日経ビジネスの特集記事(71) 号砲! 3D生産競争 クルマもスマホも印刷できる(1) | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の
概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>



日経ビジネスの特集記事(71)

号砲! 3D生産競争
クルマもスマホも印刷できる

2014.09.01



今週の特集記事のテーマは

一人ひとりに最適化した商品を、外部の知恵を
取り込んで作る。
独り善がりのモノ作りが通用する時代は終わった。
それは開発や生産の現場のみならず、物流や
販売にも革命を起こす。
3D生産革命にどう向き合うかで、ニッポンの未来
が変わる

ということです。



まず、下図をご覧ください。
今週号(2014.09.01)の表紙にもなっている
「3D PRINTER」の置物を3Dプリンターで
作製したプロセスと完成図です。


『日経ビジネス』取材班が作製したもので、
「サイズは10×10×2.5cm、約4時間で完成
 した」(P.024)そうです。


作製のプロセス



完成品


(以上2点 『日経ビジネス』 2014.09.01 号 PP.024-025)



面白そうですね! 
ポイントは、元データをどのように取得
するかだ、と思います。


3Dプリンターにデータを入力すれば、
あとは勝手に3Dプリンターが作製して
くれるので、待っていればよいのです。




PART1 米国発、「印刷」革命

3Dプリンターは「フィギュアとか試作品
を作るだけでしょ?」と思われがちですが、
実はそうではないことが分かります。


GEは旅客機用次世代エンジンを3D
プリンターで作製を決定。


 GE(ゼネラル・エレクトリック)は次世代エンジン

 「LEAP(リープ)」に組み込む金属製の燃料

 ノズルを、3Dプリンターで作ると決めた。

 溶接箇所を減らし、耐久性を従来の5倍に

 高めるためだ。リープの受注は既に6000基超。

 欧州エアバスが開発中の旅客機「320neo」

 などに搭載され、2016年にも大空を舞う。
 

  (P.027)


グーグルは2015年にスマホを発売する
予定です。


 今年4月、グーグルは「Project Ara(プロジェクト・

 アラ)」と呼ぶスマホの開発計画を高らかに宣言

 した。電池やディスプレー、カメラ、プロセッサー、

 外装といった部品をブロックのように組み合わせ、

 個人の好みや用途に合う端末を作り上げるという

 構想だ。来年第1四半期にも発売する。
 

  (P.028)

グーグルの構想は「個客」をターゲットに
したものです。個人の好みに合わせ、
部品を組み合せて提供することが可能に
なります。


 組み合わせるパーツを絞れば、50ドル(約5200円)

 のスマホに仕上げることもできる。今はスマホを持つ

 経済力がない世界50億人もの人々に安価な端末を

 届けることが可能になるのだ。
 

  (P.028)


世界の人口は70億人です。その内の50億人
ですから7割以上に安価なスマホを提供する
ことが、可能になるかもしれません。


3Dプリンターは、日本の製造業にも
大きな影響を及ぼすことになる、
と思います。


工業製品を製造する場合、まず金型を
作ります。その金型を使って、量産する
わけです。


金型メーカーと、製品の製造メーカーは
基本的に別です。住み分けができています。


コストを下げるために、同一製品を大量
生産するするのがこれまでの製造業でした。


3Dプリンターが普及してきたため、
今後は顧客の要望に応じて、多品種少量生産
が可能になります。しかも、短時間で作製でき、
コストも大幅に下げることができるように
なります。


金型専業メーカーは、危機感を抱いているに
違いありません。


3Dプリンターの特長は「金型や工具に依存
せず、ゼロから材料を積み上げて形を作り
出すこと」(P.029)です。


その意味で、
「『Additive Manufacturing(付加製造)』
とも呼ばれる」(P.029)
そうです。


3Dプリンターという名称が広く知られて
いますが、実態を表していないので、
Additive Manufacturingのほうが相応しい
ようです。


日本企業も安価な3Dプリンターへの参入が
相次いでいるそうです。


その理由は、ある「基本特許」が切れたため
です。


ストラタシスという企業と、3Dシステムズ
という企業が、3Dプリンターの世界市場で、
首位の座を争っているそうです。


 ストラタシスが保有していた「FDM(熱溶解積層)」

 と呼ぶ造形技術の基本特許が2009年に失効した

 ためだ。 
 

  (P.030)

ということになると、ストラタシスは厳しい
状況に陥ることになりかねません。


3Dプリンターを販売するだけでは、
競合他社が増えてくれば、自社の成長が
鈍化してしまいます。


そこでストラタシスは大胆な決断をしました。


 ストラタシスは自らモノ作りに乗り出すことで、

 製造業の開発から生産まで「密着し続ける」

 (ストラタシスの子会社、レッドアイのジェフ・
 
 ハンソン氏)という道を選んだ。
 

  (P.031) 


今年になって、日本で3Dプリンターの
名称が知られるようになりました。


ですが、米国は3Dプリンターの製造で、
先行しています。


3Dシステムズは「1987年に世界で初めて
樹脂を光で固めるタイプの3Dプリンター
を製品化した先駆者」(P.029)なので、
27年というノウハウの蓄積があります。



次回は、「PART2 モノ作りの常識を変える
3つの『P』」他をお伝えします。




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