2014.01.13
宮坂 学(みやさか・まなぶ)氏
[ヤフー社長]
「オンリーワン」のものを作ろうと決めたのです。
自分達の力でそれができない時には「最強タッグ」
を組めるパートナーと組んでいこう、と。
そのように事業全体を整理していきました。
「(今よりも)10倍挑戦、5倍失敗、2倍成功」と
うたってきたわけですが、5倍かそれ以上の失敗が
起きる可能性があります。
今年は失敗とどうつき合うのかを問われる1年になる
でしょう。失敗したことに対する経営陣の社内への
発信も重要です。爆速、爆速と言われ、挑戦
させられ続けたのに、撤退する時に叱責しすぎて
しまっては、社内のモチベーション低下に
つながりかねません。
基本的に人は何かを表現したい生き物。もし、会社の
中で自分を十分に表現できていない人がいるとすれば、
それは会社の問題です。
手数料無料化で失うのは全社の売り上げの3%程度。
とはいえ、100億円近い金額になりますので、両輪の
うちの1つである広告がしっかり稼げている今、軌道
修正するべきと思いました。
広告ビジネスに舵を切ると決めたので、むしろ今後は
楽天やアマゾンが広告クライアントにもなりますし、
仕事はしやすい関係になったと思います。
僕らにとって大事なことは、出店者がどれだけ儲かるか。
出店者が儲けて初めて広告が出るわけですから、様々な
サイトに出店して売り上げを増やしてもらう必要がある。
ヤフーのサービスは、日本のネットサービスで最初に
作られたものが多い。つまり、一番先に老朽化します。
ドッグイヤーとも言われますが、1年が6年分に相当する
この世界で、15年もやっていれば90歳です。
「脱皮できない蛇は死ぬ」わけですが、もっと自己改革を
していかないといけない。
ちょっと沖を見ると、さらにタブレットというビッグウェ
ーブが来ている。我々にとって、チャンスであると同時に、
リスクでもあります。
「広告単価が下がるからイヤだな」というのではなく、
「サイトを訪れるユーザーをしっかり魅了しなくては」
ということを第一義に考えます。
多くの顧客を持っているヤフーだからこそ出稿してくれる
わけで、クライアントは、その魅力がなくなったヤフーに
用はないと思います。
「脱皮できない蛇は死ぬ」という言葉を知ったのは、
ボストンコンサルティンググループ元社長で、
ドリームインキュベータ創業者の
堀紘一さんが書いた著書のタイトルから
でした。
大きな成功体験があれば、どうしても挑戦
への意欲が薄れます。失敗したら責任を
取らなければならないからです。
しかし、守りに入ったら衰退するだけです。
成功した戦略を使い続けると、「成功の復讐」
によって、しっぺ返しを食らうことを、
肝に銘じておかなくてはなりません。
宮坂さんはそのことを熟知しているからこそ、
今年は撤退する事業も出てくると見ているのです。
経営者にとって最も難しいことの1つは、
撤退の時期です。
スピード感を持って、撤退しないとズルズルと
底なし沼に引きずり込まれます。
私も、約20年間と最も長く勤めた会社で体験
しました。撤退が遅れたため、経営破綻しました。
経営者の判断ミスで企業が傾く例は枚挙に
いとまがありません。
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