『お金の流れが変わった!』(02) 新・大前研一名言集(198) | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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『お金の流れが変わった!』
新興国が動かす世界経済の新ルール
PHP研究所 2011年1月5日 第1版第1刷







<目次>
第1章 超大国「G2」の黄昏
 Ⅰアメリカ-「唯一の大国」はいかにして崩壊したか
 Ⅱ中国-バブル崩壊はいつやってくるか

第2章 お金の流れが変わった!
 Ⅰ「ホームレス・マネー」に翻弄される世界
 ⅡEU-帝国拡大から防衛のシナリオ
 Ⅲ新興国ー21世紀の世界経済の寵児

第3章 21世紀の新パラダイムと日本
 Ⅰマクロ経済政策はもう効かない
 Ⅱ市場が日本を見限る日

第4章 新興国市場とホームレス・マネー活用戦略
 Ⅰ新興国で成功するための発想
 Ⅱ日本経済再成長の処方箋




昨日(6月12日)、テレビ東京のワールドビジネス
サテライト(WBS)で放送された内容で、印象に残った
ことがありました。


『俺のイタリアン』や『俺のフレンチ』という外食
産業のチェーン店をご存知でしょうか?


私はこの番組で初めて知りました。


このチェーン店は一流シェフが腕を奮い、低料金で
美味しいイタリアンやフレンチを提供するという
コンセプトで2009年に、最初に『俺のイタリアン』
を立ち上げ好評を博し、今年になり『俺のフレンチ』
を銀座に開店したということです。


このチェーン店のオーナーは坂本孝氏です。


ご存知のように坂本氏は『ブックオフコーポレー
ション』(以下、ブックオフ)の創業者で、元会長
でした。


50代で『ブックオフ』を立ち上げ一部上場企業に
成長させました。


しかし、売上の水増しが発覚し、会長を辞任しました。


その後、69歳で『俺のイタリアン』を開店しました。
現在72歳だそうです。


外食産業で常識とされているのは、
「材料費が30%、人件費が30%で残りが40%でなければ
やっていけない」ということでした。


坂本氏は「これは違う」と考えました。


「材料費は45%、人件費は25%、その他30%」でやれる
と確信していたそうです。
食材をけちっては美味しい料理はできないし、
一流シェフも腕の奮いようがない、と考えたそうです。


先頃、銀座に開店した『俺のフレンチ』のシェフは
渋谷松濤にある『シェ・松尾』の元総料理長だそう
です。


でも、「なぜ?」という疑問を抱きますね。


坂本氏は元総料理長をこのような言葉で口説いた
そうです。


「フランス料理を食べたことがない人にも、一流の
フレンチを低価格で楽しんでもらえるような店づくり
に協力してもらえないか」


銀座に開店した理由は、銀座は厳しい場所だから
ここで成功すればどこででもうまくいく、
と考えた上でのことでした。


今後の動向に注目ですね!





第1章 超大国「G2」の黄昏
 Ⅱ中国-バブル崩壊はいつやってくるか






上海を筆頭に中国は成長を続けていますが、
湾岸部と内陸部との格差が拡大し、
バブルが弾けるのでは時間の問題だ、
と述べる専門家がいます。


一方で、当分は成長し続けると指摘する人もいます。
どちらの考えが正しいのか、は時間が判断してくれる
ことです。


Time will judge who is right.


はっきりしていることは、一人っ子政策により確実に
高齢者の比率が高まるということと、賃金が急上昇
しているため会社経営が困難になるという2点です。


さて、その中国について『中国シフト』『チャイナ・
インパクト』『中華連邦』の中国3部作のある
大前研一さんは、どのように考えているのでしょうか?






 
 いま中国で起きているバブルは、かつて日本や

 アメリカが経験したものとは次元が違う。

 たとえばサブプライム危機につながったアメリカ

 のバブルはせいぜい、返済能力のないサブプライム層

 にまで貸し出しを行い、値上がりを前提に住宅を

 買わせる程度だった。

 ところがいまの中国は年俸の20~30倍を借金

 させてマンションを買わせ、しかもそのマンションを

 抵当にしてさらに新しいマンションを買わせる。


 5、6年前に買ったラッキーな人はすでに3軒目の

 取得に入っており、気がつけば年俸の100倍以上

 を借りている人もめずらしくない。

 日本の場合、バブルのときでさえも借金は(将来見込ま

 れる)年俸の8倍から10倍だったから、中国のそれは

 桁が違う。

 すでに中国では新築物件(多くは投機で買ったマンション)

 の空室が7000万戸もあるといわれている。

 アメリカでサブプライム危機の後遺症によって競売に

 出されると予想されているのは最大でも1000万戸で、

 じつにその7倍にあたる。

 しかも中国のマンションは完成形ではなく、コンクリート

 を打ちっぱなしの空っぽの状態で売られているので、

 いまだその多くにはトイレも風呂も設置されていない。


                
(今日の名言 02  通算 498 )






このような大前氏の指摘を受け、中国のバブルが
弾けるのはそう先のことではない、と考えるのは
私一人ではないでしょう。







上記の記事は2012年6月13日のものです。


この3年で中国の成長は鈍化しました。
毎年二桁成長していた中国が、7~8%になったのです。
それでも先進国の成長率と比較すれば高いですが、
中国はこれを「新常態」、つまり普通と考えています。


中国は、「世界の工場」として知られていましたが、
今はもうその面影はありません。


人件費が高騰したため、日本のメーカーなどは、
タイやインドネシア、フィリピンなどへ生産拠点を
移転したからです。


ですが、これらの国々は急成長していますので、
人件費が上昇しつつあり、コスト高になるのは時間の
問題でしょう。


中国に話を戻しますと、人口は13億人で世界一です。
「市場」としての魅力は大いにあります。


中国に次いで人口の多いインドは11億人と言われて
いますが、この国はカースト制がいまだに残り、
貧富の差は激烈です。


最近の報道で、インドには2億人が飢餓に苦しんで
いる、と伝えられました。日本の人口をはるかに
上回る人たちが飢餓に苦しんでいるとは、想像でき
ませんね。その数字から分かるように、飢餓に苦し
んでいる人数は、不名誉なことに世界一です。


中国共産党の幹部の腐敗は相当根深く、習近平国家
主席は「浄化」のため、中国共産党総書記経験者の
側近まで逮捕しています。


まだ浄化は継続中で、これからも逮捕者は増える
でしょう。




<参考>

日経ビジネスの特集記事(102)
日本を揺るがす新常態 失速中国でも稼ぐ鉄則(1)



日経ビジネスの特集記事(102)
日本を揺るがす新常態 失速中国でも稼ぐ鉄則(2)



日経ビジネスの特集記事(102)
日本を揺るがす新常態 失速中国でも稼ぐ鉄則(3)







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