日本国内だけでなく、中国に進出した
イトーヨーカドー。
伊藤さんが述懐しているように、中国では
「お客様も、従業員も、取引先も分からない、
まさに創業」です。
「本物の仕事、創業の苦労と喜びを味わって
いるはず」という言葉は、伊藤さん自身、
創業者ですから全身で分かっているはずです。
鈴木敏文会長が続けている「業革」のための、
店長会議が二十年以上(本書が出版された
2003年時点)にもなる、ということは
すごいことだと思いました。
全国から東京の本部に、店長会議のために、
店長を集めるということは、交通費だけでも
多額のお金がかかります。
このお金はムダではなく、価値のあることへの
「投資」と考えているからできるのでしょう。
それが分かっていても、なかなか続けていく
のは容易ではありません。
素晴らしいことです。
鈴木会長がしゃかりきになって進めた「業革」
が、一店一店間違いのない店作りを心がけて
きた創業以来の伝統と一緒になって、厳しい
経営環境の中で、何とかヨーカ堂がもっている
理由だろうと思います。毎週、休みなく、全国
の店長を東京の本部に集めて、情報を交換し、
具体的な指示を出す店長会議を二十年以上も
継続し、陣頭指揮をとり続ける気力と体力にも
頭がさがる思いがします。
(P.141)
(031-1-0-000-232)
人間は誰も完全ではありません。企業組織、
とりわけ人が財産の小売業、サービス業には
切れ者だけでなく、様々なタイプの真面目で
誠実な人材が必要です。
(P.143)
(032-1-0-000-233)
東京では仕事がうまくいかなければ、他人のせい
にできます。組織ができあがって分業が進むと、
権限は細分化されて官僚化がはじまるからです。
それは、全体の仕事に責任を持って取り組む
当事者意識が薄れることを意味します。しかし、
文句を言う相手がいない中国では、何から何まで
自分でこなさなければなりません。お客様も、
従業員も、取引先も分からない、まさに創業です。
大変なことに違いありませんが、仕事とは本来
そういうものなのです。彼らは今、本物の仕事、
創業の苦労と喜びを味わっているはずです。
(P.146)
(033-1-0-000-234)
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