日経ビジネスのインタビュー(112) コトよりヒトで客を誘う | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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コトよりヒトで客を誘う
2014.03.10

設楽 洋(したら・ひろし)氏

[ビームス社長]



 店のスタッフが100人いれば、100のビームス

 がある。

 個々のスタッフが持つ感性に共感してファンが

 集まる。

 ビームスはそういうブランドです。


 今進めているのは、100人のスタッフがそれぞれ

 100のコミュニティーを作ること。

 そうすることで、「コミュニティーブランド」を

 目指しています。


 今は、単純に「モノ」を売るだけでは響かない。

 それよりも「モノ」を使った先の楽しい生活、

 つまり「コト」の方が重要と言われています。

 それが「モノからコトへ」という思想です。

 でも、その起点になるのは結局、「ヒト」だと

 思います。


 プロがデザインに悩んだ時に、1000人の消費者

 にアンケートするよりも、旬に敏感な生活者と

 日々つながっているスタッフが多くいるビーム

 スにアドバイスを求めたい。そういうことなの

 だと思います。


 「あの人はビームス風だ」と言った時に、

 それぞれの人が思い浮かべるイメージは違う。

 それは、ビームスのスタッフがそれぞれ自分の

 スタイルを持っているからなんですね。


 当社の理念である「Happy Life Solution

Company」が彼らを束ねる横串になっていると

 思います。これはコミュニティーブランドにも

 つながるものです。ファッションを生業には

 していますが、それ以前にヒトとコミュニティー

 を大事にする。働く人や関係する人が幸せになる

 会社にしようという理念です。それに共感した

 人たちが集まっています。


 サラリーマンだった頃から「幸せって何だろう」

 と考えてきました。社員の幸せって極論すると

 2つしかない。やりがいのある仕事か、ものすごい

 報酬か。両方を提供できればベストですが、実際

 にはすべてのスタッフにそうできるわけではない。

 であれば、幸せがもう1つあってもいい。

 それは、仕事以外に自分のやりたいことができる

 時間があることです。
 





インタビューの中に出てくる、「モノからコトへ」
という考え方を身近な例で説明してみます。


アップルのiPhone が、なぜ大ヒットしたのかは
「モノからコトへ」で説明がつきます。


iPhoneはスマートフォンというモノですが、
このスマホは本来の通話する「こと」ができるだけ
でなく、写真も撮る「こと」ができるし、
インターネットに接続してネットサーフィンもする
「こと」ができる。


さらに、LINEやツイッターなどのSNS
(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)
を利用する「こと」ができるのです。


さらに言えば、他人とリアルタイムでつながる
「こと」ができるのです。


設楽さんは「モノからコト」の先にあるのは
「ヒト」だと言っています。


とてもわかり易い考え方だと思います。
マーケティングの概念でつい見落としがちなことは、
顧客=ヒトの存在です。モノを売る相手はヒトです。


たとえ、法人向け「BtoB」ビジネスであっても、
法人というヒトであり、組織はヒトの集まりです。


まして、個人向け「BtoC」ビジネスであれば、
なおのこと顧客=ヒトであることを一瞬たりとも
忘れてはなりません。


「店のスタッフが100人いれば、100のビームスがある」
という設楽さんの発言は面白いと思いました。


通常、チェーン店では統一イメージを維持するため、
マニュアル化された対応が求められます。


ところが、ビームスではスタッフの個性を尊重し、
顧客の個性とマッチしたコミュニティーを作ることを
大事にしているのです。


マクドナルドなどのファーストフード店とは、
一線を画すことです。





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