トップは「有言実行」」
思いを発信し続けよ
岩沙 弘道(いわさ・ひろみち)氏
[三井不動産会長]
ローマの英雄カエサルは「一般の人は見たい現実
しか見ない」と言いました。
しかしリーダーは、問題から目をそらしてはいけない。
この一大ピンチがこれ以上悪くなることはない、
良くするだけだと、社長就任後はバランスシート
の問題処理に正面から取り組みました。
まだ株式市場が堅調だったので、株式を換金して
損失処理に充てるなどし、処理を急ピッチで進め
ました。
損失処理が一息ついた2001年9月、
米国同時多発テロ直後のタイミングで東京の六本木
防衛庁跡地入札があり、ここで当社が4割、
保険会社など機関投資家5社が6割を出資するファンド
が落札しました。
次なる目標は、「日本橋に青空を」です。
1964年の東京オリンピックの時に日本橋の上に
架けられた首都高速の高架道路を、
街づくりに合わせて地下に移設するなど工夫し、
日本橋に青空を取り戻したい。
社長だった10年以上前に言い始めた当初、
世間は「何をバカなこと言っているのか」という
反応でしたが、言い続けるうち最近では、
夢ではなくどう実現するかという具体的な話に
なってきました。
かつて、リーダーは「不言実行」が良しと
されてきましたが、今の時代「不言」はだめです。
自ら正しいと思う、信念に基づいた価値あることは、
言い続けて発信し続ける「有言実行」が何よりも
大事です。
(2014.06.23号から)
「不言実行」は、失敗した時のことを考え、
前もってリスクヘッジ(リスク回避)しているのです。
成功すれば、「物事はこうするのだ」と自慢できます。
どちらにしても本人にとって、デメリットはありません。
一方、「有言実行」はリスクが伴います。
一度公言して失敗すれば、「口だけ人間」というレッテル
を貼られます。
大口をたたくだけで、結果を残せない人物と言われます。
しかし、どちらがプロフェッショナルでしょうか?
「不言実行」? 「有言実行」?
言うまでもなく、後者です。
「有言実行」は責任を持つことになります。
失敗すれば、責任を取って辞めなくてはならないかも
しれません。
ですから、大半の人は「不言実行」を選びます。
「有言実行」する人は、自信があり、大きなリスクを
負うことができる人です。
「有言実行」する人は、公言することによって、
自分に負荷をかけ、負荷をエネルギーにして、
なすべきことをやり遂げます。
常に、「辞表」を胸ポケットに忍ばせているような
人物とも言えるでしょう。
局面局面で、「真剣勝負」をしているのでしょう。
竹刀なら叩けば多少痛いことはあっても、
切ることはできませんから即死することはありません。
ですが、真剣(本物の剣)では死に至るほどの傷を
負わせることは可能です。
そのような「真剣勝負」が出来る人が、
プロフェッショナルです。
「有言実行」の人はそういう人物を指します。
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