『ネクスト・ソサエティ』 P・F・ドラッカー (14) 言葉の迷宮(154) | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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『ネクスト・ソサエティ』(14)





ドラッカーについては、改めて詳しくご説明する必要
がないくらい有名な人物ですので、概略に止めます。


 
 ビジネス界にもっとも影響力をもつ思想家

 として知られる。

 「分権化」「目標管理」「経営戦略」「顧客第一」

 「知識労働者」「ベンチマーキング」「コア・コン

 ピタンス」などのマネジメント理念を生み出し、

 発展させてきた。

 クレアモント大学院大学教授。

 1909年11月19日生まれ。

 2005年11月11日死没
 

 (「著者紹介」から)








 19世紀のシティの繁栄は、ドイツから

 来たネイザン・ロスチャイルドによって

 もたらされた。ナポレオン戦争後、

 ロスチャイルドは長期債券のロンドン

 での引き受け、発行、売買を通じ、

 ヨーロッパ諸国と南米の新興独立国

 へ融資することによって資本市場を

 つくり出した。

 シティにやってきたのはロスチャイルド

 だけではなかった。同じくドイツから

 シュローダー、ノルウェーからハンブロス、

 フランスからラザール、アメリカから

 J・P・モルガンがやってきた。彼らは

 ロンドンに現地法人をつくった。

 国籍をとる者も多かった。


 彼らがロンドンを選んだのは、イギリスが

 世界一の貿易国だったからだけでは

 なかった。これまた、主としてロスチャイルド

 の発案であり貢献だった。

 ウォルター・バジョットの『ロンバート街』

 (1873年)に明らかなように、ロスチャイルド

 の貢献によって、ロンドンが世界でも抜きん

 でた情報センターになっていたからだった。

 ロスチャイルド家では、兄弟のそれぞれを

 ヨーロッパ各地の金融中心地に配置し、

 伝書鳩によるイントラネットをもっていた。

 それはすでに、ロンドンにいるネイザンを

 CEOとするグローバル企業だった。  
    
                     (P.187)

         (040-1-0-000-466)

 



 


 いかなる産業といえども、外の世界、

 すなわち顧客にサービスを提供する

 ことなしに、繁栄どころか生き延びる

 ことさえできない。
            
                     (P.192) 

          (041-1-0-000-467)

 





 経営陣が大金を懐に入れつつ大量の

 レイオフを行なうことは、社会的にも

 道義的にも許されない。そのような行為

 が一般社員にもたらす憤りとしらけは、

 必ず高いつけとなって返ってくる。

 人間として生きるということの意味は、

 資本主義の金銭的な計算では表せない。

 金銭などという近視眼的な考えが、生活

 と人生の全局面を支配することがあっては

 ならない。

                      (P.204)

          (042-1-0-000-468)

 







ロスチャイルドで思い出したことがあります。
昔、『赤い盾―ロスチャイルドの謎』という、
2分冊の本を読みました。

  

ロスチャイルドは、ドイツ語で
ロート+シルト→赤い盾
の意味だそうです。
なお、盾とは別に表札の意味もある、
とのこと。


『赤い盾』を読むと、ロスチャイルド家は、
今でも陰に陽に世界中に影響力を及ぼ
していることが分かります。


ドラッカーが、『ネクスト・ソサエティ』の中で、
ロスチャイルドについて語ったのは、
米国ウォールストリートと、英国シティという
世界の2大金融市場の一角を「占有」して
いたという歴史的事実を認めていたからに
違いない、と思います。


その一方で、ドラッカーはこう語っています。
「人間として生きるということの意味は、
資本主義の金銭的な計算では表せない。
金銭などという近視眼的な考えが、生活
と人生の全局面を支配することがあっては
ならない」


金銭はとても大切なモノですが、それに
支配されてはならないのです。
キレイ事のように感じる方もいるかもしれ
ませんが。





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