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藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

私のテーマは6つあります。
(1)ビジネス書の紹介(2)医療問題 (3)自分ブランド力
(4)名言 (5)ランキング (6)ICT(情報通信技術)
このブログでは、主に(1)~(4)を扱っています。
(5)と(6)はそれぞれ別のタイトルで運営しています。

大事なのは人間関係
一度信用されれば
横に広がっていく


廣瀬 恭久(ひろせ・やすひさ)氏
[エノテカ会長]





今週の言葉


 ワインビジネスは「契約書のない世界」と言われています。

 だから大枚をはたけば誰でもおいしいワインを買い占め

 られると思われがちですが、そうとは言い切れません。

 この世界で何よりも大事にされるのは人間関係です。

 だからこそ私のようなニューカマー(新参者)でも商売が

 できた。そこに面白さがあります。


 世界中にはおいしいワインがたくさんあり、それを日本にも

 紹介したいという思いが高じて起業したようなものです。

 
 とはいえ、当初は苦労しました。有力なワイナリー(ワイン

 の醸造所)は日本の大手が囲い込んでしまっていて、

 なかなか入り込めません。大半のワイナリーは家族経営で

 横のつながりが強い。一度認めてもらえればそのコミュニ

 ティーに入っていけますが、その最初のきっかけがつかめ

 なかったのです。


 当社はワインのインポーターであり、卸でもあり、そして自ら

 リテール(小売り)まで手掛けてきました。

 とりわけ「卸がショップをやるなんて言語道断だ」と周囲から

 猛反対を受けました。でも、他人と違うことを恐れる必要は

 ないのです。何か新しいことをやろうと思えば、必ず反発が

 生じます。


 店のデザインにもものすごく凝りましたよ。今でこそ似たような

 業態の店はありますが、エノテカの個性は簡単にはまねでき

 ません。苦しんで、苦しんでゼロから自分で作り上げたから

 こその強みがあるし、その後に残るものがあると思っています。


 日本人は味覚が敏感なのでワインを楽しむ素養があります。

 今では老若男女がワインを楽しむようになりましたよね。

 私は一人のワインラバー(愛好者)として、それが何よりも

 うれしい。


 当社は今年3月末にアサヒグループホールディングスの傘下に

 入りました。


 今後は後進を育てながら、毎日、うまいワインを飲んでいきたい

 ですね。


                    (2015.06.15 号から) 

 




 エノテカ会長 廣瀬 恭久 氏

エノテカ会長 廣瀬 恭久 氏

「日経ビジネス」 2015.06.15 号 P.001
「日経ビジネスDigital」 2015.06.15





キーワード

キーワードは、 人間関係 です。



たとえ、企業間取引であっても、企業を構成しているのは
人間です。人間関係がスムーズでなければ、取引もうまく
回っていかないでしょう。


信頼関係は、契約書を取り交わすことで成り立つとは
限りません。契約に至るまでの相互信頼・相互信用が
根底になければ、契約はすぐに破棄されることになります。


人間関係の根底にあるべき、信頼・信用は、人種間や
民族間を問わず、成立するものだ、と信じています。




ポイント

ポイントは、
 世界中にはおいしいワインがたくさんあり、
それを日本にも紹介したいという思いが高じて
起業したようなものです

という心意気です。



最初から、儲けようという動機で起業したら、
上手くいかない、と思います。


廣瀬さんは起業の動機を次のように語っています。

「ワイン専門の輸入商社であるエノテカを創業したのは

 1988年です。前年に父親が、経営していた半導体関係

 の会社を売却。次は何をしようかと考えていたところ、

 昔から好きだったワインに目が留まったのです。

 ワインって1人でちびちび飲むというよりは、大勢で楽しく

 飲むお酒です。ワインの周りには仲間がいて、ほほ笑み

 があり、底抜けに楽しい。世界中にはおいしいワインが

 たくさんあり、それを日本にも紹介したいという思いが

 高じて起業したようなものです」


純粋な動機で起業した廣瀬さん(エノテカ)は、世の中に
認められたのだ、と考えています。


もちろん、起業後の廣瀬さんの頭からは採算性が一時も
離れることはなかっただろう、と推測しています。


せっかく起業し、東証2部銘柄にまで成長したエノテカが
倒産しては元も子もありませんから。ワイン愛好家にも
投資家にも多大な迷惑をかけることになります。


その後、本文にもあるように、アサヒグループホール
ディングスの傘下に入りました。


今後は、大きな後ろ盾を得て、財務面でも安心して事業を
継続していくことができるでしょう。


私はワインに限らず、アルコール類はほとんど口にしません
ので、詳しいことは分かりませんが、フランスワインのボルドー
やブルゴーニュはおいしいのでしょう。


もちろん、どんなものにもピンからキリまであるのは、
言うまでもありませんが。


カカオの含有量の多いチョコレート同様に、ワインには抗酸化
作用の強いポリフェノールが含まれていることは、知識として
理解しています。


ただし、ポリフェノールにも種類があるそうです。
チョコレートに関する記事が『日経ビジネス』(2015.06.15 号)
に掲載されていました。



 カカオポリフェノールの主成分は、りんごに多く

 含まれているポリフェノールと同じ「プロシアニジン類」

 と呼ばれる物質である。プロシアニジン類は、

 カテキンやアントシアニンなど、他のポリフェノールと

 比較しても強い抗酸化作用を持つ。

 

  (前掲誌 P.136)



ワインは飲んでいませんが、カカオの含有量70%の
チョコレートを定期的に食べています。


ちなみに、「エノテカ」とは、イタリア語で「ワインの箱、棚」
の意味だそうです。





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本当に役に立つビジネス書
『お金の流れが変わった!』
新興国が動かす世界経済の新ルール
PHP研究所 2011年1月5日 第1版第1刷









<目次>
第1章 超大国「G2」の黄昏
 Ⅰアメリカ-「唯一の大国」はいかにして崩壊したか
 Ⅱ中国-バブル崩壊はいつやってくるか

第2章 お金の流れが変わった!
 Ⅰ「ホームレス・マネー」に翻弄される世界
 ⅡEU-帝国拡大から防衛のシナリオ
 Ⅲ新興国ー21世紀の世界経済の寵児

第3章 21世紀の新パラダイムと日本
 Ⅰマクロ経済政策はもう効かない
 Ⅱ市場が日本を見限る日
第4章 新興国市場とホームレス・マネー活用戦略
 Ⅰ新興国で成功するための発想
 Ⅱ日本経済再成長の処方箋



 
Ⅱ市場が日本を見限る日




 日本というのは、たとえ内向きであっても、

 ある程度はビジネスが成り立つ巨大で安定した

 経済圏をもっている国なのだ。

 そしてそれは、デフレ不況が二十年続き、

 金融危機で収入が減っても暴動が起きず、

 いつかはよくなると黙って耐える国民に

 よって支えられているのである。

                
(今日の名言 12  通算 508 )

 




 世界でも日本ほど国債を発行している国はほかにない。

 累積の公的債務はGDPの200パーセントを超え、

 更に記録を更新中だ。

 アメリカですら公的債務の対GDP比は80パーセント

 にすぎず、仮にオバマの計画をすべて実行したとしても

 120パーセント止まりである。

 そのうえ日本の債務には、公的年金の隠れ債務などは

 含まれていないのだ。

 OECDのレポートによると、日本の債務はこのままいくと、

 2014年には対GDP比で246パーセントになるという。

                
(今日の名言 13  通算 509 )






 団塊の世代が毎年80万人も引退するのに、

 新しく就業する人はその半分の40万人しかいない。

 このような現実をきちんと国民に説明し、

 借金の先送りでは問題は解決できないと

 いわなければならなかったのだ。

 ところが民主党政権は、事業仕分けや子ども手当

 といった本質とは関係のないことばかりやって、

 国民の目を真実から背(そむ)けてきた。

 とんでもない欺瞞(ぎまん)だといわざるをえない。

                
(今日の名言 14  通算 510 )






 日本の金融機関は、ふたを開ければ国債しか買って

 いないのである。

 国民は銀行や郵貯に預金したと思っているが、

 じつは間接的に国債を買っていたのだ。

 つまり、日本国民の金融資産の大半は日本国債

 なのである。

                
(今日の名言 15  通算 511 )







2012年12月に衆議院議員選挙と都知事選挙が
実施され、衆議院議員選挙で野党自民党が
記録的大勝利を収め、与党民主党は壊滅的な
敗北を喫しました。


第三極と注目された、橋下徹大阪市長率いる
日本維新の会に、選挙直前に石原慎太郎前都知事
が合流し、注目を集めました。


だが、結果は、国民の期待ほどには当選者が
増えなかった、というのが実態でした。


安倍晋三氏が自民党総裁選挙に勝利し、安倍政権は
「デフレ脱却」を旗頭に公共投資に力点を移し、
物価2%上昇を目指し、日銀に協力を要請しました。


安倍首相が組閣後、外国為替や日経平均の流れが
変わりました。


長期間の円高が一転して、対ドル、対ユーロで円安
が進み、この傾向を好感し、自動車産業をはじめと
する輸出企業の株価が軒並み上昇し、連日、日経平均
を押し上げ、なかなか超えられなかった1万円の壁を
あっさり超え、10,800円(2013年1月11日終値)に
達しました。


円高から円安への転換は、多方面に大きな影響を
及ぼします。


輸出産業は業績好調になり、収益を改善します。
一方で、輸入製品は高くなります。


例えば、原油価格が今後数カ月後には値上がりし、
ガソリン価格や石油製品の高騰を引き起こす恐れが
あります。


この1年は、日本そして世界はどのように変わり、
私たちはどのように生活を変えていかなけば
ならないのか、一人ひとりが真剣に考え、行動しな
ければならない年になる、と思います。


賃金格差、情報格差(デジタル・デバイド)など、
いくつもの格差が解消するのではなく、いっそう拡大
する時代に入った、と考えています。







以上の記事は、2013年1月12日のものです。


日本維新の会について言及していますが、
私は橋下徹代表と石原慎太郎元都知事が合流した
時点で、日本維新の会はダメになる、と確信しました。


なぜなら、橋下さんは護憲派で、石原さんは改憲派
だからです。言わば、水と油のようなもので、
混じりあうことはありません。


憲法第9条を巡って、譲歩することはありえません。
案の定、日本維新の会は空中分解しました。


先日、橋下さんが提起した「大阪都構想」の住民投票
が行われましたが、僅差とはいえ、否決されましたね。


橋下さんはこの敗北を機に、政界を引退することを表明
しました。


この流れは、日本維新の会の崩壊と無縁ではない、
と考えています。さらに、橋下さんへの信任が否決
された証左でもある、と考えています。


余談になりますが、橋下さんは日本維新の会を立ち
上げる前に、大前さんにお伺いを立てています。


大前さんは、現在はない「平成維新の会」を立ち上げ
ていたからです。大前さんは過去、都知事選に出馬し、
青島幸男さんに敗北し、以後、政治家への道を断念
しました。


結果的に、私は良かったと思っています。
その後、執筆や、起業したビジネススクールを通じて、
社会に貢献しています。


都知事選敗戦の経緯は、
大前研一 敗戦記 大前 研一
に詳細に書かれています。







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本当に役に立つビジネス書
「自分ブランド力」強化のためのノウハウ (2)



「自分ブランド力」とは、「自分ブランド」や「パーソナル・
ブランディング」などとほぼ同じ概念です。


一言で言えば、自分を、他人と差別化するための能力
です。「尖った」ところを身に付けるために、
自分を磨いていくプロセスが重要になります。


これで終わりということはありません。
半永久に続けていくことが大切になります。


「◯◯と言ったら、□□□」と言われるようになったら
本物ですね。


「超一流の経営コンサルタントと言ったら、大前研一」

「セブンプレミアムと言ったら、セブン-イレブン」

「高級アイスクリームと言ったらハーゲンダッツ」

などなどいろいろありますね。




しばらく前の話になりますが、伊勢丹新宿店で、
「カリスマバイヤー」と呼ばれた藤巻幸夫さんは、
業界人の間で有名なだけでなく、新聞や雑誌に
しばしば取り上げられ、その個性的な風貌や、
一味違う発言で世間一般に知られていました。
参議院議員でもありました。 著書も多数あります。


究極の「自分ブランド力」を身にまとっていた人
です。残念ながら、2014年3月15日に亡くなり
ました。 54歳という若さでした。


私は、苗字が同じということもあり、幸夫さんの
著作だけでなく、お兄さんの健史(たけし)さんの
著作もよく読みました。


幸夫さんはファッション業界でつとに著名で、
一方健史さんは元米モルガン銀行東京支店長
に在任中、債券・為替・株式トレーダーとして名を
馳せ、「東京にフジマキあり」と言われた伝説の人
です。 健史さんも参議院議員です。
金融のプロフェッショナルで、金融に関する著書が
多数あります。



  
藤巻幸夫 氏(左) と 藤巻健史 氏(右)



藤巻幸夫さんの画像は こちらのWikipedia  から
藤巻健史さんの画像は こちらのWikipedia から
藤巻兄弟の画像は こちらのWikipedia から




藤巻幸夫さんは、自分ブランド力に関する本を書いています。

『自分ブランドの教科書』
(藤巻幸夫 インデックス・コミュニケーションズ
 2007年12月31日 第1刷発行)

この本に基づいて、藤巻幸夫さんが説く、「自分の磨き方」
を一緒に学んでいきましょう!


この本は6つの CHAPTER と、 LAST LESSON で構成
されています。


目次

CHAPTER 01 自分ブランドとは?

CHAPTER 02 自分マーケティングをしよう

CHAPTER 03 「武器」を鍛える

CHAPTER 04 「センス」を磨く

CHAPTER 05 「表現力」を高める

CHAPTER 06 自分ブランドを進化させる

LAST LESSON さらなる自分ブランドを求めるあなたへ





第2回は、CHAPTER 02 自分マーケティングをしよう
をご紹介していきます。




さて、藤巻幸夫さんは、『自分ブランドの教科書』
「本書を手にとったあなたへ」というメッセージの中で、
 「自分ブランド」 を定義しています。


まず、そこからスタートしましょう。
定義が明確になっていないと、読者によって解釈が
大きく異なってしまいます。


定義は極めて重要です。
本は、著者と読者の知的対決です。
同じ土俵(統一した定義)でなければ、
議論が噛み合いません。




 自分ブランドとは、あなた自身のブランドのこと。

 「あなた」をほかの誰でもない「あなた」にして

 いるもののことだ。

  

 (前掲書 P.6 以下同様)


とても分かりやすい定義ですね。
one of them ではなくて、個人としてのあなたの
存在を明確にできること、存在理由(レーゾン・デートル)
と言い換えても良いと思います。




CHAPTER 02 自分マーケティングをしよう

 1 自分を知ろう 

まず、自分を知ることから始めましょう、というのが、
今回のテーマです。


自分を知るためには、メタ認知(もう一人の人間を
想定し、その人間から見た自分を考える)、別名、
客観視することが必要になります。 




 自分の「強み」や「弱み」をきちんと把握して、

 その土台をもとに、どんなブランドを形づくる

 かを考えていくのだ。

 
 ともかく「場数」を踏むことからはじめてほしい。

 少なくとも仕事に就いて3年間は、“一心不乱”に

 与えられた仕事に取り組んでみる。

 
 多くの場数を踏むことを意識して、仕事から

 プライベートまで、数年間はがむしゃらに

 「動いて」ほしい。


 間違っても、何もしないうちから「これは苦手だ、
 
 これは合わない」などと決めつけないこと!


 頭で考えるだけで何がわかるというのか!

 場数を踏んで、体感すること。

 それが自分を知るための第一歩になる。

  

 (P.24)




SWOT分析という言葉を聞いたことがあるでしょう。
経営戦略に関する本に、たいがい出てきます。

S Strengths    強み
W Weaknesses   弱み
O Opportunities  機会
T Threats      脅威 

自分(自社)の強み、弱みを知り、異業種の領域へ
参入する機会があるかどうかを検討し、異業種から
自領域へ参入される脅威はあるかどうか、
を分析することです。


これは基本中の基本です。


そこで、幸夫さんは、「自分を知る」からスタートしました。
とにかく「場数を踏む」、経験しないことには始まらない、
と説いています。




 2 「強み」をつかむ 


強みが認識できたら、「強み」をがっちりつかんで、
強化していくことが、肝心です。




 「好き」と感じるもの、それこそがあなたの強みになる。

 ここで言う「好き」とは、頭で考えた「好き」ではなく、

 体感してつかんだ「好き」だ。

 
 「あ、こういうのが好きだな」と感じられた行為や、

 かかわった分野。それがあなたにとって強みの“種”

 となる。


 無我夢中にのめりこめばのめりこむほど、

 それがいずれ、あなたの揺るぎない強みとなり 

 ブランドを形づくる武器となる。 

 

 (P.26)




「好きこそものの上手なれ」ということです。
自分が好きなことであれば、他人がどんなに
反対しようがやり抜こうとしますね。


その考え方を大切にしましょう!


「下手の横好き」という言葉もありますが・・・(苦笑)




 3 「弱み」をつかむ 


「強み」の次は、「弱み」です。
誰にでも、強みもあれば、弱みもあります。


考え方にもよりますが、強みをさらに強化し、
弱みを補って余りあるくらいになれれば、
一流と言えます。





 自分の強みとなるものが見えてきたら、

 それと「対となる弱み」をあぶり出す。


 自分ブランドに“まず”欠かせないのは誰にも負けない

 武器であり、そのために自分の強みを重点的に知る

 ことは大切だ。

 だが、予言しておこう。あなたのブランドが成長すれば

 するほどに、弱みとも絶対に無関係ではいられなくなる。

 一つの分野を極めること、一芸に秀でることは

 すばらしいことだ。だが、自分ブランドとは

 「一発しかない人」のことではない。


 弱みの分野についても、きちんと知り、より自分を

 理解するということ。

 そんな微妙なバランス感覚をもつことも、自分を知り

 ブランドを築くうえでは非常に大切なことになる。

 

 (P.28)




自分の弱みを理解し、克服しようとする姿勢は大切です。
ですが、私は弱みに重点を置くよりも、強みに重点を置き、
抜きん出る実力者になるほうがよい、と考えます。




 4 他人の声を聞く 


メタ認知について簡単に触れましたが、自分を客観視できる
ようになるには、人生経験が欠かせない、と思っています。


もう一人の自分を認識することは、二重人格に近いものかも
しれません。自分と、相反するもう一人の自分を認識すること
で、客観性が養われてきます。


精神的に子供のままの人は、年齢を問わず、メタ認知を
理解できません。メタ認知を身につけると、自分との葛藤に
打ち克つことが可能になる、と考えています。


他人との関係ではなく、自分との闘いで、安易な妥協を
しなくなります。


メタ認知ができなければ、信頼できる人物に自分の評価を
聞いてみることです。率直に、客観的に批評してもらうこと
は、あなたの成長にプラスになることでしょう。


たとえ、気に触ることを述べたとしても、素直に聞く度量が
必要です。





 実力も、人を見る目も信頼できるメンターに、

 自分のことを聞いてみることだ。


 誰かから学ぼうとしていれば、必ずや一人はメンターが

 いるはずだ。


 まずはくだらないプライドを捨てること! 


 冷静な目をもつ信頼できる人がいることは、自分ブランドを

 育てていくうえで、一生涯にわたる財産になる。

 

 (P.30)





私が考えたメタ認知を身につける方法は、小説の主人公に
なりきるのではなく、ナレーターになって主人公の行動や心理
を心の中で語ることです。


試しにやってみると、理解できると思います。
自分を見つめる、もう一人の自分の存在を認めるのです。




 5 ギャップを埋める 


理想像と、現状の自分を比べる際にも、メタ認識は有効です。
過去の自分と比べて、現在の自分は成長しているのか、
何か身についたことはあるのか、を考えるのです。


そして、今度は、現在の自分と、未来の自分を比較するの
です。1年後にはこうなっていたい、5年後には何かを身に
つけていたい、精神的に成長していたいでも良いと思います。


大切なことは、他人と比較するのではなく、あくまで過去の
自分と現在の自分、現在の自分と未来の自分を比較する
ことです。




 「こんな強みでこんなブランド人になりたいなら、

 あんな知識やこんな場慣れも必要だ」などと、

 イメージをどんどん広げて足りないものを洗い出す。

 次いで、1年を4シーズンに分けるなどして、

 その短いスパンのなかで学ぶべきこと、達成すべきこと
 
 に思いをめぐらそう。

 このときに大切なことは、それを手帳にこまめに

 書き出すことだ。

 目に見える形にすることで気持ちもグッと乗ってくる。

 

 (P.32)




第2回はいかがでしたか?


「記憶」に頼らず、「記録」を大切にすること――。
私は、この考え方を重要視しています。


人間の記憶はあやふやだからです。
思い出すことにエレルギーを使うよりも、手帳(他のもの
でも構いません)に記録しておけば、いつでも確認する
ことができます。そのことで記憶を定着させることも可能
になります。


何と言っても、初期の段階で間違って記憶していたら、
馬鹿げていますからね。



まだ、序盤ですから、少しずつ、藤巻幸夫さんの考え方を
理解するように努めていきましょう!



次回は、
CHAPTER 03 「武器」を鍛える
をご紹介します。


お楽しみに!






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新興国が動かす世界経済の新ルール
PHP研究所 2011年1月5日 第1版第1刷








<目次>
第1章 超大国「G2」の黄昏
 Ⅰアメリカ-「唯一の大国」はいかにして崩壊したか
 Ⅱ中国-バブル崩壊はいつやってくるか

第2章 お金の流れが変わった!
 Ⅰ「ホームレス・マネー」に翻弄される世界
 ⅡEU-帝国拡大から防衛のシナリオ
 Ⅲ新興国ー21世紀の世界経済の寵児

第3章 21世紀の新パラダイムと日本
 Ⅰマクロ経済政策はもう効かない
 Ⅱ市場が日本を見限る日
第4章 新興国市場とホームレス・マネー活用戦略
 Ⅰ新興国で成功するための発想
 Ⅱ日本経済再成長の処方箋





マスコミ報道を見ていますと、大別して2つの問題が
連日のように取り上げられています。


1つは尖閣諸島をめぐる中国と日本の対立構造であり、
もう1つは事故が頻発し、住民に不安を増幅させている
沖縄に配備予定のオスプレイの問題です。


最初の問題は、最近になって状況に変化が見られました。
アメリカ議会で親日派議員が日本支持を表明したことで、
中国政府がそれまでの対応と打って変わって、
日本を挑発する発言を差し控えるようになったことです。


あとの問題は、尾を引きそうになっています。
オスプレイはヘリコプターと飛行機の機能を併せ持つ
特殊輸送機で、ヘリから飛行機へ、飛行機からヘリモード
へ変換する際に操縦が困難になるそうで、事故が発生する
のはそうした時だそうです。

オスプレイは従来型機と比べ、ほぼ倍のスピードで飛行でき、
飛行距離は一度の給油で600㎞飛べると言われています。


つまり、飛行性能は優れていますが、扱いが難しい機種という
ことが言えると思います。


普天間基地移設問題もあり、沖縄は大きな問題を抱えた地域
であることに間違いはありません。
 


さて、今回は、以前から大前研一さんが指摘してきた、
「ボーダーレス」「サイバー」「マルチプル」の3つの
キーワードで、世界で何が起こるのかを詳細に語っています。




 
Ⅰマクロ経済政策はもう効かない


 
【ボーダーレス化】


 マクロ経済政策が効かなくなった第一の理由は、

 経済に国境がなくなった、

 つまり世界の「ボーダーレス化」が原因だ。

 (中略)

 要するに、経済がボーダーレス化すると、

 マクロ経済の効果は逆になるのである。

 たとえば、信用のある国が景気を引き締めようと

 金利を上げたとしよう。

 これまではお金の借り手が減って景気は減速したが、

 いまは高金利と見るや海外からのホームレス・

 マネーが流れこんでくるので、景気はいっそう過熱

 してしまうのである。

                
(今日の名言 08  通算 504 )






【サイバー化】 


 サイバー経済下では、サービスは無料が基本であり、

 有料の場合もサイバー以前にくらべ非常に安いのが

 ふつうだ。

 (中略)

 サイバー経済はこれからもすごい勢いで広がり、生活、

 経済などあらゆる分野に入り込んでくるだろう。

                
(今日の名言 09  通算 505 )






【マルチプル(倍数)化】 


 金融工学が発達したおかげで手持ちの資金に

 何倍もレバレッジをかけた売買が可能になり、

 個人でも大きな相手と勝負ができるように

 なった。

 (中略)

 確率計算を誤れば、レバレッジがかかっている

 ぶんダメージが大きくなるのもマルチプル経済

 の特徴である。

                
(今日の名言 10  通算 506 )






大前研一氏の警句
 


 21世紀は実体経済に加え、「ボーダーレス」

 「サイバー」「マルチプル」といった見えない

 経済法則が重要な意味をもつ時代である。

 ところが、悲しいことに日本には、この重大な

 変化に気づいている人がほとんどいない。

 だから、これだけ円高が進んでいるにもかか

 わらず、資本が海外に出ないし、海外の資本を

 呼び込むこともできていない。

                
(今日の名言 11  通算 507 )









以上の記事は、2012年9月22日のものです。


約3年経過して変化したことは、円高から円安に
振り子が逆に振れたことと、日経平均株価が
2万円の大台に乗せたこと、さらに消費増税が
実施されたことなどです。


庶民の生活の質は向上していません。
物価が上昇しても、賃金のアップは物価上昇を
カバーできていません。消費増税が重しになって
いるからです。


沖縄尖閣諸島問題や、沖縄普天間基地移転問題
は一向に解決していません。


本国へのオスプレイ配備も今後、問題を生じかね
ません。


さらに憲法解釈を変更し、集団的自衛権行使容認
を国民に迫っています。


憲法改正ではなく、現行のままで「解釈の変更」
という奥の手を使ったのです。


解釈は、拡大させることも、歪曲させることも
可能です。


憲法改正論議で路線を変更しました。
憲法改正には、大きな障害があるからです。


憲法改正の条件

1 各議院の総議員の3分の2以上の賛成

2 特別の国民投票又は国会の定める選挙の際
  行われる投票において、その過半数の賛成

憲法第96条第1項に規定されています。
ただ、規定が曖昧なため、憲法改正推進派の都合
によって、どのようにも解釈することも可能に
なってしまいます。


「総議員」と言っても、国会に「出席」した議員
総数なのか、単純に衆参両院の総議員なのか、
はっきりしません。


国民投票にしても、低投票率でも有効なのか、
という問題があります。


そこで、まず、1の条件が厳しすぎるとして、
安倍政権は、「過半数」に緩和させようと画策
しました。


1の条件をクリアできなければ先に進めないから
です。


日本は、非常に危険な方向に進んでいる、
と言わざるを得ません。


安倍政権は戦争を始めたくて仕方がない、
と思えてなりません。


国民は、日本政府の動きを、今後も注意深く、
監視していかなくてはなりません。


二度と「悲惨な戦争」を起こしてはならないから
です。


日本は世界に類を見ない、原爆を2度も投下された
国である事実を、決して忘れてはなりません。


そのような悲劇に遭ったのは、時の政府が戦争に
突き進んで行ったからです。
メディアがその動きに迎合しました。
嘘の報道をし、国民を間違った道に誘導したのです。







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本当に役に立つビジネス書
『マキアヴェッリ語録』 (08)





『マキアヴェッリ語録』 塩野七生 新潮文庫
平成4年11月25日 発行


目次
第1部 君主編
第2部 国家編
第3部 人間編






マキアヴェッリ(日本ではマキャベリと表現されることが多い)
は『君主論』の著者として知られ、「マキャベリズム」が
人口に膾炙しています。


その思想を端的に表現する言葉は、
「目的は手段を正当化する」
です。


目的のためならどんな手段を講じてもかまわない、と解する
ことが多いですね。


実は、私もこの書を読むまではそのように解釈していました。
言葉を文脈の中で解釈せず、言葉が独り歩きすることの怖さは、
風説の流布でも経験することです。


福島第一原発事故以後、周辺にお住まいの方々は風説の流布
に悩まされ続けています。拡散した誤情報はさらに誤情報を加え、
拡大していきます。容易に訂正されることはありません。



話しを戻しますと、マキアヴェッリの実像はどのようなもので
あったのか、そして「目的は手段を正当化する」と言っている
ことの真意は何だったのか、を知りたいと思いました。


先入観を取り払い、大前研一さんが言う、「オールクリア
(電卓のAC)」にしてマキアヴェッリの説くことに耳を傾ける
ことにしました。


マキアヴェッリは、1469年5月3日にイタリアのフィレンツェで
生まれ、1527年6月21日に没しています。15世紀から16世紀
にかけて活躍した思想家です。500年位前の人です。


ニッコロ・マキャヴェッリの肖像画

ニッコロ・マキャヴェッリの肖像画 Wikipedia から
 


塩野七生(しおの・ななみ)さんは、「まえがき」に代えて
「読者に」で次のように記しています。塩野さんが解説
ではなく、また要約でもなく、「抜粋」にした理由を説明
しています。


尚、10ページ以上にわたる説明からポイントとなる言葉を
「抜粋」しました。




 この『マキアヴェッリ語録』は、マキアヴェッリの思想の

 要約ではありません。抜粋です。

 なぜ、私が、完訳ではなく、かといって要約でもなく、

 ましてや解説でもない、抜粋という手段を選んだのかを

 御説明したいと思います。

 第一の理由は、次のことです。

 彼が、作品を遺したということです。


 マキアヴェッリにとって、書くということは、生の証[あか]し、

 であったのです。


 マキアヴェッリは、単なる素材ではない。作品を遺した

 思想家です。つまり、彼にとっての「生の証し」は、今日

 まで残り、しかもただ残っただけではなく、古典という、

 現代でも価値をもちつづけているとされる作品の作者でも

 あるのです。生涯を追うだけで済まされては、当の彼自身

 からして、釈然としないにちがいありません。


 抜粋という方法を選んだのには、「紆曲」どころではない

 マキアヴェッリの文体が与えてくれる快感も、味わって

 ほしいという私の願いもあるのです。そして、エッセンスの

 抜粋ならば、「証例冗漫」とだけは、絶対に言われない

 でしょう。


 しかし、彼の「生の声」をお聴かせすることに成功した

 としても、それだけでは、私の目的は完全に達成された

 とはいえないのです。マキアヴェッリ自身、実際に役に立つ

 ものを書くのが自分の目的だ、と言っています。 

 

  (前掲書 「読者に」から PP.3-5、14)




マキアヴェッリの名言をご覧ください。


第1部 君主編



 次のことは明言しておきたい。

 すなわち、危険というものは、それがいまだ芽であるうちに

 正確に実体を把握[はあく]することは、言うはやさしいが、

 行うとなると大変にむずかしいということである。

 それゆえはじめのうちは、あわてて対策に走るよりもじっくり

 と時間かせぎをするほうをすすめたい。

 なぜなら、時間かせぎをしているうちに、もしかしたら自然に

 消滅するかもしれないし、でなければ少なくとも、危険の増大

 をずっと後に引きのばすことは、可能かもしれないからである。

 いずれの場合でも、君主ははっきり眼[め]を見開いている

 必要がある。

 情勢分析を誤ってはならないし、対策の選択を誤ることも

 許されないし、対策実施のときも誤ってはならないのだ。

 植木に水をやりすぎて枯らしてしまうようなことは、あってはなら

 ないのである。

 しかし、こちら側の準備が万端と思うやいなや、迷うことなく

 断固として反撃に打って出るべきである。

 反対に、その自信がないときは、まだしばらくは事の成行きに

 まかせるほうが良策と思う。


                    ―― 『政略論』 ――

                              (PP.104-105)

         (022-1-0-000-499)
 



 


 君主たる者、もしも偉大なことを為したいと思うならば、

 人をたぶらかす技[わざ]、つまり権謀術数を習得する必要が

 ある。


 ローマもまた、他にライヴァルがいないほどに強大になるまで

 は、情況の変化に合わせて、または自らすすんで、有効と

 思われるかぎりのあらゆる術策を活用したものであった。


  
                    ―― 『政略論』 ――

                              (P.106)
                              
          (023-1-0-000-500)
 






 ローマは、建国の当初とていまだ弱体な国家であった時代

 から、権謀術数の必要を知っていた。

 まして小さく弱い現状から少しでも上昇しようと思う者に

 とっては、このことは必要欠くべからざる配慮と思う。

 ただ、その活用に際しては、ローマ人がしたように、

 可能なかぎり水面下でなされるべきであろう。

 そうすれば、ローマ人が成功したように、このような汚い

 ことをやったあげくに浴びる非難から、まぬがれることが

 できるからである。


                    ―― 『政略論』 ――

                              (P.107)
                              
          (024-1-0-000-501)
 








ポイント

権謀術数を修得する必要がある、ということです。


ここで、権謀術数とは何かについて、確認しておきましょう。


 権謀術数(けんぼうじゅっすう)とは、主に社会や組織などの

 集団において物事を利己的な方向へ導き、自身の地位や

 評価を高めるために取られる手段や技法、およびそれが

 用いられるさまを表す総称。
 

  (権謀術数 Wikipedia から)


何か、汚い、悪いイメージしか浮かびませんね。
ですが、君主(リーダー)つまり、上に立つ者は
きれい事だけでは、支配することはできない、
ということです。


常にそうだということではありませんが、
正攻法だけでは勝負に勝てません。


時には、邪道と思われても、奇襲作戦を採ること
も考えなくてはなりません。


これには2つの意味がある、と考えています。
1つ目は、相手を撹乱したり、だまし討ちをする
ためです。


もう1つは、味方に、いつも同じ作戦ではマンネリ化
するため、これを防ぐためです。




キーセンテンス

情勢分析を誤ってはならないし、対策の選択を誤ることも
許されないし、対策実施のときも誤ってはならないのだ。



いかにして確度の高い情報を多く集め、集めた情報を
的確に分析するかにかかっている、と言っても過言では
ありません。


「孫子の兵法」にも、同様なことが書かれていますね。


「彼を知り己を知れば、百戦して殆(あや)うからず」
(『謀攻篇』)







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