日経ビジネスのインタビュー(138) 追い風、されど慢心せず | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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追い風、されど慢心せず
2014.09.22

國分 文也 (こくぶ・ふみや)氏

[丸紅社長]


 僕らにとって、中期経営計画の最終年度

 である来年度はものすごく重要です。

 連結純利益で2500億~3000億円という

 目標を掲げていますが、それをどれだけ

 達成できるか、その確度を高めるために、

 今年度は2200億円を目指しています。

 手応えはあります。


 一般的に「資源」とひとくくりにして言い

 ますが、実際の中身は様々です。

 原料炭なのか一般炭なのか。

 鉄鉱石なのかオイルなのかガスなのか、

 アルミなのか銅なのか、といった具合です。

 それぞれ、全く違う特性があり、潜在的な

 成長力も異なります。その中で、僕らに

 とって本当に必要な「資源」は何かという

 ことを、根本的にもう一回議論する必要が

 あります。


 ガスをどう料理するかは、最大のテーマです。

 北米で現在のコストで今後20年間、ガスが

 手に入るのなら、様々な選択肢が出てきます。

 そのまま使ってもいいし、発電に使っても

 いいし、化学品を作ってもいい。

 LNG(液化天然ガス)にして輸出することも

 できます。LNGでは既に船やターミナル、

 再ガス化を手がけています。


 恐らく今の実力では、相当な逆風が吹いても

 連結純利益で1600億~1800億円は出せる

 ところまではきていると思います。

 次の中計では、そのボトムラインを3000億円

 まで伸ばしていけるかが焦点になるでしょう。


 一番の逆風は資源価格が落ちることでしょう。

 最も損益に響くでしょうから。この資源価格と

 一部関連しますが、僕が気になっているのは

 中国です。金融セクターがおかしなことに

 ならないか心配です。

 それと、中東やロシアの不安定化がどこまで

 広がるかは見通せません。

 このあたりが、ボディーブローのように効いて

 くることはあるかもしれません。

 一方、米国はリスク要因とは考えていません。
 




丸紅社長 國分文也氏

丸紅社長 國分文也氏

(『日経ビジネス』 2014.09.22 P.078)




日本の三大商社といえば、現在では、
三菱商事、伊藤忠商事、丸紅
ですね。


私が大学卒業後、就職した1978年頃
とは順位が様変わりしました。


当時の三大商社といえば、
三菱商事、三井物産、住友商事
と記憶しています。
間違っているかもしれません。


つまり旧財閥系商社です。






そのような位置づけで、國分さんは
このように語っています。


 僕は常々言っているのですが、丸紅はまだ「挑戦者」

 として積極的に投資をしていきます。ただ、その一方で

 上位の商社と比べると財務体質が弱いのも事実です。


 営業キャッシュフローの改善に力を注ぎ、低収益の資産

 の入れ替えも進めていきます。
 



先行投資をしていかないと、将来の利益が
先細りしてしまう、という危機意識が強い
からです。


「商社冬の時代」と言われたのは、
遠い過去のことのように感じられます。


商社の機能は、モノやサービスの輸出入
ビジネスの中にあって、中核的存在です。


ただ、取扱量は莫大ですが、利益率は
かなり低いものが多いです。
それでも連結純利益が2000億円前後
というのですから、ポートフォリオを見直し、
利益率の高い事業の仲介(モノを流し、
手数料を受け取る)ではなく、
直取引へと移行してきた結果だ、と思います。


メーカーはかつて、商社を排除し、
中抜きをしたことがありました。
少しでも利益を削りたくなかったからです。


しかしながら、商社の現地で長年培った
ノウハウなしに、輸出入、とりわけ輸出は
困難を極めるものでした。


國分さんが語っているように、
「資源」を一括りにして扱うことは、
無理があります。


「資源」をブレークダウンし、
それらの特性を理解し、どの資源が将来的に
利益をもたらすのか見極める目が、
今後ますます重要になってくるのは、
多言を要しません。





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