日経ビジネスのインタビュー(123) 「300年まで成功」が務め | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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「300年まで成功」が務め
2014.06.02

エレン・クルマン (Ellen Kullman)氏

[デュポン会長兼CEO(最高経営責任者)]



 地球では人口が増え続けています。2011年に

 70億人に達し、2050年までに90億人に膨れ

 上がると予想されています。人口が増えれば

 様々なストレスがかかります。

 まず増え続ける人口にどう食糧を供給するか。

 輸送手段も必要です。それにはより多くの

 エネルギー消費されるでしょう。

 安全への要求も高まります。


 メガトレンドを基にデュポンの方向性を明確

 にする。それによって、多くの従業員が目的

 意識を持ち、プライドを持てるようになる

 わけです。 


 私たちが中核としているのは農業、栄養、

 インダストリアルバイオサイエンス、最先端素材

 などです。

 そこで必要なのはまずイノベーションです。


 もう一つ大きいのがグルーバルリーチでしょうか。

 もし素晴らしい技術や製品があってもそれが

 なければお客様に届けられません。

 デュポンには世界各地に拠点があり、ネット

 ワークがあります。


 重要なのは、「戦略」「実行」「人材」という

 3つのプロセスです。

 
 最も大切なのが人材です。適切な人を適切な

 仕事に配置することが何よりも重要です。

 必要な人材の採用、能力開発、それから社内に

 どんな人材がいるかを注意して見ています。


 取締役会では、50~75%ぐらいの時間を割いて

 戦略について議論しています。残りはその実行、

 業績、ポートフォリオなどです。


 重要なのは俊敏さ柔軟さです。私とCFO

 (最高財務責任者)は各事業部のトップと

 少なくとも四半期に1回はミーティングをします。


 イノベーションはデュポンの骨格をなすものです。

 それは会社創設から綿々と受け継がれているん

 ですね。文化と言っていいかもしれない。


 2009年、私はCEOの職に就任した当時、

 経済状況は非常に悪かった。

 そこでアルフレッド・デュポン(1902年会社が

 危機に瀕した時、デュポン家の3人のいとこが

 会社を買収。そのうちの1人で科学者 注:藤巻隆)

 のことをいろいろ勉強したわけです。


 最近は中国が注目されていますが、それは製造の

 方が大きい。イノベーションという点ではやはり、

 日本を重視しています。

 日本で培ったイノベーションを活用して、世界で

 売り上げを伸ばしていきたいと思います。
 






(『日経ビジネス』 2014.06.02号 P.044)




デュポンの特徴は、100年先まで考える
コーポレート・カルチャーがあることと、
イノベーションを変革のツールの中心に
据えていることです。


創業212年の会社は、これから3世紀へ
向けて戦略を練っていきます。
「3年先さえ読めない」という経営者が
数多くいる中で、特異な存在と言えます。


超長期的な視野で将来を見据える姿勢は、
足元(短期)と将来(長期)を見比べ、
方向性とズレが出れば、アジリティ
(俊敏さ)を持って、修正し、実践して
いくのでしょう。


日本企業が、デュポンに対抗することは
容易なことではありません。




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