2014.07.07
村田 恒夫 (むらた・つねお )氏
[村田製作所社長]
スマートフォン(スマホ)とタブレットなどの
通信分野と自動車分野の部品が好調
でしたが、円安に助けられた部分もあります。
我々は古くから「軽薄短小」をキーワードに
部品開発のロードマップを描いてきました。
自動車電話から始まった通信機器は、
肩に掛けられるようになり、
手のひらに収まるようになって今のスマホの
形になりました。
我々は自動車電話の時代から、部品開発を
続けています。この長きにわたる経験こそ、
我々の強みです。
村田製作所では私自身が何かを決めるの
ではなく、現場への権限委譲をかなり進めて
います。
事業本部長以下の決定に関して、
私はあくまでも最終承認をする立場です。
能力のある人材が働きがいのある会社にする
ことこそが私自身の務めだと思っています。
オーナー企業のメリットは、すぐに経営トップが
交代せず、何事も長期的ビジョンで進められる
こと。
我々の場合も2代目の兄は16年、私自身も既に
7年社長を務めています。
格安とはいえスマホでは高機能化が求められる上、
部品そのものの数も増えます。フューチャーフォン
では我々の部品を使ってくれなかった端末メーカー
に売り込むチャンスです。
今は格安スマホが需要の中心ですが、次の段階
としてLTE対応が進むのであれば、我々としても
技術力が 生かせる市場だと見ています。
アジア勢が力をつけているのは確かで、シェアも
拡大しているので警戒すべきだと思っています。
ですが、我々が高機能部品を矢継ぎ早に商品化
しているので、すぐに追いつかれるとは考えて
いません。
通信技術に関しては、LTEのような高速技術の
導入が進んでいますが、こうした技術革新は
今後も続くでしょう。
その意味では少なくとも今後5年間は競争力を
維持できると見ています。

(『日経ビジネス』 2014.07.07号 P.058)
村田恒夫さんは、村田製作所が長年培ってきた
技術力とノウハウに揺るぎない自信を持っています。
しかし、現在の地位にあぐらをかくことなく、
「成功の復讐」や「茹でガエル」に陥らないように、
危機感を持って、業界の変化に常にアンテナを
張っています。
ルールや方式が変更されると、今までの「強み」が
「弱み」に転換する事例は、業界を問わず、
いくらでもあるからです。
前回のインタビューに登場した、トヨタ自動車社長の
豊田章男さんも、危機感を抱きトヨタをスクラップ&
ビルドし、4つのBU(ビジネスユニット)に作り変え
ました。
それにしても、京都にはグローバル企業が集まって
いますね。
京セラ、村田製作所、日本電産、オムロン、堀場製作所、
島津製作所、ローム、任天堂、ワコール・・・
経営者同士の交流も盛んで、切磋琢磨しあい、
技術力の向上や人的交流を通じて、京都に一大企業群
を形成しています。
例えば、京セラの創業者、稲盛和夫氏が主宰する
「盛和塾」のメンバーだった永守重信氏が日本電産を
グローバル企業に成長させたことは有名です。
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