日本には、「横並びの精神」が根付いています。
盛田さんが指摘しているように、「ライバル会社が
新しい事業を始めると、『うちもやらにゃならん』
と考える会社が多い」のです。
その結果、どうなるかと言うと、利益が出ない、
消耗戦を強いられることになります。
よく言われる、ライバルが多い“レッドオーシャン”
です。その中で、無益な競争をすることになります。
これは、企業にかぎらず、個人でも同様です。
「あの人がやるから私もやる」
“レッドオーシャン”で、かなりの確率で勝てる自信
があるなら、勝負してみるのもいいでしょう。
そこでの経験が、後に生きてくるかもしれません。
ところが、そこで体力を消耗しすぎてしまうと、
次に別な取り組みをしようとしてもなかなかできない
という、状況に陥ってしまう可能性が大きいです。
ライバルの少ない“ブルーオーシャン”で勝負できれば、
勝ち続けることは可能かもしれません。
孫子の兵法によれば、「戦わずして勝つ」ことが最善
であると書かれています。
それは分かりますが、容易なことではありません。
人生は長いようでいて、短いです。
30年以上前までなら、定年までのおよそ40年にわたる
社会人人生を全うすれば、退職金がもらえました。
さらに、年金を支給され、老後の安泰した人生を送る
ためのグランドデザインを描くことが可能でした。
ところが、現在ではどうでしょう。
企業は、正社員を減らし、契約社員やアルバイト
といった、雇用期間を保証しないですむ雇用形態が
常態化し、人材をコストとみなす経営者が増えて
きました。
「終身雇用制度」は完全に崩壊したと言っていい
でしょう。もはや雇用は保証されていません。
少子高齢化は国の予想をはるかに上回る速度で進行し、
国は年金の支給を減額したり、年金支給開始年齢を
先延ばしすることで、対応しようとしています。
そうした措置もいつまで続くか分かりません。
いずれ年金制度は破綻するかもしれません。
年金制度が破綻するという最悪な結果に至らなくても、
社会保障制度改革が実施されれば、現行以上に厳しく
なるかもしれません。
もはや年金を当てにすることはできません。
健康保険制度も同様です。長生きはリスクとなって
きています。
高齢になれば病気になる確率は高まります。
医療費を削減しても、介護保険料の負担は重く、
のしかかってきます。
こうした現実を目の当たりすると、将来に不安を
抱えた人たちが増えるのはきわめて自然のことです。
現実から目を逸らしてはいけません。
そこで、今後どうしたら良いのか、考えてみました。
一度しかない人生に、悔いを残さないためには、
人生にも「選択と集中」が不可欠だということです。
「人がやるから自分もやる」という、横並びの考え方
から、「人がやるなら自分はやらない」、
さらに、「人がやらないなら自分はやる」という強い
意志で、取捨選択する考え方に切り替えていかないと、
生き残っていくことは難しい、と考えています。
プリンシプルとは何か。それは、誰もが、
どんな商売でも自由にできるということ
である。誰でもできるということは、必ず
競争が伴うということでもある。したがって、
競争に負けた会社は潰れざるをえないから、
是が非でも競争に勝たなければならない。
(P.44)
(022-1-0-000-310)
競技で勝つためには、自分のペースを守る
ことが必要である。マラソンでも、走り
ながら相手ばかり気にして、自分のペース
を乱す選手は絶対に勝てない。
(P.45)
(023-1-0-000-311)
経営の場合も同じである。自分の得意の
種目――つまり業種に絞って、自分の
ペースを守ることが、自分の力を発揮
するうえで最良の方法なのである。
ところが世間には、ライバル会社が
新しい事業を始めると、「うちもやら
にゃならん」と考える会社が多い。
つまり、相手によってペースを乱されて
いるわけで、これでは競争に勝てない。
(P.45)
(024-1-0-000-312)
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