日経ビジネスのインタビュー(115) グーグル恐るるに足らず | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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グーグル恐るるに足らず
2014.03.31

コリン・アングル(Colin Angle)氏

[米アイロボットCEO(最高経営責任者)]



 我々はロボットがもたらす「未来」に

 ついて長期的なビジョンを持っており、

 それに沿って新製品を開発しています。


 ルンバの開発で優先するのは、ゼロメン

 テナンス、掃除性能の高さ、そして

 信頼性です。

 見た目の良さも大切かもしれませんが、

 「世界最高の掃除機」を目指す当社に

 とっては、優先度が下がる。

 我々は消費者が何を好み、何を嫌うか

 という点について何度もテストを繰り

 返しており、最重要項目に集中できる

 のです。


 もちろんコストは考慮に入れますが、

 我々の製品は最も高価で最新の技術を

 搭載しているため、販売価格は一番高い

 水準で勝負します。

 高いコストをかけ、競合他社から攻撃

 されるような革新的製品を生み出すのが、

 アイロボットのビジネスモデルです。


 アイロボットの研究開発組織は、家庭用、

 テレビ会議などリモートプレゼンス用、

 防衛・セキュリティー用という事業分野

 で区別されています。

 さらに、各分野は1年以内に製品化する

 「現在の開発」、1~2年後の実用化を

 目指す「中期的な開発」、2年を超える

 「長期的な開発」に分類されています。


 このうち、私が最も大事だと考えている

 のは、実は中期的な開発です。


 企業は、単に最高の技術を持っている

 だけでは十分ではありません。

 技術を製品に結びつけるのに要求される

 スキルは、全く性質が違うのです。

 信念を必要とするのです。


 「中期的な開発」に成功している企業で

 それを可能にしている企業でそれを可能に

 している要因が何かと言うと、それは

 CEO(最高経営責任者)です。

 失敗するかもしれない開発に対し、CEO

 が自らリスクを取って資金を投じている

 のです。


 我々が今、最も注力しているのは「ナビ

 ゲーション」「マニピュレーション(操作)」

 「クラウドロボティクス」の3つのテーマです。


 これから最も需要になるのは、ロボットに

 周囲の世界を理解させる能力です。

 ナビゲーションとマッピング技術を向上させる

 ことで、様々な新分野が開けるはずです。


 SLAM(Simultaneous Localization And

 Mapping)という技術をご存知でしょうか。

 ロボットが周囲の状況をマップにするのと

 同時に、自分がマップ上のどこにいるのかを

 即座に判別し、環境に素早く適応する技術

 です。私の予想では、SLAMは今後、ロボ

 ティクスの世界で中核的な役割を果たす存在

 になるはずです。

 特に興味深いのは、高額なレーザーの代わりに

 安価なカメラをセンサーに使った「ビジュアル

 SLAM」です。

 アイロボットはこの技術に関して多くの基本

 特許を押さえており、将来、当社の重要な武器

 になると考えています。


 アイロボットはロボットの専業メーカーである

 点で、アマゾンやグーグルとは違います。

 我々はルンバを累計で1000万台生産し、

 実用的なロボットを開発するためのノウハウを

 熟知しています。実際に人に使われるロボット

 を開発してビジネスを成立させるのと、

 「クールな会社」というイメージのために

 ロボットを開発するのは、全く違うことなのです。


 アイロボットの最も重要なバリューは、ハード

 ウェアとソフトウェアの両方に通じた専門家が

 おり、それらをコスト効率の高い方法で組み

 合わせる力にあります。


 アイロボットは、その両方を結び付けられる

 点でユニークな会社なのです。
 





今回のインタビューはとても興味深く、読みました。


アイロボットを使った近未来映画が制作されたり、
ルンバというロボット掃除機でつとに有名ですが、
これらはアイロボットの実力の一端を示したに
過ぎないことがよく分かりました。


アイロボット社は、昨日今日にできた企業では
ありません。


1990年に、米マサチューセッツ工科大学(MIT)
の人工知能研究室で知り合ったヘレン・グレイナー氏、
ロドニー・ブルックス氏と共同で創業しました。


コリン・アングル氏は1967年生まれですから、
23歳の時に創業し、今年で25年目になります。
四半世紀の歴史があります。


この辺りに、アングル氏はロボット専業メーカー
として、ハードウェアとソフトウェアのノウハウの
蓄積に自負しているのです。


近い将来、世界中にものすごい影響力を及ぼす
企業になりそうな気がしています。ヒューマノイド
(人型ロボット)や軍用ロボットも手がけ、何を
しでかすか分からないという「怖さ」も持ち合わ
せていることが気がかりですが。


最先端技術が軍事目的に転用されることは、歴史を
振り返ると多くの事例が見つかります。


原子力(原子爆弾への転用)しかり、バイオテクノ
ロジー(生物化学兵器への転用)しかり、AI
(人工知能を持った軍用ロボットへの転用)しかり
です。


最先端技術は平和利用して欲しいですが、世界を
見ると、それだけではすまないようです。


iRobot Defense & Security



iRobot CEO Colin Angle on the Shortcomings of
Humanoid Robots | Engadget at IFA 2013




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