今週の言葉(38) 一衣帯水の日中関係 大平政治に学んだ 積み重ねの大切さ | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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一衣帯水の日中関係
大平政治に学んだ
積み重ねの大切さ


福川 伸次(ふくかわ・しんじ)氏
[東洋大学理事長、元通商産業事務次官]




 国交正常化に際して周恩来首相が

 賠償請求権の放棄を決断しましたが、

 経済界には「賠償を放棄してくれた
 
 のだから、何か供与すべきではないか」

 という声が根強くありました。

 高度成長で日本にはお金があった時代

 です。しかし、大平さんはこれには

 否定的でした。

 「賠償問題には決着が付いているの
 
 だから、見返りのような供与をすると、

 長期的に見た日中関係に毒することに

 なる」。大平さんはこう考え、一過性

 で終わることのない協力関係を築く

 ことに心を砕いていました。

 
 一つひとつ着実に積み重ねて信頼関係を

 育んでいく。時に「鈍牛」とも称された

 大平政治から学んだことが、今に至るまで

 中国と浅からぬお付き合いをすることに

 なる私の道標になったような気がします。


 中国との個人的な信頼関係も一朝一夕に

 築けるものではありません。幾度もお会い

 して胸の内を語り合ったのが首相も務めた

 朱鎔基さんです。


 朱鎔基さんの言葉が印象的でした。

 「文山会海」。文書は山のごとく、会議は

 海のごとく、ということでしょう。

 「自分は忙しくて仕方がない、どう整理

 したらいいんだろう」としきりに話して

 いました。


 日中は一衣帯水の関係です。その時々

 感情的に考えるのではなく、地道に信頼を

 高めていくしか道はありません。

        
         (2014.04.28・05.05号から)
 






大平正芳元首相のエピソードが語られています。


大平さんは、福川さんが話されているように、
「鈍牛」とか、「あ~う~」という声を発し、
答えがすぐに出ないからと、マスコミや野党議員
たちからずいぶん叩かれたものです。


大平さんは、物事をじっくり考え、地道に一歩一歩
前進するタイプの首相だったのでしょう。


傍目から見ると、動きの鈍い「鈍牛」だったの
でしょうが、外交においては慌てていては、
前進するものも前進しないということなのかも
しれません。


相手がいるからです。自分のペースで一方的に
推し進めることはできません。


現在、日中関係は当時と比べると、ずっと難しい
状況になっています。


一度原点に帰って、日中関係を捉え直す必要がある、
と感じました。民間レベルではうまく行っていても、
国家レベルでギクシャクしていてはお互いにメリット
はありません。


尚、福川さんは、最後に「一衣帯水」という言葉を
使っています。


私はこの言葉の意味をよく知りませんでしたので、
調べてみました。



 いち-いたい-すい【一衣帯水】

 一衣帯水 意味

 一筋の帯のように、細く長い川や海峡。

 転じて、両者の間に一筋の細い川ほどの

 狭い隔たりがあるだけで、きわめて近接

 しているたとえ。

 ▽「衣帯」は衣服の帯。細く長いたとえ。

 「水」は川や海などをいう。
 


 (goo辞書「一衣帯水」から)


中国でよく使われる「ことわざ」の一つだそうです。





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