日経ビジネスのインタビュー(129) 一隅をしっかりと照らす | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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一隅をしっかりと照らす
2014.07.14

小飼 雅道 (こがい・まさみち )氏

[マツダ社長]



 2年続けて黒字を確保できましたが、

 我々の企業体質、財務体質はまだまだ

 脆弱で、改善の途上です。道半ばというか、

 まだ半ばにも差し掛かっていない。

 だから「最高益」という言葉はあまり使わない

 ようにしているんですよ。


 今は設計が済むのとほぼ同時に、生産ライン

 の基本ができるようになってきている。

 設計図の反対側が金型ですからね。


 スカイアクティブは一般的にエンジンの低燃費

 技術だと思われていますよね。

 でも本当は変速機やボディー、シート、

 ワイヤーハーネス(自動車用電線)、

 モーター部品に至るまでの「最適化設計」を

 指しているのです。


 販売がしっかりと頑張れば、工場は必ず応える

 と思います。工場ってそんなものなんです。

 販売が力を付けて、クルマを「早く作ってくれ」

 という状態になった時にこそ、工場は活性化

 します。本来持っている実力以上の力を発揮

 しますよ。CX-5のラインがそうです。


 販売がないといけない。販売の前には競争力

 のある商品の開発がないといけない。

 生産は最後なんです。商品が販売店に届き、

 その販売店からお客様に伝わり、

 注文台数が増えて、その後に生産要請がくる。

 だから販売なんですね。


 生産台数を求められれば、トラブルに俊敏な

 対策をしないといけない。みんな知恵が回る

 わけです。


 フォードとはまだ資本の提携関係を持って

 いますし、戦略的な関係は今後も維持して

 いきますよ。


 開発と製造品質などの技術交流も続けて

 いますし、生産部門の合同ミーティングは

 50回を超えています。


 フォードに限らず、パートナーシップで

 一番大事なのは相手の求めることに

 しっかりと応える能力があるかどうかですね。

 相手に頼るだけでは成功しない。

 そういう意味では協業は大変なんですよ。

 単独でやるよりも責任が非常に重くなる。


 我々の哲学は「走る歓び」。それを感じて

 もらえるクルマ作りにフォーカスしています。

 この点は、曲げるつもりはありません。

 受け入れてくれるお客様に今、買って

 いただいています。


 一番大事なのはマツダ車を買っていただいた

 お客様にきっちりと満足してもらうことですね。


 あらゆる面でマツダの価値を提供する。

 これを続けていくことが我々のブランドの

 最も重要なところだと思うんです。


 たくさんのクルマのジャンルの中で、

 ある一隅だけを、しっかりと照らせる商品

 を出していきます。


 我々の持つ役割をちゃんと認識して、

 自分たちの歩幅に合った商品作りをやって

 いく。ただし、世界の多様なニーズで、

 我々が対応できないものは色々な技術提携

 なり、協業を使わせていただく。

 当然、先方もウインになれるように、我々も

 実力を付けて、責任を持って仕事をする。

 こういうやり方で、広島にある自動車会社

 という位置付けを明確にして、繁栄を続けて

 いきたいと思います。
 






(『日経ビジネス』 2014.07.14号 P.068)




今から30年以上前に、日産系のディーラーに
勤務していた当時、マツダRX-7と日産スカイラインが
競合することがありました。


RX-7もスカイラインも当時はスポーツカーでしたので、
好敵手といっても過言ではありませんでした。


RX-7はロータリーエンジンを搭載していました。
爆発的なパワーが出る代わりに、燃費が悪いという
宿命的な性質を持っていました。RX-7は生産中止
となりました。その後、RX-7の後継車、RX-8を発売
しました。


「スカイアクティブ」については、
『日経ビジネス』(2014.06.30号)に関連記事が掲載
されました。

トヨタ 迫る崖っぷち 豊田章男を襲う 危機の正体
2014.06.30 <2>


-- 引用 ここから --

トヨタの開発陣が忸怩たる思いをしたことがあった
そうです。


 2011年。マツダが発表した低燃費エンジン

 「スカイアクティブ」を目にした時の忸怩たる思いを、

 トヨタの開発陣は忘れられない。このエンジンを

 搭載した小型車「デミオ」の燃費性能は25.0km/㍑

 (JC08モード)。車格が同じトヨタ「ヴィッツ」の

 21.8km/㍑(当時)を大幅に上回っていた。
 



 
 スカイアクティブの高性能を支えるのはトヨタ系部品

 メーカーだ。
 
  (P.036)

-- 引用 ここまで --


この記事を読むと、マツダは独自技術にこだわらず、
自分たちだけではできない場合には、
協業(コラボレーション)を厭わないという強かさも
持ち合わせています。


小飼さんが語った、
「一番大事なのはマツダ車を買っていただいた
お客様にきっちりと満足してもらうことですね」
という言葉で表現されたように、
顧客満足度を高める努力を続けています。


リピーターを大切にすることを心がけているのです。






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