藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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(5)と(6)はそれぞれ別のタイトルで運営しています。


テーマ:
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の
概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>



日経ビジネスの特集記事(99)

こんなホンダは要らない
抜け出せ「ミニトヨタ」

2015.03.16


今週の特集記事のテーマは

相次ぐリコールに、タカタ製エアバッグの品質問題。
自動車各社が好業績を謳歌する中、ホンダは業績下方修正
に追い込まれた。
2009年に就任した伊東孝紳社長は拡大路線を突き進み、
その過程で急成長のゆがみが露呈した。
品質問題は氷山の一角にすぎない。
真の問題は、消費者を驚かせるような斬新な商品や技術が
出てこなくなったことだ。
本誌調査では、ホンダの革新的なイメージは
トヨタ自動車はおろかマツダや富士重工業より低かった。
このままでは「こんなホンダは要らない」と消費者にそっぽを
向かれてしまう。
今年6月に退任する伊東社長は自らの失敗を率直に認めた。
バトンを引き継ぐ八郷隆弘・次期社長は、集団指導体制で
再起を図る。
同質化から抜け出そうとするホンダの苦闘に迫った
 (『日経ビジネス』 2015.03.16 号 P.026)

ということです。




こんなホンダは要らない 抜け出せ「ミニトヨタ」 2015.03.16

こんなホンダは要らない
抜け出せ「ミニトヨタ」
2015.03.16

(『日経ビジネス』 2015.03.16 号 表紙)




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.03.16 号 PP.026-027)





今特集では、『日経ビジネス』特集班がホンダに対して
相当厳しい見方をしています。
その態度は、批判するというよりも、むしろ叱咤激励と
解釈するべきです。


『日経ビジネス』特集班も、ホンダに復活してほしい、
と望んでいる様子が行間から滲み出ていました。


私も個人的に同感です。ホンダやソニーが元気に
ならなければ、他社に取って代わられるだけだからです。
伝統も実績もある2社が半分透明化して、消えかかって
いくことに耐え切れない人たちは多くいるはずです。


あなたは、日本からホンダやソニーが消えてなくなっても
何とも感じませんか?



今特集は、全3回でお伝えしていきます。


第1回は、
「Prologue 『革新』はどこに消えた」
「PART 1 最後に語った自負と悔恨
数値目標、言ったオレも悪い」
を取り上げます。


第2回は、
「PART 2 悪夢の1年半
『チーム八郷』でホンダ作り直し」
を取り上げます。


最終回は、
「PART 3 端こそ生きる道
市場は自ら作るもの」
「Epilogue ソニーの轍を踏むな
未来のために破るべき不文律」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

 革新の喪失 
 リコール 
 キーマン 
 市場は自ら作るもの 
 ソニー病 




では、本題に入りましょう!


 Prologue 「革新」はどこに消えた 

戦後生まれの日本を代表する企業といえば、
ソニーとホンダであることに異論はないでしょう。


現在、この2社はもがき苦しんでいます。
ヒット商品を生み出せず、2社の特長であった
革新性も失われています。


『日経ビジネス』特集班は、そんなホンダに焦点を当て、
特集記事を組みました。


ホンダの復活はあるのでしょうか?
ソニーを他山の石として、思い切った改革が望まれます。



日経ビジネスオンラインの読者(私も読者です)を対象に
「革新的な自動車メーカーはどこか」と尋ねてみたそうです。
その結果は――。



 1位のトヨタ自動車に及ばないのは、事前に想像が

 ついた。HV(ハイブリッド車)を普及させ、FCV(燃料

 電池車)「ミライ」の市販も始まった。圧倒的な収益力や、

 レーサーも務める社長の豊田章男の言動にも注目が

 集まる。外国人副社長や女性役員が誕生するなど

 話題性も抜きん出ている。

 ホンダはその次にもなかった。2位はマツダ、3位は

 富士重工業(スバル)。日本でクリーンディーゼル

 エンジンを普及させるなど、「スカイアクティブ」技術を

 搭載したマツダの新車はどれも話題になる。スバルも、

 「アイサイト」で自動ブレーキの先駆者としての地位を

 確立し、一気に存在感を高めた。それでも、ホンダが

 この2社の後塵を拝するとは、少し前には考えられな

 かったことだ。
 

  (P.028)



順位もさることながら、「その内容が深刻だ」(P.028)
と『日経ビジネス』特集班は指摘しています。
どんな内容なのでしょうか? 驚くべきことでした。



 ホンダの持つ「革新的」なブランドイメージについて、

 回答者の36%が「弱くなっている」とした。この比率は

 日系自動車メーカーの中で最も多い。

 その理由として、「革新的な製品が出ていない」(59%)

 が最も多く、「先進的な技術が出ていない」(54%)が

 それに次ぐ。
 

  (P.028)


一言で言えば、ホンダの個性の喪失です。
ホンダの強みが失われたということです。


さらにリコールが追い打ちをかけ、そうした複合的
要因が重なり、業績を低下させています。
「一人負け」(P.029)となったのです。




 2015年3月期、円安により自動車各社で過去

 最高益の更新が相次ぐ中、品質問題の対応や

 販売不振により業績下方修正を迫られたホンダ

 は一人負けとなる。
 

  (P.029)



深刻な危機は別のところにあります。



 ホンダならではの個性を失い、「ミニトヨタ」と化し

 つつある現実。このままでは、消費者が「こんな

 ホンダは要らない」とそっぽを向いてしまうだろう。

 それこそが、品質問題よりもさらに深刻な真の危機

 だろう。
 

  (P.029)



PART1では、6月に社長を退任する伊東孝紳(いとう・
たかのぶ)氏が、在任中の出来事を総括しています。
ホンダの現状に対する責任を認めた発言がありました。





 PART 1 最後に語った自負と悔恨
数値目標、言ったオレも悪い 



ホンダ社長 伊東 孝紳(いとう・たかのぶ) 氏

ホンダ社長 伊東 孝紳(いとう・たかのぶ) 氏

(『日経ビジネス』 2015.03.16 号 P.030)




伊東さんの発言部分は太字で示しました。



 ホンダ本社7階の役員フロア。インタビュー室に

 現れた伊東孝紳は開口一番、こんな発言を口にした。

 「被告席みたいだ」

 写真撮影のためテーブルの端に1つだけポツンと

 置かれた椅子を見て、ジョークを飛ばしたつもりだった

 のだろう。ただ、自らを「被告」と見立ててしまうところに、

 今のホンダが置かれた状況が端的に表れている。
 

  (P.031)



円安効果によって、自動車メーカーは軒並み最高益を
記録しました。ホンダだけ利益の下方修正を余儀なく
されました。



次の発言は、「世界同時不況の真っただ中にあった
2009年6月、前任の福井威夫氏から社長を継いだ
伊東氏が当時を振り返」(P.031)った時のものです。



 これは単なる不況ではなくて、世界経済の秩序が

 変わった時期だと僕は解釈した。それよりも前の

 自動車産業は先進国主導型、ホンダで言うと

 日米主導型で動いていて、結構売り上げも立って

 いた。

 ところが、世界同時不況で先進国の経済ルールが

 少しおかしくなって、相対的に言うと新興国が自ら

 主張する時代に変わったと認識した。
 

  (P.031)



そこで、伊東さんは世界市場を6つに分けます。



 これまで日本と北米に依存していた事業構造を

 改め、世界を6極(日本、中国、アジア、北米、

 南米、欧州)に分けて、それぞれの地域で市場

 ニーズに合った商品を迅速に投入できる体制に

 転換しようとした。
 

  (P.031)



そして、見かけ上は成果を上げてきました。
その間に、重大な問題は水面下に深く、静かに沈み
こんでいきました。重大な問題に誰も目を向けなく
なっていたのです。



 社長に就任した2009年度からの6年間で、伊東は

 ホンダの連結売上高を5割伸ばし、営業利益と

 純利益はそれぞれ2倍に高めた。

 
 その後も1ドル=80円を切る超円高や電力不足が

 続いたが、伊東が率いるホンダは粘り強く切り

 抜けた。
 

  (P.031)



拡大路線をひた走ってきた<br />・ホンダの世界販売台数推移

拡大路線をひた走ってきた
・ホンダの世界販売台数推移

(『日経ビジネス』 2015.03.16 号 P.031)




スピードの早さが、いろいろなところにひずみを
生み出しました。



『日経ビジネス』特集班が指摘するように、
「潮目が変わる出来事が起きた」(P.031)のです。


それは、伊東さんの「ある一言」でした。
真意とは異なっていました。ある一言が独り歩き
してしまったのです。



 2012年9月21日、伊東は2016年度までの中期経営

 計画を発表した。その中で「先進国での事業の

 盤石化と新興国での飛躍的な成長により、全世界で

 600万台以上の販売を目指します」と言い切った。
 

  (P.031)



「600万台」という数字が、社内外で独り歩きしたのです。




 数値目標ではないと最初から言ったのにもかか

 わらず、世間には間違って伝わってしまった。

 我々は世界6極で、それぞれの夢を語ろうとずっと

 言ってきた。そのためには、これぐらいの時に、

 これぐらいのシェアで認知度を高め、これぐらいの

 お客様の信頼を得て活動したいという夢を足すと、

 たまたまあの時点で600万台だったということなんです。
 

  (P.032)



ただ、社内では夢とは捉えられませんでした。
目標数値として捉えられたのです。
何としても達成しなくては、という空気が出来上がった
のです。ですが、実現可能な数字とは言えません
でした。



 伊東は「夢」を語ったつもりだったが、周囲はそう受け

 止めなかった。最も影響を受けたのは、ホンダ社内

 だった。中計を発表する直前の世界販売台数は

 248万台(2011年度)。それをわずか5年の間に2.4倍

 にしようという野心的な夢が突然上から降ってきたのだ。

 チャレンジ精神は今もホンダの社内に脈々と受け継が

 れてはいるが、大きすぎる夢に現場は当惑したに違い

 ない。
 

  (P.032)




利益ではリーマン前の水準に回復せず

利益ではリーマン前の水準に回復せず

(『日経ビジネス』 2015.03.16 号 P.032)




「ホンダは今年度、国内販売台数の目標を過去最高の
103万台に設定していたが、当初から『無理筋』という
声が社内からも上がっていた」(PP.032-033)そうです。


結果は惨憺たるものでした。




 結局、消費増税の反動減と度重なるリコールに

 よって国内販売は伸び悩み、2度の下方修正を

 経て販売計画は前年度割れの82.5万台になった。

 外部のサプライヤーや販売店はそのたびごとに

 振り回された。

 600万台という数値目標が独り歩きした結果、

 様々な弊害が出た。こうした本誌の指摘を、

 伊東は「言ったオレが悪い」と素直に認めた。
 

  (P.033)



伊東さんはこのように語っています。



 やっぱり、ホンダらしいと思っていただけるような

 商品や技術、商売のマネジメントができている

 かというと、そこはちょっと弱いかもしれない。
 

  (P.033)



さらに、ブランドイメージがぼやけてきているとの
認識もしています。



 やらなきゃいけないのはユーザーに分かりやすい

 ブランドイメージを打ち出すこと。それをどうやって

 こなしていくかというのは大きなテーマになって

 います。
 

  (P.034)



セクショナリズムが社内で拡大した感も否めません。
新しいクルマを作るために、クルマのパーツごとに
縦割り組織となり、壁ができてしまったのです。


その辺りの件について、伊東さんは具体的に語って
います。



 エンジン、トランスミッション、それからクルマ

 全体のシャシーとあらゆる制御がスムーズに

 連続的に行われなきゃいけない。

 それがエンジンはエンジンの制御ブロック、

 トランスミッションはトランスミッションの制御

 ブロックと、開発する組織が分かれてしまって

 いた。

 反省を踏まえ、クルマという軸で全部をマネジ

 メントする開発体制をつくらなければダメだと

 思う。今年4月からその壁をなくす。制御において

 壁はあっちゃいけない。

 
 もともとホンダは「三現主義」、現場・現物・現実

 でやろうと言ってきたんだけれども、組織が大きく

 なって、階層が増えると理想通りとはならない。

 でも開発計画はトップで決まったものが現場に

 下りてくる。現場からのフィードバックを受け止める

 体制が弱かったと思うんですよね。
 

  (P.034)


ホンダは、知らず知らずのうちに、大企業病に罹って
いたのですね。自分の部署のことにしか関心がなくなり、
全体最適を考えず、部分最適に終始するようになって
いたのでしょう。


「茹でガエル現象」とも言えます。


 茹でガエル(ゆでガエル)、茹でガエル現象

 (ゆでガエルげんしょう)、茹でガエルの法則

 (ゆでガエルのほうそく)とは、ビジネス環境の

 変化に対応する事の重要性、困難性を指摘

 するために用いられる警句のひとつ。

 『2匹のカエルを用意し、一方は熱湯に入れ、

 もう一方は緩やかに昇温する冷水に入れる。

 すると、前者は直ちに飛び跳ね脱出・生存する

 のに対し、後者は水温の上昇を知覚できずに

 死亡する』

 およそ人間は環境適応能力を持つがゆえに、

 暫時的な変化は万一それが致命的なもので

 あっても、受け入れてしまう傾向が見られる。

 例えば業績悪化が危機的レベルに迫りつつ

 あるにもかかわらず、低すぎる営業目標達成を

 祝す経営幹部や、敗色濃厚にもかかわらず、

 なお好戦的な軍上層部など。
 

 (茹でガエル現象 Wikipedia から)




台当り利益でも他社に引き離された

台当り利益でも他社に引き離された

(『日経ビジネス』 2015.03.16 号 P.034)




伊東さんは、ホンダらしさについて語っています。
「提案力の強さ」にあると言っています。




 提案性の強さだと思う。ベーシックなところでは

 お客様に喜びを提供したいという思いがある。

 この喜びは、普通のものを普通に出していたんじゃ

 ダメだというのが原点にあって、今まで世の中に

 ないものや、あったとしても皆の想像を上回るもの

 を出す。一般的な期待よりもっと超えたところに

 挑戦していく。それが時々はヒットするけれど、

 外れることもある。そういうことをしていくことが

 ホンダらしさだ。
 

  (P.035)


伊東さんが指摘したことは忘れられていたものでしょう。
ただ、伊東さんが引き続きトップでホンダを牽引していく
ものと思われましたが、
「このインタビューから4日後、伊東は今年6月に社長を
退任すると発表した」(P.035)
そうです。


伊東さんは経営トップとして、最後にけじめを付けたい
と思い、『日経ビジネス』のインタビューに応じたのかも
しれません。


後継者の条件について次のように語っています。




 グローバル化の仕組みはできたけれど、それを

 身をもってうまく進めてくれるような体制が必要

 なんでしょう。それには時間がかかるし、壮大な

 テーマになる。
 

  (P.035)



つまり、一人のカリスマ経営者による経営ではなく、
「チーム体制」による経営を行なっていくということ
を指しています。




今特集のキーワードを確認しておきましょう。

 革新の喪失 
 リコール 
 キーマン 
 市場は自ら作るもの 
 ソニー病 





次回は、
「PART 2 悪夢の1年半
『チーム八郷』でホンダ作り直し」
をお伝えします。


ご期待下さい!





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