2014.06.23
クルト・ボック(Kurt Bock )氏
[独BASF会長]
世界中で石油・天然ガスの採掘を手掛け、
基礎化学品や高度な先端素材など、化学
に関するあらゆる製品を生産しています。
この先も化学会社としてやっていきます。
シェールガスの持つ意味は、世界のある
地域で原燃料費が非常に安くなるという
ことです。
欧州市場は飛躍的な成長は見込めません。
日本にも同じことが言えます。一方で南米や
アジアは高い成長が見込まれ、北米では
シェールガスが出てきました。軸足を移して
いくのは当然でしょう。
我々は自家発電を持っています。欧州の
拠点では発電と蒸気を組み合わせた複合
サイクルによって、発電効率を90%に高めて
います。蒸気を使わない一般的な発電設備
の効率は40~45%ですから、飛び抜けて
高いことが分かると思います。実は、ドイツ
の電気料金高騰は、我々にとってそれほど
大きな影響がないのです。
BASFは第2次世界大戦直後の1950年代
からシェルと化学分野で提携してきました。
その経験から言うと、提携がうまくいくか
どうかのポイントは、組み合わせが適切か
どうかに尽きると思います。
良い関係を維持するためには、時間と努力
を惜しんではいけません。常に自分の欲しい
ものが手に入ると思ってもいけません。
自分にとって最良のものを確保しようという
のはエゴです。協力関係を通じて、それぞれ
が何を得られるのかを分かり合うことが大切
です。必要以上のものを求めないという姿勢
がベストではないでしょうか。
長期的に見て良い事業だと思う分野には、
時間がかかっても積極的に投資します。
発明者という立場でありながら、市場作りも
仕掛けていきます。兵庫県尼崎市に電池材料
の研究開発センターを置いたのもそのため
です。
最終的に重要なのは、人です。相手企業の
社員に、我々の目標を理解し、共感してもら
えるかどうかです。
M&Aには終わりがありません。目的地への
アプローチも1つだけではありません。
目的地に到着したら次の目的が見つかる
かもしれない。その意味では長旅に近い
ような気がしますね。

(『日経ビジネス』 2014.06.23号 P.084)
独BASFは、日本国民には馴染みのない社名
です。
ところが、実態を知るとすごい企業である
ことが分かります。
(『日経ビジネス』 2014.06.23号 P.083)
2013年度の売上高は前年度比2.6%増の
739億7300万ユーロ(約9兆5900億円)。
ライバル企業である米ダウ・ケミカル、
デュポンの2倍以上に達している。
3日前(2014.06.23)の日本経済新聞社に独BASFに
関する記事が掲載されていました。
(2014/06/23 日本経済新聞 夕刊 3ページ)
欧州素材、米で投資拡大――独BASF、
最大の基礎化学工場、ライオンデルバセル、
エチレン生産力上げ、車大手の増産に対応。
全文は下記のPDFをご覧ください。
欧州素材、米で投資拡大――独BASF
(日経テレコン 大和証券版から)
クルト・ボック氏は、
「写真撮影が苦手でほとんどメディアに登場しない」
ということで、日経ビジネスは貴重な写真を撮影
しました。
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