日経ビジネスのインタビュー(136) 目標必達の体質に変える | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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目標必達の体質に変える
2014.09.08

三浦 善司 (みうら・ぜんじ)氏

[リコー社長]


 どの企業もリーマンショック以降、欧州危機や

 震災、円高などに苦しめられてきましたが、

 それだけではありません。私たちのビジネス

 モデル自体に問題がありました。リコーの主力

 事業は複写機ですが、だんだんコピーを取ら

 なくなってきました。情報のアウトプット先は

 紙でなくなり、タブレット端末などに変化して

 きました。


 変わらなきゃいけない。ビジネスの効率を

 もっと高める必要がある。だからトランス

 フォーム(変身)が必要だと口を酸っぱくして

 言っています。


 「人を愛し、国を愛し、勤めを愛す」という

 創業者の市村清の言葉であるリコーの

 「三愛精神」に反することをやっているんじゃ

 ないかと言われたのが一番つらかった。


 目標を達成できない体質になっていました。

 みなさんに公表した目標が全然達成できて

 いない。社内で決めたアグレッシブな数字を

 目標値にしてきたのですが、公表している

 以上、達成するのは当然です。


 先進国ではハードウェアと、IT(情報技術)など

 のサービスをセットで提供する「モノ(ハード)

 +コト(サービス)」を大きく展開していきます。


 一方、新興国はまだまだハードだけでも伸び

 しろが大きい。アジアや中近東、中南米の売り

 上げはここ数年、毎年2けた成長を続けており、

 今までのビジネスモデルがある程度通用します。

 ただ急激な経済成長を遂げている一部の国では、

 新たなイノベーションも同時に起きています。

 ですからモノ+コトの考えは、段階的に新興国

 でも展開していかなければなりません。

 これは市場をよく見極めて決めます。


 どのカメラもリコーと傘下の「ペンタックス」の

 光学技術を存分に生かした製品です。リコーの

 前社名は理研工学工業ですし、もう意地ですね。

 意地でもカメラはやめません。


 例えば昨年発売した360度撮影できる全天球

 デジタルカメラ「シータ」(下図参照 註:藤巻隆)。

 死角のない360度撮影ができる点を生かして、

 お年寄りやペットの見守り用途などのセキュリ

 ティーサービスで活用していきたいと思います。

 これからは複写機もカメラも単体だけでは売れ

 ません。ハードに新しい付加価値をプラスして

 提案していくつもりです。


 「クオーターレボリューション(4分の1の革命)」と

 社内では言っています。常に全体のビジネスの

 25%を新しいビジネスに変えていく。1つのビジネス

 モデルが未来永劫続くということはありません。

 複写機のようなハードだけのビジネスの寿命は

 やはり短くなっている。

 
 現在、実証実験を始めているのが、遠隔医療

 システムです。画像診断や画像処理、通信技術

 などを使ってインドの都市部の医師が地方に住む

 患者を遠隔で診断することができます。


 繰り返しになりますが、先進国を中心に「モノ+

 コト」の販売力が求められています。

 しかし、これまで何十年もハードだけを売ってきた

 社員にいきなりサービスを売れといってもそう簡単

 にはいきません。そこで、今年2月に米国のITサー

 ビスの会社を買収しました。


 評価を上げるための方法は2つしかないと思って

 います。1つは現実のビジネスで利益を出すこと。

 もう1つは将来を語ってそれを着実に実行すること。

 当たり前ですが、この2つに尽きますね。努力して

 いますが、まだ十分ではないということなのでしょう。


 1000億円規模の事業はすぐに育たなくても、常に

 新しいビジネスを生み出して地道な努力で伸ばす

 ことで、厳しい評価を覆していきたいと思っています。 
 




リコー社長 三浦善司氏と360度撮影ができる「シータ」
リコー社長 三浦善司氏と360度撮影ができる「シータ」

(『日経ビジネス』 2014.09.08 P.084)




次世代の事業の柱とすべく、「3Dプリンター」市場に
参入しました。


3Dプリンター市場がこれから急拡大すると見て、
リコーが蓄積してきた複写機の技術を応用できる、
と確信したからでしょう。


さらに、参入が遅れると不利になるという判断が
働いたとも考えられます。


「3Dプリンター市場参入」の内容をご紹介しましょう。
リコーの公式サイトから引用しました。


 3Dプリント関連事業に参入
 ~RICOH Rapid Fabで、ものづくりのイノベーション
 を支援~

  株式会社リコー(社長執行役員:三浦善司)は

 この度、3Dプリンターをキーとしたアディティブ・

 マニュファクチャリング事業(AM事業)に参入

 します。事業の第一弾として、ものづくりイノベー

 ション拠点「RICOH Rapid Fab(リコーラピッド

 ファブ)」を神奈川県横浜市と厚木市に開設

 します。

 今年度は2つの「RICOH Rapid Fab」の運営を

 通して、3Dプリンターの仕入れ販売、3Dプリン

 ター出力サービス、リコーの実践事例に基づく

 コンサルティング提案を展開し、今後はグロー

 バルに拠点を順次拡張していきます。

 なお、日本における販売はリコージャパン(株)

 が行います。


 <事業参入の背景>
 近年、顧客ニーズの多様化に対応するため、

 製造業では短期間での製品開発プロセスが

 求められています。

 3Dプリンターは、設計データから手軽に試作品

 を造形し、時間とコストの節約に貢献できる

 として、ものづくりの現場において関心が高まって

 います。リコーグループでは、20年以上にわたり

 設計業務で3Dプリンターを活用してきた実績に

 加え、試作や金型加工などの数々の技術を有して

 います。

 こうした実績と技術を融合したAM事業を立ち上げる

 ことでリコーは、お客様のものづくりの現場における

 イノベーションを支援いたします。
 

 3Dプリント関連事業に参入 ~RICOH Rapid Fabで、
 ものづくりのイノベーションを支援~
 から 


リコーはもともと主力は複写機(コピー機)でしたから、
ノウハウは蓄積しています。


2次元から3次元への進化は、私たちの生活にどんな
変化をもたらすのでしょうか?


号砲! 3D生産競争 クルマもスマホも印刷できる (1)

号砲! 3D生産競争 クルマもスマホも印刷できる (2)


こちらも合わせてご覧ください!


リコーについて補足説明をします。

リコーの歴史を紐解くと、小保方晴子さんが「STAP細胞」で
物議を醸した理化学研究所と関連があります。



 1936年2月6日 - 理化学研究所で開発された感光紙の

 商品化のため、理研感光紙株式会社として設立。
 

  リコー Wikipedia から





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