盛田さんは、一人でアメリカに乗り込み、
市場を開拓し、ソニーの米国における地歩
を固めました。
そのため、日米関係に関する話が多く出て
きます。
その中でも、今回の部分は日米両国の国民性
にスポットライトを当てて話しています。
日米の国民性の違いを理解することが、
外交や商取引を行うための前提になることを
説いています。
盛田さんは、長年のアメリカ生活を通じて
体感し、身につけた考え方を披瀝しています。
通常、コミュニケーションには、
言語によるコミュニケーション(verbal
communication)と非言語によるコミュニケー
ション(non-verbal communication)の
2つがあると説明されます。
非言語によるコミュニケーションとは、
ボディランゲージやフェイスランゲージと
言われるものです。
ジェスチャーとか表情ですね。
ところが、この2つを理解しても通じ合えない
ことがあります。
それはエモーショナル(感情、情緒)とベース
となる歴史の違いです。
どうも話が噛み合わないと感じるのは、
そうした基本的で重要なポイントが共有されて
いないからです。
互いに相手を理解しようとする気持ちが大切です。
歩み寄り(譲歩)は自分の負けという意識を捨て
ない限り、外交や商取引はWIN-WINの関係には
至りません。
アメリカは多人種、多民族混在の国だから、
意思を通じ合うためには、言葉で喋って通じ
合う以外に方法がないので、少し大げさに
いえば、考え、思う以上に喋る。それに反して
日本は、“沈黙は金”とばかりお喋りを軽蔑し、
意志の疎通はハラとハラでいくという社会で
ある。
(P.221)
(103-1-0-000-391)
アメリカという国の根底、アメリカ人の
倫理観の根底には、やはりキリスト教
がある。つまり、博愛、“他人を愛せよ”
という思想が根底に流れている。
だからアメリカ人というのは、困った人を
助けるということは、本当に献身的にやる。
しかしそういう倫理観の裏には、困っている
人を助けないやつは悪いやつだ、という
見方がある。この裏返しの見方も非常に
強い。
(P.226)
(104-1-0-000-392)
エモーションは往々にして思慮分別を
曇らせます。エモーションは忍耐を蝕んで
しまいます。エモーションは現実から目を
そらさせ、安易な結論に走らせます。
したがって、日米関係のように複雑な関係
のなかにエモーショナルを持ち込むことは、
それこそ危険なことなのです。
(P.214)
(105-1-0-000-393)
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