ドラッカーについては、改めて詳しくご説明する必要
がないくらい有名な人物ですので、概略に止めます。
(「著者紹介」から)
ビジネス界にもっとも影響力をもつ思想家
として知られる。
「分権化」「目標管理」「経営戦略」「顧客第一」
「知識労働者」「ベンチマーキング」「コア・コン
ピタンス」などのマネジメント理念を生み出し、
発展させてきた。
クレアモント大学院大学教授。
1909年11月19日生まれ。
2005年11月11日死没
今日のCEOにもっとも必要とされるものが
情報責任である。「どのような情報が必要か。
どのような形で必要か」を考えることである。
そうして初めて、情報の専門家が、こういう
ものをこういう形で得ることができると答えて
くれる。しかし、実はその答えさえさほど重要
ではない。技術的なことにすぎない。
重要なのは、「いつ必要か。誰から得るか。
そして自分はどのような情報を出さなければ
ならないか」という、より根本的な問題のほう
である。
(P.108)
(016-1-0-000-442)
はるか昔に、私はプロフィットセンターなる
言葉をつくった。いまではそのことを恥ずか
しく思う。なぜならば、社内にあるものは、
プロフィットセンターではなくコストセンター
にすぎないからである。プロフィットは外から
しかやってこない。顧客が注文をくれ、
支払いの小切手が不渡りにならなかったとき、
ようやくプロフィットセンターをもてたといえる。
それまでは、コストセンターを手にしているに
すぎない。
(P.110)
(017-1-0-000-443)
いかなる事業であっても焦点を絞らなければ
ならない。多角化が成功するのも情報がある
ときだけである。
われわれは自らの組織の外の世界、市場、
顧客についてあまりに知らなすぎる。
特に流通チャンネルほど早く変化するもの
はない。報告が上がってきたころには手遅れ
である。
(P.111)
(018-1-0-000-444)
ドラッカーは、決して具体的に「こうしなさい」、
とは一言も言っていません。
なぜなら、個々の問題は各社によって異なる
からです。
ドラッカーが指摘しているのは、
根本的な問題解決への道筋です。
ドラッカーは、私に言わせてもらえれば、
進むべき正しい方向を示す「ナビゲーター」
です。
ドラッカーは、「経営者は考えなさい」と言って
いるのです。
ドラッカーの本を読む場合、各社固有の問題
解決の「答え」を求めてはいけません。
大筋の方向性を示すので、その方向で、固有
の問題を解決していくのが、正しい読み方だ、
と私は考えています。
ファーストリテイリング会長兼社長柳井正さんが、
ドラッカーの本を何度も読み返すのは、問題解決
のための「ヒント」を得るためだ、と思います。
「答え」を求めているのではない、と思います。
その理由は、「答え」が書いてあるわけではない
からです。
物事の本質とは、そうしたものだと思います。
その点が、「ハウツー本」と一線を画す理由だ、
と考えています。
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