日経ビジネスのインタビュー(102) 主役の意識を捨てる 鵜浦 博夫氏 [NTT社長] | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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主役の意識を捨てる
2013.12.30

鵜浦 博夫(うのうら・ひろお)氏

[NTT社長]



スマートフォンの時代に入り、ほとんどの
サービスがアプリケーション(応用)ソフトで
実現できるようになりました。プレーヤーの数が
増えるとともに、多様化、グローバル化するよう
になりました。


しかし、NTTグループ内にはまだ、自らが
メーンプレーヤーであるという意識が根強く
残っています。残念ながらこれは大きな時代
錯誤です。我々は「One of Them(大勢の中の
1人)」にすぎないのだという自覚を持つ
必要があります。


過去5年に比べて、この先5年はさらに変化が
加速するとすれば、次世代など、もう想像
つかないレベルです。


我々の新しいミッションは、「企業や消費者の
変革をお手伝いする」ことです。


各種の規制に縛られ、自由な事業活動が難しい
国内にとどまるのではなく、訪米をはじめとする
海外市場に活路を求めることで、組織の変革を
加速します。


今の携帯市場では、一部のユーザーがキャッシュ
バック目当てで番号ポータビリティー制度を
使った転出入を繰り返しています。


そこに販促費を注ぎ込んでいるということは、
結果的に長期継続ユーザーに余計な負担を
強いていることになります。それは決して
望ましい競争ではありません。


今後はむしろ、長期継続ユーザーを優遇する
ような料金政策に変えていくべきだと
思っています。


IT(情報技術)の未来は予想しがたいし、
どんなサービスが、出てくるかも分かり
ません。ただ、1つだけ言えるのは、
2020年には新たなステージに移行しなければ
ならない、ということです。


ユーザーが利用する回線という意味では、
固定電話でなく携帯通信や無線LAN
(構内通信網)でもよくなっているのです。
そんな時代でも固定電話回線を維持しなければ
ならない。


昨年から社内に対して「競争力とは選択され
続ける力だ」と言っているんです。現実に、
米国では単に価格だけの問題ではなく、
安全性だとか、使い勝手などを含めて、
総合的にサービスを判断されるように
なっています。



鵜浦さんが、「競争力とは選択され続ける力だ」
と語っていることは、まさに「ブランド力」のことを
指しています。


「安全性だとか、使い勝手などを含めて、総合的に
サービスを判断されるようになって」いることから
も分かります。


それにしましても、「通信の巨人」と言われ続けた
NTTのトップの「我々は『One of Them(大勢の
中の1人)』にすぎないのだという自覚を持つ必要が
あります」という発言に、非常に驚きました。


時代の大きな変化をひしひしと感じ、このまま行けば
取り残されるという強烈な危機感があるからでしょう。


社内にそうした危機感を共有することが、欠かせないと
考えたからに違いありません。


ぬるま湯につかってばかりでは、「茹でガエル」に
なってしまいます。「茹でガエル」にならないためには、
時には「熱湯」が必要になります。





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