーバード大学経営
大学院でMBA(経営学修士)を取得しています。ケーススタディ
を徹底的に行ない、グローバルな視点で物事を考える下地が
できていた、と思います。


余談になりますが、同じく三菱商事出身で、米ハーバード大学
大学院でMBAを取得した人は、元ボストンコンサルティンググル
ープ社長で、現在ドリームインキュベータ会長の堀紘一氏です。


話を戻します。


新浪氏は、最後に本音を少し漏らしました。
「僕は、きちんとこれを作り上げることだと思います。
そういう意味じゃ人が足りないですよね。仕事もできて、
言葉もできて、ニュアンスが分かる人がいないんですよ、
なかなか」と。


飯田編集長は「傍白」でインタビュー後の感想をウイスキー
になぞらえて、味わい深い言葉で述べています。


 サントリーの強みは「エイジング(熟成)」や「ブレンディング

 (調合)」にあると強調していました。ウイスキー作りの言葉

 ですが、経営にも当てはまりそうです。じっくり構えつつ、

 グローバルでさまざまな人材を交ぜていく。

 あとは樽を開けた時に素晴らしいウイスキーができているか

 どうか、です。
 

  (P.085)


最後に、サントリー鳥井・佐治家系図のリンクをご紹介します。

サントリー鳥井・佐治家系図 近現代・系図ワールド から





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ソニーの礎は「ドキドキ」
失敗してこそ人は育つ
萎縮していては明日はない


盛田 昌夫(もりた・まさお)氏
[ソニー・ミュージックエンタテインメント
代表取締役会長]




 ソニーの創業者である盛田昭夫の次男として生まれ、

 もう1人の創業者・井深大と盛田が働く姿を子供の頃

 から見てきました。強烈なリーダーたちの行動の原動力

 を私なりに言うならば、「ドキドキする気持ち」ではないか

 と思っています。

 
 人間は未知のものに実際に触れ、自分で体験した時に

 ドキドキします。井深・盛田はその気持ちを大切にし、

 楽しんでいた人たちでした。

 このドキドキは人から教わるだけでは実感できません。

 自分で行動して初めて分かるものです。そのことを知って

 いる盛田の教育は徹底していて、子供の頃は何も教えて

 くれなかった。「昌夫どう思う?」と言って答えを言わない。

 「自分で考えてみなさい」で終わり。全てがこの調子です。


 おかげで生き延びるために必要な行動力と楽観的な

 考え方を身につけることができたと思っています。
 

 米国のモルガン銀行を経て1981年にソニーに入社しました。

 今日までハード分野を15年間、ソフト分野を15年間やって

 きました。不思議なもので、人生の節目に、技術やサービス

 の革新に直面してきました。

 例えば、ソニー・ミュージックエンタテインメントに来た98年

 には音楽のデジタル配信サービスが出てきました。


 確かにレコードやCDを売るというビジネス自体は減っていく

 かもしれません。が、人が音楽を聴くこと自体は絶対になく

 ならない。アーティストを発掘して育てるという音楽ビジネス

 の基本は変わりません。


 ここで大切なのは、「新しいアイデアがあれば、萎縮せずに

 まずやる」ということです。まず人より先にやる。そうすれば

 失敗しても、2度目の挑戦ができます。

 ただし、部下に「やってみろ」と言うだけでは無責任です。

 挑戦にはリスクが伴います。最近の人たちは頭がいいので、

 やる前にいろいろ考えて失敗しそうだと思うと何もやりま

 せん。トップが責任をとる姿勢をみせることも大切です。


 「ドキドキする気持ち」の楽しさを社員一人一人がもう一度

 実感する。そうすれば、これからも感動を伝えられる企業で

 あり続けられると確信しています。



 
             (2015.04.27・05.04 合併号から) 

 




ソニー・ミュージックエンタテインメント<br />代表取締役会長 盛田 昌夫 氏

ソニー・ミュージックエンタテインメント
代表取締役会長 盛田 昌夫 氏

「日経ビジネス」 2015.04.27・05.04 合併号 P.001
「日経ビジネスDigital」 2015.04.27・05.04 合併号




キーワードは、 ドキドキ感 です。



「盛田の教育は徹底していて、子供の頃は何も教えて
くれなかった。『昌夫どう思う?』と言って答えを言わない。
『自分で考えてみなさい』で終わり」
と盛田昌夫さんは語っています。


私は、こうした教育法が大切だと思っています。
と言いますのは、親あるいは教師が答えを教えると、
刷り込み(ある種の洗脳)が行われるからです。


必ずしも親や教師の答えが正解とは限りません。
日常生活や仕事をする上で、正解が前もって用意されて
いるわけではなく、答えは1つとは限らないからです。


大前研一さんは、その点を自著で指摘しています。
全く同感です。


さらに問題なのは、自分で考えるという、とても重要な
習慣が身につかなくなるからです。


テレビは典型的な二分割思考(精神科医の和田秀樹さん
が著書の中で述べています)です。0か100という考え方
です。0と100の間には1~99まであります。それを無視
する考え方です。あまりに物事を単純化しすぎます。



「ドキドキする気持ち」が大事、とも盛田さんは述べています。
しかも、「ドキドキは人から教わるだけでは実感できません。
自分で行動して初めて分かるものです」と説明しています。


私の造語に、「自調自考自動(自分で調べ、自分で考え、
自ら行動する)」があります。実を言いますと、「自調自考」
は中高一貫教育の進学校、渋谷教育学園幕張の教育方針
です。その「自調自考」に「自動」を加えました。


盛田さんが指摘していることは、まさにこのことです。
そして、父親の昭夫さんは息子の昌夫さんに素晴らしい
教育を施しました。


『日経ビジネス』(2015.04.20 号)の特集は「ソニーが変わ
れぬ10の理由」でした。


<参考>
日経ビジネスの特集記事(104)
 ソニーが変われぬ 10の理由(1)


日経ビジネスの特集記事(104)
 ソニーが変われぬ 10の理由(2)


日経ビジネスの特集記事(104)
 ソニーが変われぬ 10の理由(3)



盛田さんのお話を読んで、社員に「ドキドキする気持ち」
をもう一度実感してほしいという、切実な想いが伝わって
きました。


製品を企画・製造・販売する社員にワクワクドキドキ感が
なければいけないと思うのです。その気持ちがないと、
消費者に想いが伝わってこないばかりか、消費者からも
ワクワクドキドキ感が生まれてきません。購買意欲が湧いて
きません。


ソニーに元気がなくなったように見える根本原因は、
「そこだ」、と考えています。




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『マキアヴェッリ語録』 (02)





『マキアヴェッリ語録』 塩野七生 新潮文庫
平成4年11月25日 発行


目次
第1部 君主編
第2部 国家編
第3部 人間編





マキアヴェッリ(日本ではマキャベリと表現されることが多い)
は『君主論』の著者として知られ、「マキャベリズム」が
人口に膾炙しています。


その思想を端的に表現する言葉は、
「目的は手段を正当化する」
です。


目的のためならどんな手段を講じてもかまわない、と解する
ことが多いですね。


実は、私もこの書を読むまではそのように解釈していました。
言葉を文脈の中で解釈せず、言葉が独り歩きすることの怖さは、
風説の流布でも経験することです。


福島第一原発事故以後、周辺にお住まいの方々は風説の流布
に悩まされ続けています。拡散した誤情報はさらに誤情報を加え、
拡大していきます。容易に訂正されることはありません。



話しを戻しますと、マキアヴェッリの実像はどのようなもので
あったのか、そして「目的は手段を正当化する」と言っている
ことの真意は何だったのか、を知りたいと思いました。


先入観を取り払い、大前研一さんが言う、「オールクリア
(電卓のAC)」にしてマキアヴェッリの説くことに耳を傾ける
ことにしました。


マキアヴェッリは、1469年5月3日にイタリアのフィレンツェで
生まれ、1527年6月21日に没しています。15世紀から16世紀
にかけて活躍した思想家です。500年位前の人です。


ニッコロ・マキャヴェッリの肖像画

ニッコロ・マキャヴェッリの肖像画 Wikipedia から
 


塩野七生(しおの・ななみ)さんは、「まえがき」に代えて
「読者に」で次のように記しています。塩野さんが解説
ではなく、また要約でもなく、「抜粋」にした理由を説明
しています。


尚、10ページ以上にわたる説明からポイントとなる言葉を
「抜粋」しました。




 この『マキアヴェッリ語録』は、マキアヴェッリの思想の

 要約ではありません。抜粋です。

 なぜ、私が、完訳ではなく、かといって要約でもなく、

 ましてや解説でもない、抜粋という手段を選んだのかを

 御説明したいと思います。

 第一の理由は、次のことです。

 彼が、作品を遺したということです。


 マキアヴェッリにとって、書くということは、生の証[あか]し、

 であったのです。


 マキアヴェッリは、単なる素材ではない。作品を遺した

 思想家です。つまり、彼にとっての「生の証し」は、今日

 まで残り、しかもただ残っただけではなく、古典という、

 現代でも価値をもちつづけているとされる作品の作者でも

 あるのです。生涯を追うだけで済まされては、当の彼自身

 からして、釈然としないにちがいありません。


 抜粋という方法を選んだのには、「紆曲」どころではない

 マキアヴェッリの文体が与えてくれる快感も、味わって

 ほしいという私の願いもあるのです。そして、エッセンスの

 抜粋ならば、「証例冗漫」とだけは、絶対に言われない

 でしょう。


 しかし、彼の「生の声」をお聴かせすることに成功した

 としても、それだけでは、私の目的は完全に達成された

 とはいえないのです。マキアヴェッリ自身、実際に役に立つ

 ものを書くのが自分の目的だ、と言っています。 

 

  (前掲書 「読者に」から PP.3-5、14)





お待たせしました。マキアヴェッリの名言をご紹介します。


第1部 君主編



 国を守るためには、信義にはずれる行為でも

 やらねばならない場合もあるし、慈悲の心も

 捨てねばならないときもある。人間性をわきに

 寄せ、信心深さも忘れる必要に迫られる場合

 が多いものだ。

 だからこそ、君主には、運命の風向きと事態の

 変化に応じて、それに適した対応の仕方が求め

 られるのである。また、できれば良き徳から

 はずれないようにしながら、必要とあらば、

 悪徳をも行うことを避けてはならないのである。


                    ―― 『君主論』 ――

                              (P.68)


         (004-1-0-000-481)
 



 


 成功を収めるには2つの方法があるということだ。

 第1の方法は法律であり、第2の方法は力である。

 第1の方法は、人間のものであり、第2の方法は、

 野獣のものである。

 しかし第1の方法だけでは多くの場合充分でない

 のが現実だから、第2の方法の助けを借りるほうが

 有効であることを知っておく必要がある。

 要するに君主は、人間的なものと野獣的なものを

 使い分ける能力をもっていなければならない、

 ということになる。


                    ―― 『君主論』 ――

                              (P.70)
           
                             
          (005-1-0-000-482)
 






 善人としての評判を得ていた人物が、目的達成の

 ために悪を為さざるをえなくなったときは、

 普通ならば、少しずつ人の注意をひかないように

 しながら、やり方を変えていくほうがよい。

 だが、もしも好機が訪れれば、一朝にして変わる

 ほうが有効だ。

 なぜなら、変容があまりにも急なものだから、

 以前のやり方で得ていた支持者を失うより先に、

 新しい支持者を獲得することができるからである。

 これを守らない場合、あなたの真意は人の知る

 ところとなり、ために以前の支持者すらも失った

 あげく、破滅に向かって突進することになるわけだ。


                    ―― 『政略論』 ――

                              (P.72)
                              

          (006-1-0-000-483)
 








『マキアヴェッリ語録』を読むと、500年前の人物が
語ったとはとても思えません。


マキアヴェッリは実在するかのように、現代の君主
(リーダー)のあり方を率直に語っているように感じ
ます。


キレイ事だけでは、人を取りまとめ、多くの人を守り、
より良き方向へ導く(リード)ことはできないという
ことです。


八方美人は君主(リーダー)にはなれないのです。
すべての人に好かれることなど不可能です。
それどころか、信用されません。


好かれることばかりを気にかけ、嫌われることを
恐れている人は、リーダーに不向きです。


考え方に一貫性がなく、コロコロ変わってしまうから
です。そんな人物を信用、信頼できますか?


「悪者」になりきらなければならない時が必ず、
あります。




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『サラリーマン再起動マニュアル』(39)


大前研一さんは、私にとってメンターでもあり、
グールー(思想的指導者)の存在でもあります。


大前さんの著作を読んでいつも感じるのは、
物事の本質を捉えるずば抜けた能力です。


凡人である私は大前さんの足元にも及びませんが、
不断の努力を怠らず、一歩でも彼に近づきたい、
と思っています。




サラリーマン再起動マニュアル
2008年10月4日 初版第1刷発行 小学館
ISBN978-4-09-379454-1









目次
 [イントロダクション]志のあるサラリーマンは、
            きつい仕事を厭わない

 第1章[現状認識]なぜ今「再起動」が必要か?

 第2章[基礎編]「再起動」のための準備運動

 第3章[実践編]「中年総合力」を身につける

 第4章[事業分析編]“新大陸エクセレントカンパニー”の条件

 第5章[メディア編]「ウェブ2.0」時代のシー・チェンジ

 [エピローグ]新大陸の“メシの種”はここにある




第4章[事業分析編]“新大陸エクセレントカンパニー”の条件



 
 グーグルが登場して世界は一変した。

 暗記で詰め込むだけの勉強、答えがわかっていること

 を覚えるだけの勉強では価値が出てこない。

 今や携帯から親指一発で何でもわかるし、

 義務教育で覚えるすべてのことは100円のチップの

 中に入ってしまう。ビジネス新大陸では、

 東大の教授でも答えがわからない領域の世界にしか、

 金儲けのチャンスはない。



  
                      (今日の名言 39  486)





大前さんが他著でも書いていることですが、
新大陸においては、前もって答えが用意されて
いなかったり、複数の解があり、自らの頭を
使って解決しなければならない、ということです。


知識があれば、記憶力があれば通用するという
時代ではない、とも言えます。


日本の教育制度を根幹から変えなくてはならない、
厳しい時代が到来しているのかもしれません。


しかし、現実にはなかなか変えることは難しい
だろう、と考えています。


よく言われることですが、「日本は外圧に弱い」
という特徴があるからです。外圧(諸外国、特に
米国)には弱いけれども、「国内での変革せよ」
との声を抑えこむことは得意だからです。



そうした意味で、現在進行中のTPP(環太平洋
経済連携協定あるいは環太平洋パートナーシップ
協定)への参加は、日本をがらりと変えてしまう
ほどのパワーを持つ議題だ、と思っています。








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<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の
概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>



日経ビジネスの特集記事(104)

ソニーが変われぬ 10の理由
2015.04.20


今週の特集記事のテーマは

戦後間もなく発足し、日本経済をリードしてきたソニーが
苦しみ続けている。
バブル崩壊後に陥った負のスパイラルから抜け出せず、
世界で圧倒的なブランド力を築いてきた面影はもはやない。
ソニーはどうすべきだったのか。そしてこれから何を
すべきなのか。

 (『日経ビジネス』 2015.04.20 号 P.026)

ということです。




ソニーが変われぬ 10の理由

ソニーが変われぬ 10の理由

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 表紙)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 PP.026-027)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号




今週の特集記事をご紹介する前に、
ソニーとともに、戦後生まれの日本を代表する企業、
ホンダについて少し触れます。


ソニー病を患っているのではないかという趣旨の特集
が、今年3月に『日経ビジネス』に掲載されました。


詳細は、

日経ビジネスの特集記事(99)
こんなホンダは要らない 抜け出せ「ミニトヨタ」(1)


日経ビジネスの特集記事(99) 
こんなホンダは要らない 抜け出せ「ミニトヨタ」(2)


日経ビジネスの特集記事(99) 
こんなホンダは要らない 抜け出せ「ミニトヨタ」(3)


に譲りますが、ホンダとソニーを語るうえで重要な
ポイントが2つの特集記事に書かれています。


ホンダとソニーの記事を読んだ限り、ソニーの問題
の方が深刻さが増幅していると感じました。





第1回は、
「Prologue 業績の回復の兆しも・・・
 元CFOの反乱が映す『遠き復活』」
を取り上げました。


第2回は、
「PART 1 OB60人が語る『20年の迷走』
 だから私はソニーを見限った」
を取り上げました。


最終回は、
「PART 3 悪循環を断つ唯一の方法
 まずは『普通の会社』になる」
「Epilogue 平井改革の行き着く先
 大人になったアップル 少年のまま抗[あがら]うソニー」
をご紹介します。


今週の特集で、PART 2に平井一夫社長兼CEOが
編集長インタビューに登場していますので、
詳細は

日経ビジネスのインタビュー(168) 
技術軽視していない 成果は出始めている


をご覧ください。




今特集のキーワードは次の5つです。

 反乱 
 迷走 
 普通の会社 
 自前主義の返上 
 ソニースピリッツ 




では、本題に入りましょう!


 PART 3 悪循環を断つ唯一の方法
 まずは「普通の会社」になる 



PART 1 で、OBの方々が「怒り心頭に達した」
気持ちを、異口同音に語っていました。


PART 3 では、赤字会社からまず黒字に転換し、
「普通の会社」になることが先決である、
と『日経ビジネス』は説いています。


前回も書きましたが、2015年3月期(2014年度)の
最終損益は1700億円という巨額赤字の見通しです。


2015年度以降、最終損益を黒字転換するための手を
矢継ぎ早に打っているのかどうか、がポイントになります。



「2015年1月、米ラスベガスで開催された家電見本市
『コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)』」
(P.041)で見慣れない光景に遭遇したそうです。



 CESの中心であるラスベガスコンベンションセンター

 からシャトルバスで10分程度離れた別会場。

 無名のスタートアップ企業のブースが所狭しと並ぶ

 エリア「Eureka PARK」に、「MESH」と呼ばれる製品

 が展示されていた。


 実は、MESHはソニーが事業化を進めている商品。

 だが、ブースには「SONY」のロゴは入っておらず、

 一見するだけではソニーが関係しているとまず分から

 ない。

 「SONYというロゴを出すと、それだけで来場者が“

 とんでもない先進的な製品”じゃないかと期待する

 でしょう。そうではなくて、製品そのもののコンセプトや

 機能の魅力で、どこまで来場者に興味を持ってもらえるか、

 ニーズを把握したかった」。ブースで説明を担当していた

 プロジェクトメンバーはこう話す。
 

  (P.041)



あえてSONYのロゴを出さず、製品のコンセプトや機能の
魅力で顧客にアピールできるか「実験」したのです。


そもそも「MESH」とは何なのか、ということになります。



 簡単に言うと、MESHは電子ブロックだ。LEDライト、

 モーションセンサー、マイクなど様々な機能を持つ

 ブロックがあり、それらをつなぎ合わせて遊ぶ。

 ブロック間の機能はBluetoothでつながり、組み合わ

 せることで様々な物を自作できる。
 

  (P.041)



MESHはどの部署が担当しているのかと言いますと、
「2014年4月に発足した新規事業創出部」だそうです。


小さく産んで大きく育てるという戦略なのでしょうか?
それともリスクを最小限に抑えるため、「実験」して
いるのでしょうか?


個人的には、あまり大きなマーケットは期待できない
と思っていますが。いずれにせよ、SONYを全面に
出せない事情があることは理解出来ます。


新規事業創出部については、次のような説明がつい
ています。



 生活をひっくり返すまでにはいかなくても、

 驚かすぐらいの物は作りたい。そんな思いから、

 過去にソニーが立ち上げた新規事業創出のための

 組織にはない工夫を取り入れた。

 一つは開発のオープン化だ。オーディションの

 審査員には、ソニー関係者だけでなく、投資家や

 起業家などの外部の目を入れている。事業化に

 当たっても、ソニー本体に閉じず、事業部や子会社、

 他社との合弁、ソニーとは関係なく完全に独立、

 といった複数のパターンも想定している。
 

  (P.041)



インキュベーター(孵化器)のような機能をもたせている
のかもしれません。



従来と異なる点は、「事業化に際しては何でも自分たちで
手がけるようにした」(P.042)ことでしょう。
つまり、アイデアだけ出し、モノづくりをしないという、
丸投げは決してしないということです。



 事業化に際しては何でも自分たちで手がけるようにした。

 生産材が余った場合はどこかへ売って無駄にしない工夫

 など、細かなことまでやる。一から事業を立ち上げる経験

 を積むためだ。
 

  (P.042)



しばらく前までは「ちょっとでも意外性のある物を作れば
『採算は合うのか』の一言が飛んできた」環境と比較すれば、
前進といえるかもしれません。



 「ちょっとでも意外性のある物を作れば『採算は合うのか』

 の一言が飛んできた。それに対して、新規事業創出部は、

 エンジニアの意欲を刺激する仕組みになっている」とある

 技術系社員は話す。
 

  (P.042)



冒険することができなくなっていたと言えます。
チャレンジ精神が失われたのは必然です。



 巨額投資をして世の中を揺るがす商品を作るのは

 難易度が高くリスクもあり、現実問題としてもうできない。

 だからといって無難な商品ばかりでは利益は生まれない。

 ならばできる範囲で新しい商品を作っていく──。

 そんな普通の開発体制にいったん舵を切り始めたソニー。
 

  (P.042)



ソニーの名前から連想するものは何ですか?
古いものから言えば、ウォークマン、カセットデンスケ、
PS(プレイステーション)、デジカメ一眼レフ α・・・


ソニーの屋台骨を支えている事業は、エレキ
(エレクトロニクス)ではありません。金融です。
大きな利益をあげているセグメントは金融です。
ソニー銀行やソニー生命、ソニー損保です。


次の図をご覧ください。
あなたの予想を裏切ったのではないでしょうか?




エレキ分野で赤字が続いた一方、
映画と音楽、金融は安定的に黒字を維持
・ソニーのセグメント別の連結営業利益

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 P.043)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号



一目瞭然ですね。
「金融とエンタメはエレキを救う」という記事を
ご紹介しましょう。



 「生保と損保、銀行、いずれも売上高と利益で、

 2014年度は創業以来の最高の業績。足元では

 極めて好調」。

 ソニーフィナンシャルホールディングス社長の

 井原勝美氏は胸を張る。


 今や事業セグメント別で圧倒的な収益性を誇る

 のが金融事業。「ソニーグループの他の事業と

 バリューチェーンは異なるのは確か。

 だが、既存の金融機関とは異なるビジネスモデル

 や金融商品の開発で差別化し成長しており、

 この挑戦心はソニーのDNAそのもの」と井原氏は

 話す。


 「金融とエンタメは、いつか必ずエレキを救うと

 盛田さんは言っていた」と話すのは、50代の

 元ソニー社員。ここ数年は実際、その通りになった。
 

  (P.043)



「金融とエンタメはエレキを救う」という現状に、OBの
多くが批判的です。一番の理由は「ソニーらしさ」が
喪失したからだ、と考えています。



 PART1に登場したOBの多くは外販ビジネスの

 強化に対し「SONYの4文字がない商品を事業の

 柱にするのはおかしい。ソニーらしい最終製品を

 作るためのデバイス事業だったはず」と批判的だ。
 

  (P.043)



最近のソニーを見て感じることは、イメージセンサー
技術に特化してスマホやデジカメに導入していること
です。


前回紹介しましたが、Xperia Z4 が発売されました。
「カメラ携帯」というコンセプトを前面に出しています。
果たして、期待通りの成果を収めるでしょうか。



 2014年度決算見込みで、デジカメを含むイメージング

 製品部門の営業利益は、減収にもかかわらず前年比

 約2倍の530億円となっている。
 

  (P.044)



注目される点は、「自前主義の返上」です。
「共創」するようになったことは大きな前進だ、と考えて
います。


私が知るかぎりでは、「共創」という言葉を最初に使った
のは、シャープの元副社長、佐々木正さんです。
日本企業が弱くなったのは、自前ですべてまかない、
「共創」しないからだ、という内容の話をしたことがあります。


シャープは、三洋電機のように解体されるのではないか、
という瀬戸際に立っています。




ソニーは音楽配信サービスで動きました。



 音楽配信でも、「自前のサービスでは競争力を

 維持できない」(ソニー・コンピュータエンタテイン

 メント社長のアンドリュー・ハウス氏)と判断するや、

 音楽ストリーミングの新興企業、スウェーデンの

 スポティファイと提携を決断。自前の音楽配信

 サービスは終了し、PSからスポティファイのサービス

 を利用する形に切り替えた。

 
 売れる商品を作るには競争でなく“共創”が必要

 なのは今や世界中の企業での常識だ。

 ソニーは確かに、いったん「普通の会社」に向かい

 つつある。
 

  (P.044)



クラウド技術を使い、プレイステーションに<br />テレビ放送を配信する新サービス<br />「PlayStation Vue」

クラウド技術を使い、プレイステーションに
テレビ放送を配信する新サービス
「PlayStation Vue」

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 P.044)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号






 Epilogue 平井改革の行き着く先
 大人になったアップル 少年のまま抗[あがら]うソニー 



人間も企業も生き物です。
共通点は寿命です。
永遠に生き続けることはできません。

誕生 → 成長期 → 成熟期 → 衰退

遅かれ早かれ、この流れに乗り、一生を全うします。
流れに逆らうことはできません。 


ソニーの創業は1946年5月7日(『ソニー自叙伝』から
P.26)です。まもなく、古希を迎えます。


ソニーも、もはや若い会社ではありません。



 人間と同じように企業も年を重ねる。日経ビジネスは

 1983年、企業の寿命は30年であると提言。

 2013年には、競争環境の変化で寿命は18年まで

 短縮していると訴えた。ソニー本体の社員平均年齢は

 既に42歳を超え、会社設立から69年も経過している。
 

  (P.046)



ソニーの今後の戦い方について、早稲田大学ビジネス
スクール准教授の入山章栄氏は次のように指摘して
います。



 「人間も企業も、いつまでも少年のままの戦い方で

 勝ち続けられるわけはない。ある時点から、大人の

 戦い方に変えていく必要がある」。
 

  (P.046)



次のような指摘をする人もいます。



 経営共創基盤のCEOである冨山和彦氏も、

 「ソニーはもうすぐ古希。値崩れが激しく一気に

 シェアが変動するハイリスクハイリターンの事業

 からは距離を置き、長年の技術とノウハウの蓄積

 で差別化できる事業に軸足を移す必要があった」

 と指摘する。
 

  (P.046)



ソニーの方向転換に対して、『日経ビジネス』は
間違っていないと述べています。



 賛否両論はあろうが、年齢に応じた戦い方に

 切り替えて企業の寿命を延ばすという観点に

 立てば、ここまでの選択は間違っていない。
 

  (P.047)



「問題はむしろ、ここから先にある」(P.047)、
と『日経ビジネス』は指摘しています。



 当面は「映画」「音楽」「ゲーム・ネットサービス」

 「デバイス」の4分野で安定した収益を得る。

 だが体制が整えば、再び「人々を感動させ、

 わくわくさせる感性価値の高いエレキ製品」を

 開発し、井深、盛田の遺志を引き継ぐ。

 ずっと「普通の会社」のままでいるつもりはない──。

 これがソニーが中長期的に描く理想だ。

 だが、そんなことが可能なのだろうか。

 少なくとも世界を見渡しても、大企業にそうした

 芸当を成し遂げた例はない。欧米の大手企業は

 自身の成長と市場の変化に合わせて、事業や

 戦略を完全に切り替えている。
 

  (P.047)



今後のソニーには2つの選択肢があります。
「普通の会社で生き続けること」と「創業時のソニー
に戻ること」です。


どちらも容易ではない、というのが『日経ビジネス』
の結論です。



 仮に平井改革が成功し、普通の会社になった後、

 ソニーが進む道は2つある。一つは、そのまま普通

 の会社として生き続けること。もう一つは、再び往年

 の革新力を回復し、創業時の「あの頃のソニー」に

 戻ることだ。

 OBも現役社員も、平井氏も後者の未来を望んでいる。

 だが、「体と年齢が大人なのに心は少年のままで

 い続けることは、人も企業も難しい」と冨山氏は話す。

 平井改革の行きつく先には、誰も越えたことがない

 壁が待ち受ける。
 

  (P.047)






腕相撲に興じる、ソニー創業者の井深大氏(右)と、
盛田昭夫氏(左)。1961年当時の写真

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 P.047)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号






特集記事のタイトルになっている
「ソニーが変われぬ10の理由」
をもう一度ご覧ください。



ソニーが変われぬ<br />10の理由

ソニーが変われぬ 10の理由

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 P.034)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号




ソニーも創業時はベンチャーだったのです。
この事実をもう一度、思い出してみることが不可欠です。



最後に、ソニー広報部が著した、

『ソニー自叙伝』
(ソニー広報部 ワック 2001年7月5日 初版発行)


盛田昭夫さんが著した、

『21世紀へ』
(盛田昭夫 ワック 2000年11月21日 初版発行)


立石泰則さんが著した、

『井深大とソニースピリッツ』
(立石泰則 日本経済新聞社 1998年3月25日 第1刷)

から引用します。






 「大きな会社と同じことをやったのでは、われわれは

 かなわない。しかし、技術の隙間はいくらでもある。

 われわれは大会社ではできないことをやり、技術の

 力で祖国復興に役立とう」

 資本金はわずか19万円。機械設備とてない。だが、

 お金や器械はなくても、自分たちには頭脳と技術が

 ある。これを使えば何でもできる。だがせっかくの頭脳

 も技術も、人の真似や他社の追従に使っていては道

 は開けない。何とかして人のやらないことをやろう。

 このときすでに、東京通信工業の進むべき道は決まっ

 ていたのである。
 

  (『ソニー自叙伝』 PP.26-27)





 私は常に、ショートサイトで判断し今年だけ儲かれば

 よい、というような商売はしない。誰からも評価される

 正当な経営を続け、信用を高めることが、ソニーの

 最大の社会的責任であり、またソニーの経営の根本

 原則であると確信している。
 

  (『21世紀へ』 P.137)





 私共の電子工業では常に新しいことを、どう製品に

 結び付けていくかということが、一つの大きな仕事

 であり、常に変化していくものを追いかけていくと

 いうのは、当たり前である。決まった仕事を、決まっ

 たようにやるということは、時代遅れと考えなくては

 ならない。ゼロから出発して、産業と成りうるものが、

 いくらでも転がっているのだ。これはつまり商品化に

 対するモルモット精神を上手に生かしていけば、

 いくらでも新しい仕事ができてくるということだ。
 

  (『井深大とソニースピリッツ』 P.11)





今特集のキーワードを確認しておきましょう。

 反乱 
 迷走 
 普通の会社 
 自前主義の返上 
 ソニースピリッツ 



ソニーの動向に今後も注目し続けます。





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